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66.旅行の準備

「あら、あの噂って本当だったのね」

そう言ったのはリーナさんだ

噂ってなんだろう


「噂ですか?」

「あら、アンちゃん知らないかしら?」

くすくすと司書さんたちが笑い

ざっと巻物を広げてくれた


「ノネ嬢のご実家はこの紋の貴族ね」

「へぇ、そうなんですか」

なんかかっこいいなぁー紋章

「・・・アン」

「はい?」

と私が巻物から顔を上げると先生を含め全員が私を

呆れた顔して見てた


「知らないの?」

「はい、生徒さんからも言われますが

 貴族って正直わからないし調べてないです」

「ぷっ・・・アハハハハ」

リーナさんが大爆笑

それに連れられ皆さんも笑い始めた

まぁ開館前だからいいけど

コムムンたちがどうしたのー?と覗きに来た


「あーおかしい、だから、へこんで歴史書見にきてたのね

 あの子たち」

笑いの収まらない司書さんたちと

?マークの私たち

なんだろうね、みんな

もふもふころころと皆を撫でてると

落ち着いたのか「はー」と息を吐いたり

頬を撫でたりしてる


「貴族クラッシャーね」

「なんですか、それは」

私は間髪いれずつっこみいれますよ


「貴方のことよ

 だって五大貴族を知らない人がいるとは思わなかったわ

 たしかに、ここでいるには必要のない知識でしょうけど

 ここまできっぱり要不要をわけるのはアンさんらしいわ」

褒められてるのかけなされてるのか微妙な感じで言われちゃった


「でも、まぁ学年が上がるのにつれ理解しちゃうのよね

 貴族の威光が効かなくて良かったことに」

「だから、アンが知らないこと捨て置くんでしょうけど

 ここまでとはねぇ」

くすくすと皆さんは笑う

まぁ前もそのことについて言われたけど


「はい」

と貴族名鑑という本を差し出された

ぱらぱらとめくると、相変わらず書き込みがたくさんで楽しい


「あ」

と私は止った

貴族の威光というのは、貴族社会においてのみ効力を発揮すると考えるべし

自分ひとりという人間の偉大さとおろかさを身をもって学べ


とか、堅苦しい言葉の中に根底から染みでた

歯を食いしばって書いたような文字が並ぶ

挫折からの一歩目を彼らはここに記した

その感じが今なおひしひしと感じられた


「理解するより学べ

 感じろ、お前は誰だ、何ができる

 子供らしくないけど、貴族らしいでしょ?」

私は頷く、子供らしくなれない貴族の子供たち

我がままで傲慢でだけど、誰よりも寂しがりやで甘え坊な子たち

「アンはそのままでいいけど、少しは一般常識身につけないとねー」

「うっそれは頑張ってます」

今までは皆さんがなぁなぁで終わらせてくれたり

私の常識を正さず、面白いことをしてもらおうに重視した為

放置してくれた

フィルルンの事件の時や、常識的なことはいまさらだけど

学べーっと今、叩き込まれてるけど

やっぱり根底が違うと頭を良く抱えられる


貧富の差や職種の意識の差

貴族と平民の差

日本の教育って基本的には、やればできるなところがあるから

私もそう言ってみんなに頑張ってもらうことがあるけど

使役獣の差については痛いほど自分がわかってるから

それについては

自分と自分の使役獣の素敵な所できるところを見つけて

伸ばしていこうね

っていうことにしてる


既存のものにとらわれない私の教育は面白いってことで

全学年に適応されてるけど

五学年の子たちは余裕があるって子たちの選択授業になってる

そうやってみんなは自分の伸び幅見極めて動いてるなぁと

しみじみ学ばせてもらってるけど

私の常識度レベルはやっぱり低いままらしい


うーん、どっかに常識学校とかありませんか・・・

とか言いたい


「ちなみに噂っていうのは、隣国の王子とのノネ嬢の熱愛ね」

「へぇーっ」

私は久々の恋話の匂いにきらーんってなりますよ

「貴族のお嬢さんでしょ、普通なら学校卒業と同時にほとんどの女学生たちは

結婚しちゃうのよ」

うんうん、それは聞いた

みんな婚約者さんがいたりとか、使役獣の学校で付き合ってる人と結婚したりとか

お見合いがあって、憂鬱ーとか聞いてたもんね

私もその時に同時にどんって結婚したらできたのかもと

今さら思うけど、今もかもだけど、それどころじゃなかったんだよねー

うう、そんなこと考えるから婚期が遅れるんでしょうか・・・


「隣国の王子がね、ノネ嬢を式典で見染めた時から始まったんだけど

 ほら、王子、若いのよ」

ふんふん、ノネさん美人だし目立つし目を引くもんね

「もともとノネ嬢には婚約者がいたんだけど、そちらの方が芳しくなくてね

 破棄しかけてた所に、よい話が舞い込んできたんだけど

 こちらの国王とのつながりの関係と年齢で今の今まで保留だったのよね」

うう、きな臭い感じですね

「ほら、若いからって一時の恋の熱情ってこともあるでしょ」

うんうん、それは私も思う

小さい子ってすぐに結婚ーっとかいっちゃうもんね

「それがまぁ、一途だったのよ

 ノネ嬢も最初から感じるものが有ったのでしょうね

 子女学園に通いながら、ずっと手紙のやりとりもされてたし

 王子も他の子の誘いに一つものらなかった潔白は確実だしね」

へぇ、それはすごいかも

こちらの世界の恋愛と性事情を考えると異例かもしれない

かなりの純愛具合だよね


「そのままゴールするわけにはいかないのが貴族なのよね」

はぁと深いため息をつく司書さんたち

「本人たちがいくら好きあってても、貴族っていうのはしがらみが多いの

 彼女は五大貴族で、かつ使役獣使の一派でしょ

 彼女はそれに失格だから、外に出すつもりはなく国内の貴族とのつながりに

 使おうとしてたわけだからね」

うう、ほんとどろどろだね

ノネさんの人格や人権、意見を否定しないでほしい

「王子も王子なのよ、まだ、逆側の位置する隣国の王子だったらよかったわよ

 彼女の家と仲の悪い王国なんですもの」

うっこれはリアルロミオとジュリエット?

「彼女も強かだから、親のいいなりにはならなくて

 今の今まで婚期を伸ばして王子と頑張って

 やっと結実したって感じよね

 公式発表はまだだけど、御嫁入りは確定よね」

うふふと、頬を染めて笑う司書さんたち

うんうんやっぱり恋話は好きだよねー


「で、これが、関係図ね」

「あ、はい」

なんかこういうの見ると小説の世界みたいだなぁーと思っちゃうよね

「ちなみに極秘資料だからね」

うふって可愛く笑われても困ります司書さんたちぃぃぃ

なんでこんなもの持ってるんですかっ


「ノネ嬢からみて、この方がこちらの貴族と婚姻関係を結んでるのよ」

うんうん

「こちらの貴族がもともと、軍国保護主義」

ふんふん、騎士さんとかを多く輩出してる貴族さんってことだね

「ノネ嬢のところは言わずとしれた使役獣使ね」

うんと私は頷く

「彼らのたくらみは分かりやすく、国を武力によって支えること」

う、うん・・・

「だから、ノネ嬢を他国にやるわけにはいかないのよ

 彼女の母親が庶子だけど国の方なのよね」

あ、御手つきというやつですね・・・

うう、またどろどろしてきたよー

「なので、強固な繋がりを欲して、もともと婚約関係がここ

 だけど、あちらさんが弱くなったしノネ嬢が使役獣使になれなかったので

 という理由で破断

 その後、ここ、ここ、ここから依頼あり」

うう、なんでそんな詳しいんだろう


「あらあら、アンさん」

そう先生がにこりと笑うと司書さん全員が私を見た

「司書が司書だけのお仕事をしてると思ってもらっちゃ困るわ」

くすりとリーナさんが笑う

「もともと重要書物を扱う部署でしょ」

私は頷く

「書物にはね秘密が隠されてるものよ

 そして、密会に利用されたりするものだしね

 あと、情報っていうものは集まるべくして集まるのよ」

くすりと笑い撫でるのは自身の使役獣たち

うう、情報を使役獣で集めるのは鉄板らしい


「まぁ、私たちは半分趣味で半分は正式なお仕事だからねぇ

 司書さんも意外に大変なのよ」

うふふふと、先生を含め皆が笑う

うう、暇とは思ってないけど

本当に多岐にわたる仕事してるんだね


「アンちゃんは表だっていっぱいしてるけど

 私たちも負けてませんわよ」

うふ、と司書さんの一人が笑う

「だけど、ほんとこの子たちが来てくれてすっごく助かる

 早くおしゃべりできるようになるといいのにね」

ぷよりとコムムンを突くと、うーんな核の色

難しいのかな・・・


「ま、話せなくても伝わるわよね」

きゅと手でつつみ広げてにこりと笑うと

核の色はピンクとオレンジのマーブル

嬉しいと恥ずかしっと照れた色

うふふ、本当に仲良しさんだ


しかし、うん、ノネさんはお国の血を引く人でもあるし

背後関係が悪すぎて

今の今まで結婚が延びちゃったのもね


で、条件をクリアしてやっと結婚できるようになったということね

あ、条件っていうのは

お互いの恋心が続くこと

性的な関係を持たないこと

同盟国として存在し、両国利益に働くこと

特に、輸入輸出の際の検問やお金などの関係がかなり動いたらしい


「と、いうことで何が言いたいか理解してるでしょうね?」

とリーナさんがにこりと笑う

はっと顔を上げると、司書さんたちが今までにない

険呑な雰囲気で私を見つめる


「き、気をつけて行って来ます」

私は絞り出した声で答えてみると

うん、と鷹揚にうなずかれちゃった・・・


うう、司書さんたち裏の顔は潜めてください

ううう、みんな意外と怖い人だったりするのかなぁ

ちょっと人間不信になりそうです

司書さんたちの裏のお仕事でしたー

彼女たちのわいわいしてる感じも好きですねー


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