引っ越し
ステータスの数値を変更いたしました。
できるだけ正確に値を定めますが、流石に全てを機械的に定めはしません。
といっても、1を1.0001に変える程度にですが(笑)
ステータス向上、職業による上がり方、種族による変化、メインとサブの違い等々は現在集計中で基本を作り上げました。
ですが、先に決めたことが首を絞めているのでロジックに行かない部分が多少あります。そこはご了承くださいm(__)m
経験値の上がり方、職レベ上げは未だ考え中!!
良い意見があったら提案だけでもお願いします。
三人は俊光の出た後に彼に対する評価を付けていた、いわゆる女子裏トークである。
中でも初対面の彩愛としては彼に凄まじく頭を悩ませる。
「う~ぅ、如何にも竜之介おじさまの孫だわ。堅物、一本気。あれが私の婚約者さんかぁ~。」
彩愛も顔馴染みの彼の祖父を知りえているので分かりやすいかもしれないが、例が悟りでも開いてそうな仙人である老執事と高校生が似ているだけで頭が痛くなる。
「先程の手紙はやはり竜之介様からですか?」
リーナは話を変えるように唐突に彩愛に話す。目には彼女に対する気遣いもあるが、大分好奇心の色である。例に違わず香織も視線を向け、耳を傾ける。
「うん、目の前に困った難物がいたらこれを渡してくださいと引っ越しする前に渡されていたの。まさか、気づかれているとはな~。祖父にしても孫にしてもオーラが....。」
ビターな表情で彩愛は俊光の祖父、竜之介の姿を思いだす。すかさず、彼女たちは手紙の内容を聞こうとするが彩愛がすまなそうな顔で手で制す。どうやら分からないようだ。
では、と次々と部屋を移動しながら女子トーク(表)をしていく。
「彩愛様はどうして婚約の話を受けようと思ったんですか?」
「私も不思議に思ってた。如何に?」
いくら母親からの見合いをしろと言われても、彩愛自身の意志無くば提案自体が無くなってしまう。
というのも、桜木道山が娘に無理強いをさせる人ではないからである。
「ん~と、母さんがお父さんから逃げられる方法があると言われてね~」
無邪気な彩愛の表情に一瞬ながらもリーナと香織は悪魔を見たかのような引きつった顔になった。
「えっと....」
「彩愛、桜木様嫌い?」
リーナは言葉に詰まってしまい二の次が言えなくなり、香織が代行した。
「ふふ、いえ嫌いではないけどね。過保護にされるのはあまり好ましくないと常日頃から思っていたの。だけど、お父さんはそれを言って治してくれ人ではないでしょ?」
「そうですね。無自覚に甘やかしている節はあります。」
「娘離れさせるため、に?」
上品な笑い声でその言葉を否定し何故かを問いてあげる彩愛に二人も聞くにつれて納得した表情になる。
桜木の溺愛ぶりは周りがドン引きするぐらいなのだ。
「そ。後は私の親離れ。昔より自由になってみたかったのもあるわ。」
彼女自身が親元から離れてもっと自身の精神面を鍛えるような生活をしてみたいと今どきの高校生にしては珍しいぐらい殊勝な考えからでもある。
「なるほど、ということは婚約は建前だったと?」
リーナや香織としてもあの溺愛ぶりからよくもまあこんなにキチンとしたお嬢様が誕生しているという奇跡は涙ものである。常人ならば我儘っ子に育っていたはずだ。
「ううん、受けても良いと思ってたわ。だって、仮にも母さんが紹介する人だし、どんな人か楽しそうだったから。でも、あれは正直に言ってスゴイわ。まさか、着いて早々に帰れだもん。」
まさかの事実は彩愛が婚約に好意的であることであろうことか。
だが、その彼女であっても先程の男性は強烈な印象だったようだ。
「俊光様は気難しい人ですから。」
「近づく前に人を察知する変態。」
ぼろくそに言われるとはこのことだろう。
「ふふ、楽しそうな殿方ですね。さぁて、俊光さんが言っていた通り慣れぬことばかりで気疲れしちゃったから仮眠するわ。ちょっとベッド貸してもらうけど構わないかしら?あ、お昼まで起こさないで?」
明日からの新しき生活に心弾ませながら彩愛はひと伸びする。
環境が変わったことによる疲れも貯まっているとリーナは、ふとそう思った。
「ええ、お休みください。」
「夕飯時になったら呼ぶ。」
「では、おやすみなさい。」
「「おやすみなさい。」」
リーナと香織は華麗に一礼してから彩愛を見送った。
「これは手が出しにくくなったわ、とリーナは思った。」
香織は突拍子もなくリーナの声真似をしながら言いだした。
リーナはそれを聞き、一つため息を吐いて馬鹿馬鹿しいと嘆く。
「はぁ、思ってないわよ。ただまあ、残念な気持ちはあるわ。」
「ふ~~ん。」
ジト見で見てくる香織にリーナは普段と変わらずの態度で接する。
「ん、何?」
「ダウト。」
香織はそれを言うと逃げるように彩愛の使うであろう部屋へと移る。
後に残るはポカンとした顔のリーナ
「...、ちょっと勝手なこと言わないでよ!」
淑女然とした先程の態度は何処にとばかりに大声をあげて香織を追いかける。
トラックから次々と運送業者の人と俊光が荷物を取りだす。運送業者の方は流石は本業の仕事と言うべきか手慣れた手つきで効率よく重たいものを持ちあげていて、俊光もその動きを上手くシュミレートしながら自身の性能で強引に持ち運ぶ。
「すみません、手伝ってもらって。」
運送業者の人は帽子を取りながら申し訳なさそうにそう言った。
運送を頼んだ人の手を煩わせることに仕事としての申し訳なさがあるようだ。仕事である以上は如何なる理由であっても頼まれたものが対処すべき事柄を依頼主にさせるなど通常は有り得ないのだ。
「いえ、私としても早く終わる方が良いのでね。それにそちらの方はお疲れのようですし。」
俊光は愛想笑いをしながら、おおよそ最近入ったであろう大学生ぐらいの疲れ切ったアルバイトを見ながらそう言った。
運送業者の人もそれを見て頭を悩ませ、アルバイトへ怒鳴る。
「はぁ、情けない。おい、キリハラ!!台車使って玄関前まで持ってこい!!」
「はいっす。」
無気力な青年は必死に体を動かして、懸命に台車に荷物をのせ、玄関の方へと走って行った。
年は中年程の運送業者の男は、自身と大差ない程しっかりとした手つきで荷物を運ぶ俊光を見て、感心した目つきで話しかけてきた。
「それにしてもお若いのにしっかりとしてるんですね。大学生ですか?」
「いえ、まだ高校に身を置く身です。」
彼の振る舞いを見て、大学生だと思っていた男は高校生だということに若干ながら驚きを示し、3年生だと勝手ながらに思った。それほどに俊光は洗練された雰囲気を醸し出しているのだ。
「それはまた。学校ではモテるでしょう?」
男から見ても俊光は否応なしに美形だと思える。
初めはどこかのモデルかと疑ったくらいだ。
そんな彼が学校でモテるのは必中と思い、オヤジくさいにやけ顔で聞いてきた。
「私などは別に大した魅力を持ちませんので全く。残念な限りですね。」
俊光はそれをバッサリと切り捨てる。
言葉だけで見たら残念無念また来週みたいだが、彼が言ってくるとそんな話を私に向けるとはどういう了見だと気の弱い人なら感じてしまう。
だが、この運送業者の人はそういうのには鈍いのか何の気負いもせずに構わず話してくる。
「またまた。それで、親御さんは仕事ですか?」
「ここは、私の家ですよ。親は別所ですね。」
「...はぁ、お金持ちなんですね。」
一人暮らしの高校生に、引っ越してくる女子高生。
そして、一軒家を持てるほどの資産家。
一体どんな家庭だと、男は思ったが口には出さないことにした。
「知人からの借家であるので...」
「ああ、なるほど。というよりも、意外なほど仕事取りが早い、うちに欲しい。バイトします?」
実際には、なるほどと納得しなかったがここが句切り目だと思い、最後に冗談交じりにバイトへ勧誘を忘れない。
最近のバイトする人の不足は近年の暗黙の事実だ、言葉にすると、マジでブッチとかありえない。
「はは、それはありがとうございます。ですが遠慮しておきます。」
拒否しかない雰囲気に男も無理だと悟り、目的の場所まで荷物を運びこんできた。
男は手に荷物があるので軽く会釈する。
「あ、こんにちわ~、運送業者の者です。」
「お疲れ様です。そちらはここに置いてください。」
「は~い。」
ここ美人が多いなマジでおい!!と男は桃源郷に浸りながら彼女らの指示従う。
「そしてそれはそっち。」
「ああ、分かった。」
そして、俊光も香織の指示に従いながら荷物を定位置においていった。
「はい、本日は本社をお選びくださいましてありがとうございました。では、失礼致します。」
「たしま~す。」
「はい、お疲れ様です。」
「ありがとうございました。」
引っ越しの者たちがササッと挨拶をしおえると俊光たちは時間を確認する。
午前12時。
作業の合間にリーナが作ったおにぎりを食したので皆そこまで腹具合が空いているわけでもなく昼飯を作るのはしないことにした。
「夕飯買い出しに行く~?」
俊光家では、逐一買い物に行くことはない。
が、彩愛の歓迎会の馳走を振舞うために今から食材選びをしていくのは良い判断だった。
俊光も当然そのことを視野に入れていたが、自身に憂いは無かった。
「いや、今回は上等な肉があるから大丈夫だ。食材も多いしな。」
「そんなものありましたっけ?」
「地下にあるのだよ。冷凍するためにな。」
彼の家の七不思議の一つ。
地下の冷凍室。
彼の稽古部屋の上座の壇上にある床下の戸を開けると隠し扉見たく階段が地下へと続く。
しかしながら光電の供給は地下とは感じさせない程に行き通っているようだ。
「うわぁ、この家は見た目より多機能なんですね。」
好奇心くすぐるような家の仕掛けにリーナは感嘆としながら先行する俊光の後に続く。
「だが、管理が面倒だ。」
地下部屋と言うのは意外と小まめな清掃が必要で等閑にすると後後に響いてくるのだ。
階段が終わり、一本道しかない通路を通ると目の前にある少し頑丈そうな重厚な扉を開く。
部屋はおよそ20畳。
かなりの広さだが5畳分がでかい装置で埋め尽くさていた。
「この冷凍庫?」
首を傾げた香織がそれを指さしながら俊光に尋ねてくる。
「ああ、開いてくれ。」
「はい。」
リーナと香織の二人で割かし大きな冷凍庫のドアを開けて、すすっと俊光は中に入り目的の者を手に取る。随分と大きな物体だった。
「ありがとう。....これだ。」
冷気の中ら出てきたのは肉の塊であった。
「大きなブロックですね。何の肉ですか?」
「黒和牛だ。」
黒和牛、日本人の好みの肉。
外国産に比べると関税を含めても割と高めなのが難点な所だ。
「桜木様からですか?」
これほど大きな肉を個人が買うというのはまず常識的に有り得ないので桜木しか有り得ないという結論に至ったのだろう。
「ああ。」
図星だったのだろう俊光は苦笑しながら肯定した。
「まだ、大きな肉の塊がありましたね?」
「そうだ、入学祝いに精をつけるようにと贈られてきたんだ。」
「それでも多い。」
「はあぁ、桜木様も剛毅と言うか....呆れてしまいます。」
リーナも香織ももはや桜木に対する呆れしかない顔でいることに俊光は恩師をなんとか弁護しようと思うが、言葉が浮かばない。
「この人数なら、三日で食せるだろ。」
結局として消費しようという話にするが、
「俊光様、男性と女性では食事の量は違うのですよ。」
どうやら彼女らの食事量を見誤ったようだ。
彼としてはそうなのかと発見と意外感があった。
「それは失礼した。私の知っている女が大喰らいすぎたな。」
「お肉、好きー」
一人は肉が好きなようなのでそれだけでも救いか、と俊光は自身で殆ど食べなければならないことを確信した。
午後4時
調理。
「リーナ、玉ねぎを頼む。」
「分かりました、くし切りでよろしかったですか?」
「ああ、香織はそちらで私と同じく牛肉に火を通してくれ。」
「了解です。肉~肉~」
「人参はできるだけ一口サイズでな、バターと一緒に他の野菜も炒めてくれ。」
「分かりました。その赤ワインは何に使うんですか?」
「ああ、ルーにな、今回は少量でいいな。」
「本格的に作ってる?」
「それは当たり前だ。歓迎の為に作っているんだから。」
「やるな色男さん。」
「ふふ、本当に。」
「そうか、作り甲斐があるな。」
「動じない。」
「...」
午後6時
夕飯、歓迎会。
「まぁ、これはまた豪勢な、大変だったでしょうに。ありがとうございます。」
「それは、有り難い。これで普通の反応をされては、流石に心が痛い。」
「俊光様が歓迎の為にだそうです。」
「歓迎、お肉、お肉♪」
「では、改めて桜木彩愛さん、よろしく。」
「こちらこそ」
午後9時
就寝
明日からは登校日であり、始業式。
全てがはじまる
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