ちょっとした小話
彼はいい人だった。
敬礼<(80・)|
レンヤのホームで楽しく談笑していると、緑色の髪にツーブロックの青年が入ってきた。
「おい、レンヤ!お前、お前、ま~~た喧嘩しやがったな!
いつも、いつも言ってるだろ~が~。もっと冷静になって
行動しろって、今日という今日は許さんぞ。
くらえ唐辛子入り爆弾!!」
と泣きながら訴えてくるこの人が、例の苦労人か、確かに髪型は派手なのに顔は、............じ、地味の一言で終わる人だ。
そうして、見ただけで目が痛くなりそうな真っ赤な球を投げてきた。
しかーーーし!!
近くにいたライトが、反射的に鞘で球の衝撃を受け止め割れないようにし、逆にかの人に飛ばした。
しっ、しまった。
ライトがそう思っても時遅く。
唐辛子入り爆弾は、投げた本人のところへ、さながフリスボードをくわえた犬の如く戻る。
ライトの素晴らしき目は、苦労人の表情をしかと見ていた。
投げて、千年の恨みを晴らしたの如く解放されいい笑顔になっていた彼、しかし何故か途中で自分の所へ返ってくる球、しかも速い苦労人は驚愕と絶望そして苦悩を同時に見せたそこからスローモーションとなり、彼はふっと笑ったその顔は何かの真理に辿り着いた者のようだった。彼は、手を広げ、かの玉を迎え入れるまるで万人を愛す聖母のように。
そして、とうとう球は彼の顔に当たり弾けた。
それを見届けた彼は、『ようやくお前も役目を終えたんだな。俺も今行くよ。』
目が語っていたそう私に語っていた。
彼はもう消えてしまうのかと思った。
でも、球が
『まだ、ここにきてはダメ』
と
「め、目がーーー。ゲホっゲホっゲホっゲホっ
ぐああああ~~~~」
残念な苦労人であった。
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