73.ノネさんと再会2
「贈り物をいただいて、それに、口をはさむのは礼儀なしではございますが
一言よろしいでしょうか」
とメイドさんに言われた
私はうんとラムムンと頷く
「なんで、貧乏冒険者が高級品をポンポンだすんですかぁぁぁぁ」
えええっ、貧乏ってわざわざ強調しましたよね
酷い、確かに貧乏だったけどね
最近初めて、自分がお金持ちになったという自覚ができましたが
だけど、魔石とか買いたいから手持ち十分とは全然いえないんです
55匹+ラムムン+自分て考えたら
全然たりないよー
そういう意味でも、使役獣増やせないよね・・・
「そうね、説明してくださる?」
うう、ノネさんまで酷い
「えっと、街でもよく言われるんだけど
私的にそう高級品とは思ってないんだよね」
と言うと二人が呆れた顔
「ノネさん、私、冒険者なんだよ?
だから、全部材料とってこれて、全部自前なんだよね」
「それは知ってますわ」
「だから、ほしいものは集めればいいし
この手のはラムムンたちが上手に精製してくれるから
量ができるんだよね」
というと、ラムムンがぷよりと揺れてどやぁとした
もふもふ撫でながら、ノネさんたちに説明続行
「私も手荒れとか肌荒れ、いやだったから
何かいいのがないかなぁーって図書館で調べて、ラムムンでできるとなったら
一番いい油がこれだったんだよね
ララリンクルはたまたま見つけたんだけど・・・」
うん、マジックサーチはほんとに便利です
「たまたま・・・」
とメイドさんが、呟いた
うん、ほんとたまたまだよね、近く通らないと把握できない
私のマジックサーチの範囲は10メートルぐらいだからね
「まぁだからね、他の方みたいに、宝石とか魔石とか服とかそういうのはプレゼントできないけど
私ができることって、自分で作れる範囲のものだから
高級品とか、一般的とかそういうのは関係なくて
あげたいもので、使い勝手がいいってわかってるもの持ってきちゃったの
駄目だったかな?」
と言うと二人は、すごい勢いで、駄目じゃないわと駄目じゃないですと答えた
「非常識で、常識がないとは伝わってましたが
本当だったわ」
ノネさーーん、酷いっ
「まぁ、それがアンらしいんでしょうけどね
自分がしたいことをする、が基本ですものね、あなたったら」
うん、そうなんです
お風呂にしろ、掃除にしろ、自分がしたいから、しなきゃ嫌だったから
ラムムンに頑張ってもらったしね
甘いものもそうだよねー
もう、とくすくすと笑うノネさんに私もつられるように笑う
変わらないよ、早々は
だって、基本は、自分が使いたいものを取ってこよう、できるようになろうだもん
「お風呂、してくださる?」
ぷよりとラムムンを撫でる
「もちろん、油はつかっちゃってもいい?
あ、それじゃなく手持ちのあるからいいよ」
「ええ、たっぷりお願い」
にこりと笑うノネさんは、さすがです
美の探究心は、ノネさんの方が絶対上だし
恋愛話も聞きたいし、あと、お菓子とか料理関係も聞きたいよねー
と、いうことで、私はノネさん宅にお泊り決定で
一応騎士のテッラさんは、私の護衛ということで、一緒にお泊り決定したけど
すっごい居心地が悪そうでごめんなさいな感じです
定期的に王城に上がってるから、寝に帰ってきてます?な感じ
まぁ私もノネさんの部屋でずっといるからテッラさんは入れないしね
隣国の王様の婚約者さんの部屋に入るなんて暴挙は
さすがに王様でもしろとは言わないらしい
うん、良かった
それと、すごいのは、ノネさんかも
素敵ノネさんエピソード1
もともと美容関係は強いんだけど、ほんとにありとあらゆるって感じのことを調べて
相変わらず努力家で勉強家
だから、抽出、精製関係なら、これとかお薦めしてくれて
相性問題とかもばっちり教えてもらった
なので、お互いの情報料はロハで、
今まで通り原液を売るのは有りだけど、専属でするのはノネさんのみになった
うん、まぁ、売るつもりはあんまりないしね
○○御用達とか、なんかあるらしいです
私の場合は、友達融通の隣近所ではないけど、そんなかんじのおすそわけということで
大々的にはうたわないけど専属ねと、約束
いやいや、そんなに念を押さなくてもって感じです
それで、今日5日目なんだけど、もうすごい
今までのラムムンは一体何だったのかーーって感じなの
私、生まれ変わりましたっ
ノネさんの美容方法とラムムンがコラボレーションすることによって
ただのマッサージから本格エステになって
もう、髪の毛もつやんつやんだし、肌ももっちもち
今までの、汚れがとれた、綺麗になったな状態だったのが
『美しくなった』という表現がぴったり
ノネさんなんてもともと色白だから、もう、つやんと輝くような肌なんだよね
食べちゃいたい、つつきたくなっちゃう感じですよーーっ
私もノネさんとメイドさん三人で大興奮
本当に全員が、かわっちゃったもんねー
テッラさんが帰ってきて、私を見て・・・あれ?化粧でも?とか言われちゃったもん
効果は抜群だっ!だよね
ということで、宿専用プロロンには確実に覚えてもらって
料金は3つに分けること決定
ノネさんのメイドさんの辛辣な口調で
貧乏人用の油とかも決定したし
うん、自分が普段使えないものを他の人が使うのはしゃくなんですね、うん
ということで、いよいよ前日になった
「アン」
「なにー?ノネさん」
「今いいかしら?」
「いいよ」
寝間着だけど、いいよねー
「久しぶりですっ」
と顔を覗かしたのは、ユグくんと第一弟子くん
きゃーっ人がいるなら言ってよー
「あら、うふふふ」
じゃないよ、ノネさん
わーんっ
「ごちそうさまです」
じゃないよ、第一弟子のケディくん
うう、面影があるからわかるし、到着したら案内してくれるとか言ったけど
今とは聞いてないよー
メイドさんが慌ててガウンを貸してくれた
うう、ありがとうございます
お洋服は全部かりもので、うん、ネグリジェって感じの寝間着なんだよね
あこがれてたから嬉しいけど
人に見せるかっこうじゃないし
意外と透けるんです
「うう、脳内から消去してください、今すぐ」
「無理ですよ~、アン先輩」
とか言わないっ
「お嬢さまから聞いてましたが、すごいですね」
と手を握られた
ああ、美容エステ効果でしょ
「うん、すごいよね~」
「抱いてみたいですねー」
とか、言わない
「ケディくん・・・」
「あれ?」
私は静かに頷く、悪かったねー
「恋人いましたよね」
いますよ
「まだ・・・なんですか・・・相手可哀想に」
とか言わないっ
やっぱり可哀想なもんなのかな
「可哀想ですよ、先輩露出多いくせにさせてくれないし」
うん、そうなんですよね
実は、ケディくんからお誘いを受けたことがありまして
むりむりむりむりーーーっと言ってたけど
ちょっとエッチな男性話を教えてもらったりしてました
はい
「入りますよ?」
と部屋の中に入って来れましたが
まぁ立ち話もなんなので、どぞどぞー
「なんか飲む?」
「適当にお願いしまーす」
「はーい」
「じゃぁ、私は部屋にもどるわよ、寝坊なんてしないでちょうだいね」
くすくすとメイドさんと笑いながらノネさんは退室
「あ、久しぶりです」
「うん、ユグくん久しぶりだねー
今なにやってるの?」
ラムムンからおいしい水を沸かしてもらってお湯をとっぷんもらう
ふわと花の香りが広がる
「あーつかれたー」
どす、とケディくんはソファに座る
ラムムンの中から、プロロンがぺちょんと出て、ケディくんに取り付き
もふもふ中
ケディくんは、ヒールスライム持ちの子だからスライムにはなれてるよね
「ユグくんにもしていい?」
ソファが汚れても大変だし、せっかくなので体験してほしい
「あ、お願いしてもいいですか?」
うんうん、こちらは昔と変わらないけど、なんだろう
優しい人のまま大きくなったって感じたよね
あの時、私より身長低かったのに、今はにょきにょき伸びちゃってて
ケディくんより長身だ
うーん、なんか、やっぱりこっちの人って成長度合いがすごいかも
子供から大人の差がすごいというべきか
「アン先輩は、スライムばっかなんですか?」
「うん、というか、その子ラムムンの子なんだよ」
「へぇ・・・え?」
遅い遅い反応が、もう、気持よくなっててください
「話は後にしようよ、堪能してて」
というとふたりが、うんと頷いた
あー、うんうん、虜状態だよね
「アン先輩、あっちのサービスは?」
「ないです」
「ちぇー」
ちぇーじゃありません
「まぁ、自分のでするので、ちょっと向こう行っててください」
とか言わない、人の部屋で何する気ですか
うう
と言いつつ隣の部屋にいきますよ
ケディくん曰く「生理現象なんだから止められないんですっ」ですもんね
うう、なんかくぐもった声が・・・
「お待たせしましたー」
ってなんで、ユグくんぐったりしてるんのよ
「やー、うん、ラムムンは相変わらずすごいですね
一応教えておいたんで、使ってください」
とか言わない
「先輩さー、まじで、相手してないの?」
「うん、やっぱりまずいかな?」
こんな相談、なかなかできないのでしちゃえ
「まずいっていうか、可哀想って思いません?」
「一緒にいて楽しいだけじゃやっぱり駄目?」
「いや、それもいいんですが、そこまできたら、次、期待しません?
先輩抱かれたいとか思わないんですか?」
「まぁ・・・あんまりないかな・・・
というか、自信ない」
うん、正直に言うとこれかも
はじめてっていうので怖いのもあるけど、どっちかっていうと
皆さんほんとにおとなーな体格だし色っぽい
私が子供こども言われるのはしかたないなーって
だから、ねー・・・
「まぁ、先輩に色気は求めてないけど
そういうんじゃないんですよ、ねっユグ先輩」
「う、うん、アンは魅力的だと思うよ」
「そ、そっかなー」
なんか、そう言ってもらえると自信持てるかも
「アン先輩の場合は、自然体なのが一番なんですよね
何気ないしぐさとか、態度とかしてくれること
俺昔、絶対、先輩俺のこと好きだと思ってましたもん」
「ええええっ」
「うわ、ひどい、今の完全に眼中なしってことだな」
「前からアンはそういってたと思うけど」
って、ユグくんあなたも結構言うようになりましたね
「まぁ、だから、誘っても乗ってくれなかったのかー
結構前々からアピールしてたのに気がついてくれなかったもんなぁー」
「アピール?」
「そ、先輩にかなり近づいて、囁いたりー、抱きついたりってね」
「えっあれわざとだったの、めっちゃ恥ずかしかったんだからね」
「うん、知ってる~
だから、ラムムンとか、すっげー妨害してたじゃないですか」
「妨害?」
「したーっ!!」
とラムムンが跳ねて怒る
「アン、もしかして、ラムムンも仲良くしたくて間に入って行ってたとか思ってる?」
「うん」
というと二人にため息つかれちゃったよ
「私、やっぱり鈍いのか」
「うん」
と二人にきっぱり言われちゃった
そんな感じで、お互いの恋愛事情とか、ちょっと本人には聞きづらいこととか
教えてもらってエスコート役は二人ともでしてくれるって
鈍いから丁度いいとかいわないでください
そして、二人とも引きずり込むのありらしい
むしろ体験してから考えろとか、また言われたし
あーもー、異世界の恋愛事情、まず最初にしちゃうのだけどうにかなりませんか?
もう耐えれないよ、メイドさんが
突っ込み人不足にっ
そして、アンの高級品の認識違いはこういう理由でしたー
そして、ちょっとエロ話でした
ラムムンたち超絶いろんな意味でレベルアップ中ー




