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フールオンライン  作者: ガウェイン大好きっ子
入学式から夏休み
1/46

入学祝い

書き直し中です。


皆さま誤字脱字ありましたら遠慮なく申し付けください。


1924年、米軍の戦略家として有名なある将官の一言によってこのゲームは動き出した。


『PTSDの兵士の減少及び緩和の為に映画のように、現実に近い幻はできないだろうか?』


映画誕生の背景にある出来事の一つ、戦争における歴史や当時の惨事を映像を未出兵な兵士に見せPTSDを防ぐという実例が出てその効果が予想より良かったことから、革新的な思想に満ちた戦争評論家がこれに勝るものはないかと考えてきた結果、このような空想が生まれた。


映画の疑似的な空間に我らが存在を移すことができればいいのでは?


その発想は米軍の思想家・科学者・宗教者に少しづつ伝わり、各々歪曲した考えにたどり着く。


第二次世界大戦後、急速に電気の発達やそれを応用した技術が進み、パソコンと呼ばれるものが出始めて数年が経ち埋もれた土から顔を出すようにして、映像への転移という考えが一部の科学者の脳裏にひそめ、アグレッシブな者は国の軍部に直訴して研究をするという過程へとたどり始めた。


どこかの国が研究をし始めれば、隠せぬ煙を見て火の場所を探るように、他の国々も研究を進めていく。


そうして、研究を進めていけばいくほどに映像へと転移する方法が解明されていった。


日本もゲーム時代が突入してくる頃には他の国々へ負けじと研究をし始める。部外秘ではあったがそれでも人の口は閉ざせぬとばかりにネット上でもその考えは広まっていき、ついには国との共同の下で一企業までもその研究をし始めるということが起こりはじめた。


そして、遂に20○○年にVRが生まれた。


出したのは日本、しかも国お抱えの軍関係の研究グループではなく。


国から幾何かの資金援助を受けた____とある企業だった。


国からの支援があった企業ではあったが、当然、資金が潤滑に行き届いているわけでもなく出来たモノも最低限の実用が可能なものに過ぎなかった。



試作品名は、α-ギア。



聴覚、触覚、視覚が映像の中で一定の水準でフィードバックをするという画期的な発明であった。

しかし、常識的に考えて命に関わるような激痛やデータ内での体の欠損からくる幻肢痛の危険性があり、そして何よりも身体の動きがぎこちない。


いわば、理論値だけで性能確認をして少しだけ試運転テストをしただけの本当に形だけ出来た機体だった。



それらの理由から、当時は世に現れなかった。



この企業の研究者たちは、初めからこのような形になることは分かっていた為、不出来な機体に悲嘆するということなど無かった。


逆に燃え上がった。


____何故なら、形だけはできている、どこの世界でこれを作る奴らがいるだろうか。


____俺たちの研究は様々なノウハウによる下地はあれど今に関していえばトップレベルだ。


____後は、少々癪だが、国と協力してデータ収集のノウハウさえ手に入れれば良いだけ。


____VRが実現する。


____VRMMOという夢、希望を自分たちの手で。


そして、企業は研究結果を国に報告して軍の研究グループと共同しはじめた。


研究・改良をし、ありとあらゆる面での向上を突き進め。


研究者たちの中には己の資産を投資し、少しでも改良を行った。


完徹当然、寝落ち上等、現場ミーティング最高!!


自衛隊の協力で試運転テストを行い、各種パラメーターと体調変化、体温変化に、脳内ホルモンバランス等一見して意味のないモノまで測り取りながらデータの収集に努めるがそれでも研究員不足のブラック研究活動状態になり、渋々国外からの派遣による研究人員募集を掛けると外国から飛び掛かるような勢いで殺到し、回線が落ちそうになった。


そうして、外国の有名な研究者や専門的なエキスパートらが加わり一層、躍進した。


色々な障害が出たりして挫けそうになるが、周りの熱意に応えようと皆が頑張った。


そして、ついに基準にたるものができた。


β-ギア


その場は歓喜に満ち溢れた。地面に膝をつけ両手を広げて号泣する者、奇声を発しながら踊り出す者、ジャンプステップジャンピングとハイテンションな者がいた。


しかし、誰かが言った。


「どうせやるなら、とことんやろう。誰にも再現出来ないほどのものをつくりあげよう。骨の髄までVRを極めてやろう、そうだろう野郎ども!!」


うをおおおおお!!!


それを聞き皆が心を滾った。そうだそうしようと歓声をあげた。


馬鹿である。冷静に見て、今あるものをだせばいいのに。

現に、研究所の研究には関わりがない上層部が、その機械だけでも国に提出するように指示した。


だが、もう皆は、ハイテンションマックス状態。ひゃっはー状態。


一度火が付いたら手のつけようもなかった。


出す気がない科学者たちに上層部は怒って研究所に訪れたことがあったが、何時間かしてぐったりとした様子で得体も知れない者からすぐさま逃げるように帰って行った、そこで何があったのかは彼ら以外誰も知らない。


一つ言えるのは、オタクを舐めてはいけない。


これを見た外人の研究者は言った

「日本人の熱意ハンパネーー」



そして本当に、ついに、VRMMOとして初めての機体。


第一機 ‟T-ギア"が誕生した。 







二年後



 九州地方のある山には別荘が一軒ある。別段それは、どこの山でも同じく不思議なことはない。しかし、この山は狩猟などといった行為は、地主以外行えないので、野生動物がはびこり、一般人の立ち入りが禁止されている区域でもある。こんな所に人がいたら、襲われてしまうのは、当然だ。


必然として森を歩けば動物に遭遇する。


今、透原とうはら 俊光としみつは、一匹の熊と対峙していた。



ヴォオオオ、ヴォオオオ!!


熊は、興奮しながら、うなっている。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


一方、彼は反対に、冷静に相手を見つめていた、

それは林の如く静かに佇む様子は正しく凛とした姿だ。


その膠着状態が、ずっと続くのかと思った最中、熊が勢いよく突っ走ってきた、彼の青年はまだ、じっとしている。


熊がとうとう、彼に襲い掛かる。

俊光は突き刺さってくる手を鮮やかに捌き、衝撃を抑えた。

しかしそれで熊のタックルは脅威的で、受け身は取れども熊にのしかかれ、絶体絶命。


熊が俊光を食わんと顔を近づけて・・・・・・・・



ぺろっ...ウ~ン、ゥ~~ン(*'ω'*)


犬のように俊光を舐めまくった。

この熊こと金太郎はこれでもかと俊光にじゃれつき、一時して、彼から離れて、おすわり状態で待機している。といってもその巨体がおすわりしている姿はおっさん座りにしか見えないのも事実だった。


俊光は、この山の地主兼管理人で、ここの山の動物たちの殆どと友好関係をもっており、この山のトップであった金太郎を、負かしたことから、この山のボスとして君臨していて、餌付けを行っていることから動物たちにも懐かれている。当時は動物による被害の多かったが、それが食料と寝床が不足しているからということが分かり、対処しテリトリー内で活動させるようにさせた為か猛獣の被害件数は1,2件になった。

その数件の全ては無断侵入した若者が原因だ。興味本位に私有地の山に入るなど言語道断である。


「.............相変わらず、甘えん坊だな、お前は。........んっ?」



金太郎の甘えっぷりに苦笑していると、ここでは聞きなれない、エンジン音が微かに聞こえた。


発信源を辿ると、ここから一㎞先にある彼の住まいの別荘に、一台の黒塗りベンツが止まっているのが遠目から見えた。別荘までの道のりは前任者の人が整備していてに軽車二台分の道幅があるからここまで来るのはそう難しいことでもなかった。


「..ああ............。」


誰かとも、何でとも言わず、そう納得しながら、そちらへ向かっていった。


今日は約束の日であり、また始まりの日でもあるのだ。









俊光が、車に近づくと車から、60代ぐらいの男性が2人出てきた。


「....こんにちわ。」


「トシ坊、三年間ご苦労さん。」


「そうじゃったな、あれから三年か..、修行終了じゃ。トシ。それから、高校合格おめでとう。これからも、精進して、あの過ちを犯さぬように。」


この2人は、誰かというと、日本の政治家でもあり九州の裏社会の長である桜木道山さくらぎどうざんとその執事兼相談役であり俊光の祖父である透原竜之介とうはらりゅうのすけ。


彼らは、俊光の師匠であり、親しい間柄だ。


特に、祖父は俊光の剣術と体術における師であり、俊光の中での頂点に一番近い人類でもある。


桜木の方はなんだろうか、強さとはどういう類のものかと説いてくれた恩師が一番近いだろう。

どちらも俊光にとっては、かけがえのない存在だ。


これからもこの人たちとは、関わってゆきたいと素直に思える人たちだ。


俊光は、三年前に、自分の能力の高さを笠に着て、傲慢にふるまっていたことから、祖父に、修行として、この山に連れて来られた。それまでは学校に普通に通っていたのだが、桜木が裏から手配して学校の卒業認定だけを貰えるようにしてもらった。


「......まあ、楽しかったさ。」


と、微笑しながら言った。


すると、桜木が、感心しながら、


「トシ坊、それにしたって、久二ノ宮学園くにのみやに入るとは大したもんだ。」


と自分の息子が合格したかのように、嬉しそうな表情で俊光の頭をワシャワシャと撫でている桜木を見て、祖父がゴホンと、ワザとらしく咳払いして、急かすような仕種をした。


「んっ、これくらいいいだろう。トシ坊は、俺の孫みたいなもんだからよ。ごめんな、トシ坊、時間がもう無いんだ、高校合格祝いに、お前さんが、高校で話題につていけるようなもん置いてくから....じゃあな。今年の夏はうちの屋敷に来いよ!」


桜木は少し残念そうにそう言って手を振りながら車に戻った、



そして祖父がトランクから、大きな紙袋を俊光に手渡した。


祖父と視線が合い互いに頷きながら別れた。





俊光「ちょっと暇だから遊ぼう金太郎」

(^‘ω’^)金太郎「ソイツァ・・・ゴールデンだぜ!!」

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