こうしてゲームを手に入れた
Prrrrrrr・・・
Prrrrrrr・・・
「はいよ。どうした?」
『おう、裕也。
お前さ、ハルゼルト・オンラインに興味ない?』
「説明を要求する。
ただし、10文字以内でな。」
『買った、余った、やれ。
9文字、どうだ!』
「本当にやりやがった。
と言いたいところだが、まだまだ甘い。
句読点込みなら12文字ってところだな。
まぁいい、詳しく説明してもらおうか。」
『いやぁ、実はさ。
ハルゼルトやろうと思って買ったんだが、
爺ちゃんが俺を驚かそうと思って、予約してたらしいんだよ。
だから、1つ余るんだわ。
人気あるらしいし、未プレイで売るってのも悪いから
お前に格安で売ろうと思って。
どう?買わない?今なら、10000円でいいぜ。』
「市場価格いくらだっけ?定価で。」
『定価だと、税込で30000だな。
ネトオクだと、40000はするらしいけど。』
定価の半額以下か。
「OK、買った。」
『じゃ、今からそっちへ持って行くわ。
今、家だよな?』
「あぁ、家だ。
用意するものはあるのか?」
『いや、VRSさえあれば良い。』
「OK、待ってるわ。」
『じゃ、後でな。』
VRMMOか・・・
小説だとログイン不能のデスゲームに巻き込まれたり
ゲームを始めたり、クリアしたりすると異世界に飛ばされたりするんだよなぁ。
ま、現実には起こりえないがw
さて、やると決めたら一応調べとくか。
PCを起動させ、ハルゼルトについて調べてみる。
種族は9種か。
【ヒューマン】
いわゆる人間。可もなく不可もなく。
戦闘職も生産職もなんでもござれ。
専用職はパラディン。
備考:優れた点は無いが、劣ってる点もない。
やりたいようにやればいい。
【ビースター】
獣人。腕力と敏捷が高めで魔力が低い。
何の獣人になるかは運次第。
専用職は獣拳師。
備考:男は犬系、女は猫系が多いが、
狼女や虎男も居るので必ずしもそうとは限らない。
狐系は腕力が低いが、魔力が高いっぽい。
【バードマン】
鳥人。敏捷が高くて飛べるけど、夜間は不利。
専用職は双銃兵。
備考:ペンギンやダチョウみたいに飛べない鳥はモチーフにならないっぽい。
【フォレスター】
エルフ。魔力、魅力が高いが腕力、体力が低め。
少しずつMP回復するけど、調子に乗ってスキルを使いすぎると唯の的。
専用職は賢者。
備考:魔力極振りで魔術職特化も良いが、腕力がそこまで低いわけでもないので
魔力・腕力・体力・敏捷に均等に振って魔法剣士もあり。
【アイアナー】
ドワーフ。体力、腕力が高め。
やや生産職向き。
専用職は重戦士。
備考:隠しステータスに器用さがあるのか、クリティカルが少し出やすい気がする。
釣り役でもいける。
【インセクター】
蟲人。体力と腕力が高めで魅力と魔力が低め。
専用職は鋼蟲。
備考:基本的に一番硬い種族。
カブトムシ型は硬さと腕力、クワガタ型は硬さと敏捷、ハチ・カマキリ型は敏捷が高め。
チョウ・アリ型になったら諦めて生産職になるのが無難。
クモ型も居るっぽい。こないだ罠に嵌めてたの見た。
【ドラグノイド】
竜人。体力と腕力が高い。低い物は無い。
Lvが上がると吐息が使えるようになる。
ステータス異常になりにくいが、なってしまうとかなり治しにくい。前衛におすすめ。
専用職は竜戦士。
備考:後衛は無理だが、それ以外はいける。
竜戦士になれれば後衛も可。
【スカイヤー】
天人。魔力が高く飛べるけど、腕力と体力が低め。
回復系ジョブがおすすめ。
専用職は翔剣士。
備考:専用職の翔剣士は魔法剣士と同じと考えて良い。
翔剣士より、回復職や支援職に着いた方が無駄がない。
【ヘリアーズ】
魔人。魅力以外は高いが、魅力がかなり低い。
黒の国以外だと、ボラれることもあるから気を付けよう。
専用職は呪術師。
備考:割となんでも有りだが、上級者向け。
魔術師、ローブ装備、フード被りでボラれなかった。
ふ~ん。
やるなら、安定のヒューマンか、ほぼ安定のドラグノイドってとこだな。
魔法職のフォレスターとかヘリアーズも捨てがたいが、
バードマンやスカイヤーはパスだな。飛んだことないし。
更に読み進めていく。
【未確認情報】
10種目の種族が存在する?
10種目?どんなんだろ?
ピンポーン
配達人が来たな。
聞けばいいか。
「よう、裕也。
持ってきたぜ。んじゃ、後でな。」
「待て、修。
お前、10種類目の種族って知ってるか?」
「ん?あぁ、あれか。
ガセネタだろ。」
「どういうことだ?」
「キャラ作りの時に、好きな色って項目があるんだが
その時の色によって種族が決定されるんだ。
赤ならヒューマン、白ならスカイヤーって感じにな。
で、色は9色しか無い。
だから、10色目が無い以上、10種類目は存在し得ない。
それがプレイヤーの共通見解だぜ。
俺も気になって調べたんだがなw」
「ふ~ん。
で、お前は何にするつもりだ?
俺はヒューマンかドラゴノイドにしようと思うんだが。」
「俺はスカイヤーにした。
やっぱ、飛べるもんなら飛んでみたいじゃん?」
「した?
もうやってるのか?」
「昨日からな。
一応、初心者クエが終わって、初級職についた。
今はLv6の剣士。」
「聞きたいことはそんだけだ。
キャラ作ったら連絡するわ。」
「おう、頑張れよ。」
「おう。」
修が帰って、ゲームをインストールしている間に
俺はあることに気づいた。
代金渡してない・・・
ま、今度でいいか。
どうせ、明日になりゃ学校で会えるしな。