双刀互いに相対す2
ちょっと小出しにします。
やっぱ高校剣道はいいですね、大人同士の戦いより堅実さがなく、一生懸命さがあり、守りに徹するよりも、攻めに徹する。思いっきりの良さが勝負を分ける戦いでたまに下剋上がある。面白いですね。一度見に行ってね♪
それはともかく、最近、友人にカラオケに誘われたんだが、歌えるの何?と聞かれても自分にはアニソンの序盤しか歌えないことに今更ながら気づいたORZ
森の木々の少し開いたところに8つの人影があった。
「ちっ、避けられた。」
スキル【千里眼】で魔法で狙った対象が外れたことを目にしたアーデルは、あの熱地獄への怒りや不満が重なって悪態をついた。
その姿を見てジルは呆れとともに呻くような笑い声を出した。
「地が出てるぞアーデル。」
レニのレアスキル【同調】を使い、アーデルのスキル【千里眼】を同調してスノウは遠目に対象を見ながら、姿が報告に聞いた通りだったので目標と対象の一致を確認した。
「あれで間違いなさそうだけど。」
スノウがそのようにして確認を取った後、ユウも相手がどんな奴なのか知りたかったので、彼女に【同調】を代わってもらって相手を見てみる
「確認は戦いながら本人にでも聞きましょう。って、いない!?レニさん」
と、ふと目を離した隙に相手がいなくなり、ユウは動揺しながらもバッとレニさんの方に向いて警告した。実際は、相手との距離は結構あったのでそれほど焦らなくても心配はなかった。
「【レーダー】うん、やっぱりなんかステルス系があるみたい。」
【レーダー】の範囲を500メートルに狭めて効果を上げても相手の反応が全く読み取れなかった。
そのことから、レニは相手に少なからず何らかのステルス系のスキルないし装備があるのだと断定した。
「ん、相手の方がスキルレベルが高いの?」
スノウはレニの言葉から相手が見つからなかったことを察して、聞いてみた。
「いや、単に相性の問題。【探偵】。」
レニはそれに端的に答えて、スキルを切り替えた。
相手の跡が飛び飛びに離れていて位置が確認しづらい。
そのことにレニは苛立ちを感じながら周囲を見渡す。
「で、どこにいそうなんですか?」
ボルトがそう待ちきれなくなって話しかけた時だった。
レニはピーチの後ろ、もっと奥の方の草が風の動きとは違う、不自然な動きをしていたことに気付いた。
「!?ピーチちゃん、後ろ、気を付け」
レニのかける声と同時に敵が襲ってきた。
ライトは駆ける足は神速に近し【縮地】で駆け、相手に姿を見せぬよう息を無意識的に止める。
遠目から見て、ピンク色の目立つ髪をした相手が注意散漫なのを感じ取り、下段から上段に変えて森を駆け、疾風の如く草木を跳び抜ける。
やや右上段から、左手を左手の中心軸を体の芯に沿うように、右手は蛇の如く滑らかに柔軟に従順な形。
斬る前のライトの云うところの打つではなく、斬るという本質が変わる瞬間は何人も斬り伏せるかの如き力強い獰猛さで斬る。
斬る
しかし、相手は先程までこちらの気配に全く気付かなかったのにもかかわらず、何故かこちらに迷わず振り向いた。
「ドンと来いっての!!」
【危険察知】で敵の奇襲から免れたピーチは相手の攻撃を闘技【ふんばり】という体勢が崩しにくくなるスキルを使い、手持無沙汰で何気なし右手に持っていた剣でライトの斬るを防ごうとした。
金属同士の鈍い音が轟音が響く。
ピーチとライトは互いに吹き飛ぶことなく刃を合わせ合い鍔迫り合う。
「ほう。」
ライトは相手が注意散漫だったのにプレイヤーという一般人風情がここまで良い動きをするとは思わなかったので意外感と伴に感嘆を漏らした。
特に、自分の上段からの斬るを受けての体バランス、重心の安定は非常に良かった。
予想では最低限として相手の獲物を破損させるつもりだったのが、存外にいい武器だったらしい。
それはともあれ、ライトは鍔迫り合いが下手くそなピンク頭に首一閃してやろう相手の重心を意図的に前に傾けるように左手側から、下から上に絶妙な力具合で押すという剣道の初歩的な手順で、即座に相手の左斜め後ろに移動して、無駄の少ない最小限な動き、当に一瞬の動作で斬る。
ピーチの首に刃が数センチほど迫るところで、見えない壁に防がれた。
「おい、ピーチそいつのヤバい、早く間合い取れ!!」
ユウが何かしらアクションを起こした。
当然、ライトに誰がどのようにして止めたのかはわからない、だからと言って相手が喋っているという馬鹿らしいほど隙のできた時に攻撃を躊躇うのは愚かしい。
ライトは引かれた反動で手首を返して先程とは左右反対の方向に斬る、するとまた何か阻まれた手応えを感じたが感覚でしか言えないが今の攻撃でそれは壊れた。
ユウは早く間合いを取るように急かした。
「ユウ君!?」
突然現れた敵、焦るユウを見て軽くパニックになったアクアはユウの顔を見た。
日ごろ垣間見える優しい笑顔はなく、ただただ相手を睨み付けるかのように、汗をかき、表情がこわばっていた。それほど、危機だと気付いて、アクアは発動速度の遅い自分の魔法を今から呪文を編み始めた。
「ユウ姉ちゃん、だ、大丈夫これくらい、いけるっての!!」
ピーチはそんな兄を見て、兄が作った数秒の時間を糧に自分のもう片方の剣をとりだして果敢に相手に向かった。
右手と左手に権を握り、舞うように猛反撃を繰り出すが、ライトには双剣は初手であり、ピーチは未知の相手でありながらほとんど見切られている。それ程まで力量差がある、近くにあるようで途方にある程。
「二刀流...、いや双剣使いか。」
ライトはまたもや新しい使い手と戦えたということに面白さを感じて、相手の力量は兎も角としてこのまま稽古を付けてやるのも一興かと思い、相手に好きなように打たせて自分は相手がギリギリ避けられるだけの速さとギリギリ受けられる力加減で振るった。
実に面白い、さぁこい。
アクアからの支援魔法で身体強化されたことに気付いたピーチは攻撃を仕掛けた。
右の剣で相手の刀を押さえつけるようにして、左の剣で斬ろうと試みる。
だが、一瞬にして押さえつけようとした右の剣が吹き飛ばされる程の圧力を受け、直後ピーチ自身は物がぶつかったよう衝撃を受けて吹き飛んだ。
「「ピーチ(ちゃん)!!」」
「ジル、アーデル援護!!」
たまらずボルトは二人に援護させる。
「おう!!...!?、おいイケメンお前に恨みはないがイケメンには恨みがある、覚悟!!」
ジルは言われる前からピーチが飛ばされて空いたスペースに入り、素早い動きで自分とライトの間合いを見極めながら無駄に攻撃はせず、ライトの関心を自分に向けさせるが、間近で見てみると相手が美形なのが腹が立ち猛攻を仕掛けた。
「【影千針】」
ジルが稼いだ数秒の時間にアーデルは魔術を構築し、アイコンタクトで猛攻の後ジルが離れた瞬間に自分の影から千にも達そう黒い針状の物をライトを円形に囲いながら無軌道に撃ち放つ。
ライトはそれを見て、一瞬は肝を冷やしたが即座に心を殺す。全体攻撃が一番厄介だ。
前後左右方から放たれている攻撃は避ける、と確信した。
ここが着弾中心のはず、ならば....
前方に向かって走り出す、いくらライトであっても無軌道な物を千も当てるのは技術的にも身体的にも不可能なのでまずは数を絞り、針の攻撃の軌道を絶対の自信という慢心と直観的な判断で避ける。
一、二、三・・・・・・・・・
針と言う形状の動きなら空間的な感覚的に密着するのは有り得ない、ならば、できるだけ纏めて
四十一・・・・・・・・・・・
針の当たる直後一歩手前のスペースに入ればある程度の確率で避けられる度胸あるのみ
百二十三・・・・・・・・・・
逆に大きな空間、開いた脱出ルートはすべて修羅の道
四百・・・・・・・・・・・・
前ばかりに気にして後ろをやられるのは集中しすぎなためあまり考えず己こそ無軌道に瞬間的な感覚で
五百九十二・・・・・・・・・
私ならできる、このくらい当たり前だ。
六百二十一。
ふむ、出来すぎなくらい避けられた、まぁ、当然だな、いつも通りだったらもっと避けれたな、かなり鈍いなこの体は、再度初心に戻り鍛え直すとしよう。
「化け物かよ......」
「ありえねぇ、ありえないんだが。」
「うは、やっば。凄すぎ~」
攻撃の間の数十秒間、愕然たる様子で三人は茫然とその姿を見つめていただけだった。
当の本人は、納得はしながらも不満が少し。
まぁ、実際は千避けたかっただが、二百七十九本は私に当たるはずもない所に飛んでいったからな、と。
腰に左手を当て首を一回り回しながらライトは嘲笑気味に口元を少し上げてふっと鼻で笑う。
「さて、おもちゃ遊びは十分か?」
評価・感想よろしくお願いします。




