究極の選択、至高の選択
これまでの戦いの報酬として、宝物が与えられることになった。
案内された宝物庫には、これまで自分が見たことのない物がところせましと、押し並べられており、ここがまさに選ばれたもののみが拝謁を許される特別な場所であることを実感させた。
どこかで見たことのあるような物もあるが、いちいち造りが豪華で、それが俺の知識にあるものと同じものなのかは確信が持てなかった。
目移りするそれらの宝物を物色していると、急ぐようにとの催促があった。
ここを利用する者は多くおり、私だけに時間を割くことは出来ないとのこと。
それでも冷ややかな視線を無視してじっくりと時間をかけて二つに絞り込んだ。
ひとつは、はるか彼方、仙人が住まう地で、とある高僧が獣人の供を連れて辿り着いたといわれる楽園から伝わった万病に効き、活力を高めるという混沌の秘薬。
ひとつは、二つの化象の力を結合させて人の手によって混ぜ合わせたもの。これを取り込むことでさらなる力が手に入るはずだ。
どちらもよく知っている物であったが、普段見るものとはまるで別物のようであった。
また、鑑定眼の無い自分では、全く見たこともない物の良し悪しが判別できるはずもない。
どちらにすべきかとさらに悩んでいると、見かねたのかある提案があった。
「だったらハンバーグカレーにしたら?」
「やだよ、それ単品より安いし。多分肉が安いんだよ。せっかくの奢りだし、高いの食べたいじゃん」
「いいから早く決めろよ!」
結局、手ごねハンバーグとカレーをそれぞれで注文して半分こした。
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