表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/86

64.合流

「お待たせしました」

私が生徒さんたちを伴ってギルドに入ると

ティリエさんはぷっと笑った


う、これは、もう丸っとわかってますよーな感じだよね


「こってり絞りました」

うむ、という風に、言い笑うのはうちの生徒さん

「だろうね~」

ティリエさんも笑う


うーん、と私が複雑な顔をしていたのだろう

理論くんがにこりと笑い

「先生の場合は、身分の格差による常識の差というより

 一般常識がないということですよ」

とまた、こんなことを・・・


ううっ


「はい」

とラムヤンをテッラさんは渡してくれる

ラムヤンはもぞもぞと動くとはい、とお金をくれた


「普通は、パーティリーダーしか受け取れないからね」

なんてティエリさんにも言われた

「怪我とかした場合はどうなるんですか?」

「そんな時の『譲渡』だよ」

ああ、そっか、権利の譲渡か、うんうん


お使いしてきてーがなかなか言えないってことなんだなー


「パーティといっても、基本的には、有象無象だ

 決まったパーティを組む場合はギルド申請することが多いな」

「『ギルドコンドルト』ですね」

きらりと理論くんが答える

うーん、さすが勉強家だなぁー

実施系はまだまだ苦手で、ラムヤン付きでよく冒険に行くけど

ラムヤンが、よく、駄目、行く、逃げる

とか言ってるのを聞くもんね


私が見ててもひやひやするから、彼の使役獣はもっとひやひやしてると思う

運動神経が悪いわけじゃないけど

所謂反射神経が鈍いんだろうね

頭で絶対に考えちゃうタイプ、だから、有る程度危険に近づかないと

脊髄反射が身に付かないだろうからって理論的に語られたけど

やっぱり、まだまだらしい・・・



しかし、『ギルドコンドルト』久々にその名前聞いたかも、

商業権利をもつパーティなんだよね


販売もできるし、買い取りも可能

ギルドの中の小さなお店であり、冒険者集団で最大三十人までで構成させるパーティなんだよね

大手グループさんになると騎士団みたいな雰囲気があったり

まさに冒険者の見本市みたいな感じで

前衛後衛補助と見ためでわかる人たちががんがんいて

コンドルト章という紋章持ちだから見た目からしてかっこいい


ゲームだと頭の上の名前の上にギルド名+マークだけど

現実にはでないもんね

だから、みんながワッペンの布モノ系か金属のとかマントや盾にバーンとコンドルト章刻んで

かっこいいんだよね


と私が詳しく知ってるのは

依頼者さんたちから、指名クエストをしたいからならないか?と言われたから

ティエリさんが説明してくれたんだよね


ギルドに申請して登録するのは

ギルドでの利便を図ること、ギルドに依頼をし

各メンバーのギルドランクを保持または向上でて

それにギルドからの信頼がある、支援があるグループとして認められてますから

その分、依頼者も安心できるから

そういう意味で、個人的にパーティ組むより

将来的な意味合いも考えてギルドコンドルトに加盟するんだよね


ギルドの壁の上部にコンドルト章があって、クエストにもその印が押され

コンドルトメンバーより依頼ですよととか

逆に依頼希望の所に、貴方方にしてもらえたら嬉しいですよと

印を押すこともある

私も一人でいいから、紋章持ちになって、指名クエストさせてほしいと言われたけど

一人ではできないんだよね・・・

ラムムンがパーティの一員もできないし

ということで、私は無理だけど、暗号書いてくださいで

ちょっとした印をつけてくれることになって私はそれを目指して取っていってる

今のところ、ざっと目を通して取ってるけど

変な依頼がきたことはないから、無茶な時間配分にならなければ

なるべくは依頼を受けるようにしてる


「正直ここでは役にたたないんですよ

 僕ら学生がいるのは5年間ですし

 固定メンバーと付き合うより多人数と付き合うことに重きを置くことと

言われたのは、アン先生ですしね」

「うん、いろんな体験したほうがいいからね」

「そう、そういうことで

 王都の方では、有名コンドルトが結構あるんですよ」

「へぇー」

「ちょっと行ってみたくなりましたか?」

「うん・・・」

ミーハーかもしれないけど、ちょっと見てみたい気がする

ここでは、二グループしかいないし

ずっといてくれるわけじゃないから、紋章が全然ない時もあって

壁が寂しい感じになっちゃうし

街の中の雰囲気もやっぱり変わっちゃうしね

ちょっと他のギルド覗いてみたり、街を冷やかしにいきたいなーなんて

思っちゃうのはしかたないよね?


「駄目だよ~」

と言うのはティエリさんだ

うん、今行くと確実に危険だし、ほとぼりが冷めてから

ちょっと観光に行くのもいいかも


「ふっふっふー」

と男の子たちが笑い、どぞと示したのは

お嬢さん生徒さん

ノネさんの親戚の子だ


「はい、おばからの手紙ですわ」

「ノネさんから?」

「そうよ」


真っ白い封筒に金の蜜蝋が押された

なんとも豪華なお手紙


ティエリさんが背伸びしてるので見えるように

手を下ろすと、目を見開いた

「時期がいいのかわるいのか・・・というべきですね」

テッラさんが言う

みんな封筒見ただけで中身がわかるなんて

どんな魔法つかってるんだろう・・・


「あとで教えてね」

といいつつぺりっと手紙をあける


「結婚式への招待状?」

「ええ、そうなの、出てくださるわよね?」

「うん、行くけど」

私貴族でもなんでもない一般人だよ?

と口ごもってると


「存じてますわ

 だからちゃんと記載しておりますでしょ?

 お手紙もお読みになってくださいまし」

くすくすと私の動揺をくすぐるように笑う


「えーと、なになに・・・」

お久しぶりね、サレアからあなたの活躍はよく聞いておりますわ

このたび、私の結婚が決まりましたから、ご招待させて頂戴

式への参列となれば、あなたが居心地の悪い思いをするでしょうから、ガーデンパーティの際と

事前にお会いしたいわ


その際、かならずエスコートの男性をお連れになってね

いらっしゃらない場合はこちらでご用意いたしますことよ


何だろう、一音一句まちがなく彼女が話すみたいに

読めてしまった

きっと、サレアさんのせいだろうけど

すごい個性だよね


しかし、エスコート役の男性・・・

うーん

ちらりとティエリさん見るとうんと頷き

ティエリさんは他の方向をじっと見てる


「お前の休みはそんなに長くない」

と渋みのある声がここまで聞こえてきた


「ごめん、アンちゃん、役に立てず」

がっかりと肩を落とした様子を見て

一緒に行きたかったんだなっていう自分の気持ちとティエリさんの気持ちが

同じで嬉しい


「あ、はい・・・」

うん、残念だけど、仕事なら仕方ない

そう、お互いの顔に書いてて

二人して同時にため息をついたのを

周りがはやし立ててくれた

うう、分かりやすくてすいません・・・

うう顔が赤くなってるのが分かる

だって旅行に行くとか、ペアで行くならね・・・

ティエリさんかカールさんがいいんだもん

選べって言われたら困るけど

ティエリさん行ったら、きっと他のギルド行った時とか

道中のいろんなこと教えてくれてたのしいと思う


カールさんだったら、一緒に料理しつつ

王都のはやりのお菓子とか料理に舌鼓うっちゃう食の旅になって

たのしそうだもん


「あれ、に一応声掛けてみなよ」

あれって・・・まさか、カールさんのことですか

うーん、ほんとに仲悪いなぁ


「うん、だけど、なんか・・・ね」

「うん・・・」

全員忙しい印ですよね、たぶん


「あっ!」

こんなことしてる場合じゃない

ぷよりっとラムムンも震える

そうだよ、みんなのご飯とりにいかないとだ


「何?」

「クエスト消化してきます」

私がそう言うと、まわりがどっと笑った


「そういう所はまじめでかわらんなぁー」

まぁうんそうかもしれませんが

結構死活問題なんですよ

いつも


「先生連れてって下さい」

理論くんが言う

「いいけど、ラムムンで移動しちゃうよ?」

道中の狩りはできない

「私は留守番でしょうか?」

「ううん、テッラさんもいっしょに来てほしい

 むしろ、来て」

今からするのは手がかかることだし

理論くんの護衛を頼みたい


「えーと、エオーくん

 この依頼とこの依頼受けてください」

行き先一緒ですから

「はい、パーティ申請は不要ですか」

「うん、いらないけど、絶対そばから離れないでね」

なぜか、違うところに行くんだよね理論くん

これは・・・方向音痴の迷子というやつかと

思うけど、本人にはまだ言ってない


「ラムヤンは借りても?」

「いる」

とラムヤン本人が言う、うん、あったほうがいいと

彼の使役獣も頷く


「テッラさんは、これとこれの依頼を

 うまくすれば、ここも狩れますが、いるかどうかは五分五分です」

「あ゛ー、この前狩ったから難しいな」

とひょいと覗きこんだ冒険者さんが言ってくれる

「じゃ駄目ですね、暫く警戒してるでしょうから」

「そういうこった、残念だな騎士の坊や」

「依頼料を見ると、残念と言わざるえませんね」

くすりと笑うテッラさん

うんうん、仲良くやってるみたいで嬉しい



「じゃ行きましょう、夕飯前には帰りたいんです」

「アン先生はあいかわらず、時間にきびしい」

そりゃぁねー、約束は護るものですから


「普通ですよー」

そう言って、みんなに依頼を受けるなら、近場にすること

むちゃしないこと

装備を整えてから行くことなんて

ちょっと口うるさくいって、私たちはラムムンに取り込まれる


「いってらっしゃい」

ティエリさんが笑って手を振る

私もラムムンの中から手を振り返す


よーし、いくぞー

いろいろ設定でてます、ここ試験に・・・でません

はい、出ません・・・苦笑

でも、こういうのも楽しいですよねー


そして、物語がさらに動きはじめましたっ

また名前がまちがってた訂正2013/07/02

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ