7.箱売り水まんじゅう
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「あー、水をさして悪いが
ラムムンは死なんぞ」
「えっ」
私は山先生を見る
そしてぷるぷると震えるラムムンを見る
赤い核と、青い核
怒りとショック
私勘違いしてるってことっ
「えっ、どういうことですか」
ううう、恥ずかしい
「敵にやられる際に、複数分裂し自己遺産を残す
そうすれば、一体でも残れば使役獣としては死んでない勘定となる」
ああ、そうだった、戦ってる時に、負けるということがあるんだ
使役獣同士の戦いなら特にそれが多い
その際に、複数分裂をし、種の保存をするって書いてあったっけ
「すいません・・・」
「いや、いい、相変わらず大事にしてるな」
そういって、山先生は笑う
うん、ラムムンは大事です
「ごめんね、勘違いしちゃって」
ぷよりと、揺れた
まるで、勝手に人を殺さないでよ、って言ってるみたいで
くすりと笑いがこぼれた
うん、殺さないし、殺させないよ
「それ故、複数分裂するということは
かなりの体力を使う
しかし、ラムムンを見る限りそう体力が減ったように見えない」
うん、実に普通です
「少し前に、核に細かな模様が入ってたんですよ
ラムムンに聞いても、べつにーって言ってたのでそのままにしておいたんですが
そのせいでしょうか?」
「細胞分裂する際、核を割るのは当然だが
細かな模様、罅を作って、分裂するのは初めてだな」
「そうなんですか」
汚いたとえだけど、皮膚がむけるって感じ?
夏の日焼けの後みたいな感じで・・・ぺりっと?
「少し触るぞ」
ラムムンの中にぎゅっと手を突っ込む
ラムムンは、いやんというように少し逃げたが、観念も早かった
不安そうな青色が揺れる
「きれいなもんだ、つるつるだ」
ん、どういうことだろう
つるつるはいつもつるつるですよ
「少し待ってくれ、本を持ってくる」
「あ、はい、待ってます」
何かあるのかな
せんせー駄目です、ドア開けるとみんながでてきいまーす
「うおっ」
うん、そうなるって
ぺっちょんぽっちょん跳ねて新しい隙間を楽しんでる
だけど完全には出て行かないのはいい子なんだけど
冒険したいかなーなんて思ってる子がいるのはばれてます
「全員集合、はいっ、こっち来るっ
ご飯あげないよっ」
緊急の時の餌を振りかざす
今日は昨日採った低レベルの薬草です
だけど、最初の頃はレベルの高い薬草はいやらしい
どどどっと、いう風にみんなが集まってきた
「すまん」
「いいです、なんか、いるのが当たり前になるんですよねー」
だから、現実逃避もできたし
そういうと、山先生は笑って、部屋を出て行った
「はい、順番だよー」
そういうと、なんだろう
この整列
そして、ラムムンのどやっな感じ
5×11の整列ですよ
あ・・・だめっ
これまずい
箱に入った何かを思い出す
あー・・・おいしそう
そう思ったのがばれて、全員が青い核になったよ
ごめんごめん、白い石の上に整然と並ぶから
水まんじゅう再びだったよ
箱売りだったよ
「食べないから心配しないでね
はい、みんなはいい子で食べてね」
順番に薬草を落としていくと、喧嘩もなくもんぐりと食べて満足そう
うーん、しかし他のスライムと混ざりそう
なんか、対策取らないとなぁ
ただの勘違いでした、よかったねっ
そして水まんじゅう再びっ
君らの中で水まんじゅうを食べるたびにラムムンたちのことを
思い出すのろいをかけてやるぅー、え、もうかかってる?って