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6.学校へ行こうよ

お気に入り登録1,545件 こいつは・・・すごい

ありがとうございますっおかげでテンションとモチベーション高く続きがかけておりますっ感謝っ

「あれ、アン先生」

学校に入った途端、教室移動の生徒に囲まれました


「おはようございます」

とりあえず、挨拶をすると、みんなちゃんと返してくれる

教室のはじめの時、挨拶しないのは礼儀違反ですと説教しちゃったもんなぁ


先生の授業を聞くのも、本人次第なんだけど

私の場合は、先生未満

それも、臨時だからかなり嘗められてて、おしゃべりしてる人が大半だった


「それでは、授業をはじめます

 みなさん、おはようございます」

と大きな声で挨拶して、見渡すと、どうなるんだろうという視線や

きちんと、挨拶を返してくれる人

どうしたらいいのか、という視線


「私の授業は、皆さんと使役獣との関係改善です

 まず、挨拶ができない人は、授業を受ける資格がありません

 人間同士すらできない人に私は教えることができないです」

というと、しん、となった


「授業を受けない人は、出て行ってください

 授業を受ける人は、挨拶してください」

私は教室を見渡し「おはようございます」ともう一度挨拶したら

全員が大きな声で挨拶してくれた


使役獣の子たちも、各自鳴いたので挨拶してくれたのだろう


それから、お互いに挨拶する流れになった

名前はつけてもつけなくてもいいけど、つけたくなったらつけてね

といったら、一部の人はもうつけてて

その人たちと、使役獣の仲は他の人より良くて、意見交換をしてもらって

少し開眼してくれたみたい


使うから、共にあるものの違い

あと、愛玩すると、育成の違いなどを説明した


挨拶をしないと授業を受けられない、という噂は瞬く間に広がって

次からの授業では、嘗められることもなくすすめられたのは嬉しかった


情報通な人が多い学校ならではかもしれないけど

まず、敵を知らずに侮るのが間違いなんですよ

と、釘を刺したのが効いたのかもしれない


下調べちゃんとしてたら、侮られるほど弱くないつもりだしね


「今日授業ありませんでしたよね?

 特別講義があるんですか?」

スライムを持った三学年の生徒さんが聞く

「期待させてごめんね

 今日は、私が教わりに来たほうなの」

そういうと、みんなが驚いた

こらこら、先生になったとしても学ぶことは大事なんだよ


「ルイズ先生どこにいるか知ってますか?」

今の時間授業はなかったと思うけど、彼が言うように、特別授業してることもある


「先ほどはお部屋にいらっしゃいましたよ」

「わっありがとう、助かる」

この校舎以外と広いから、探しまくってお互いが動くとほんと会えない

携帯とか連絡通信ないからね

学長みたいに、伝言できるといいけど、ラムムンではそうはできないし

こういう状況でラムムンが私から離れることは絶対ないしね


「その子、お水が足りないみたいよ」

ぷよりと彼のスライムをつつく

弾力が少ない、悪食さんよりは贅沢だけど、井戸水でも飲んでくれるから

あげた方がいい


「あっはいっあげます」

革袋に入ってた水をかけると

はじくように、ぶるりと震えた


うん、革袋はだめだと思う

あれって結構くさい、ラムムン、乾かしてあげて

と言うと、どろりと移動して、床からまわりにかかった子まで

きれいに吸い取ってくれた


「ありがとうございます」

まわりの生徒さん含めお礼をしてくれる

「せめて井戸水にしてあげてね

 今日はラムムンからあげるけど

 スライムに水分は必須だから新鮮な水はいつも確保できるように

 これから、街の中の井戸の場所や外に行った時、水場の確保または

 保水石など準備してね」

「はいっ」

「先生、私の子も見てください」

ぐったりとした様子の精霊さん

ああ、これは完全なる光不足だ

発光精霊たちは、きれいな空気ときれいな光が必要だ


「できれば、ガラスの器など、きらきら光るものにきれいな水を汲んで

 日光浴させてあげて

 光が不足してるの

 精霊さんたちの命の源だからね」

「だから、何も食べなくなったのね」

「そうなの、まず、それがないと食事もできなくなるの

 授業中も、窓辺に置いておくと回復してくれるわ

 ちゃんと、本にも載ってるから図書館利用してあげてね」

「はいっ」


とこんな風に、道ながら挨拶と対応をして

やっとこさつきましたルイズ先生こと山先生


こんこんとノックすると

「来たか」

と、ルイズ先生がお出迎えしてくれた

どうやら、私が会いに来たことはとっくの昔に通じてたらしい


「すいません、お待たせしました」

「かまわない」

そう言いながら、視線はラムムンだ


「何かあったのか?」

「はい、ラムムンが増えました

 ラムムンいいよ、出して」

そういった途端、まさに分裂というように

ぽこぽこぽこぽこっと飛び出して

ぺちょんぽちょとはねる音

やっぱりみんな元気だ


山先生が驚きのあまり唖然とした顔で固まった


「先生っ先生っ気を確かに」

膝の上の手をぽんぽんとたたくと、ああ、という風に戻ってきてくれたけど

やっぱり山先生もびっくりするぐらい

イレギュラな感じなんだよね


「全部で何体だ」

「えーと、五十五体です

 ラムムン合わせると五十六体です」

ぺちょっぽちょっ、ぺちょっぺしょっと音をたててはねるちびちゃんたち


「多いな」

とぼそりと呟いた


「通常は、分裂する場合は半分に分かれる

 複数に分かれるときは本体が死ぬときぐらいだ」

「えっ、ラムムン・・・死んじゃうんですか・・・」


私はショックを受けた

いつかは核だけになるというのは、最初からわかってた

そうして、私と使役獣を繋ぐ大事な珠になってくれるって授業で習った

だけど、こんなに早く、来るなんて思って無くて涙があふれた


ラムムンが膝の上で跳ねる

私はぎゅっとラムムンを抱きしめた


予約しておこう、昨日の二の舞はごめんだもん

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