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53.こんにちは、使者御一行様

堅苦しい挨拶が終わり、議会室での話し合いが開始したけど

これはもう、話し合いという感じじゃない


是が非でも王様の所に連れていきたい使者さんたち

絶対に連れていかさない、街と学校側

両者一歩も譲らずで火花散らしてます


最初、無理やり連れて行こうとした騎士さんたちと

若干衝突があったから

緊迫ムードは取れてない

慌てて、私も逃げたし、ほんと皆さんがいなかったら

私あーれーで攫われてあっという間に王都だったかも・・・


だから、一生懸命、私も断固拒絶を示してるけど

本当にしつこい、ねばい、もうこれでもかってぐらい頑固


「使者たちよ

 大前提をお忘れではないかね」

今まで黙っていた学長先生が、ふらりと立ち上がる

誰もが先生に注目し、口さがない攻防は静まった


「王規にも記されてる事柄の三つをお忘れではないかね」

おうき?何それ?と顔に出てたみたいで

こそり、とクオン先生が耳打ちしてくれた

王規はそのままで、王様の国としての規則

憲法とはちょっと違うみたいなんだけど

国としてこうありますよ、こういうルールを護っています

それを指針として国を治めてますよ


というものらしい

そのルールが三つも破られてると学長先生は言う

校則違反しまくりみたいな感じなのかな

と思うと、ラムムンには伝わったようで

おもしろそうにぷよりと揺れた


「ほう、使役獣の学長殿

 我らが何を忘れておると?」

学長先生に負けず劣らず、魔法使いっなイメージなおじいさんが言う

彼が王様の先生で懐刀さんらしい

役職はえーと、王医師だったかな


「思い当られるものがない、それはそれは」

うう、先生、なんか楽しそうですね

意外とお祭り騒ぎ好きですか


「ありませんなぁー

 我らは、アン氏に王都へのお誘いをしておるわけで

 それ以上の権限を使ってはおりませんからねぇ」

うう、この人もか

なんか、静かな火花が散ってるんですが

二大魔法使い頂上決戦

いや、むしろ白の魔法使い対・・・みたいな感じ

どっちも白いんですが、どうしたらいいんですか


とか現実逃避してたら、ラムムンに体当たりされた

ごめんごめん


「はてはて、面妖なることをおっしゃられる

 答えはとうの昔に『本人』から出ておりますぞ」

うん、私の対応は、今も書面でも『拒否』一手だ


「どんなにお誘いされても、私は王都へは行きません」

口をはさんじゃうと駄目かもだけど

もうこの精神状態が悪くなるような不毛な会話やめてほしい


「と、一貫して申しておるぞ

 これほど分かりやすい答えが御理解いただけないとは

 こまったものじゃ」

ふぅ、とふかーいため息をつくと

周りの先生たちが失笑をもらす

うう、演技なのはわかってるけど

きらっきらの鎧のおにーさんが、怖い気配ですよぉぉぉ


「はてねぇ、娘さんの言うことじゃから

 これだけの人数じゃ脅されておるのかもしれんので

 確かめに参ったのじゃよ

 だから、話をさせてもらいたいだけなんじゃがなぁ

 二人きりで」

ってちょっと、失礼ですよ

脅されるなら逃げますよ、私だって

先生に頼ってくっつきませんよ、ね、クオン先生

あれ、いつの間にかアーヴィン先生だ

ぎゃーーっとつい飛びのいちゃいました


「ひどいね、アン」

席に座らせてくれるのは嬉しいですが

いや、その至近距離できらきら笑顔は困るんです

本気で、ううう、残像がー残像が・・・涙

クオン先生やっぱり忍者の末裔かもしれない

何時の間に席移動したんだろう


「それこそ、じゃよ

 アンはそれを望んでおらぬ

 それを行使するならば、まさに三つの規則は破られたと嘆きましょうぞ」

「ほほほ、私は願うだけですよ

 ねぇ、アンさん」

いや、願われても困ります

三つの規則はなんなんだろう


「お忘れなようじゃから

 宣言させてもらうかのぉ」

学長先生はいきいきと語る


「我らは自由民である

 いかなる場合をおいても意志以上の存在はない」

ああ、宣言させられた、うんうん

意味がわからない言葉だったから詳しく聞くと

自分の意志が尊重され、どんなに偉い人であっても

意志がなければ強制することはできないっていうこと

自由民宣言をできるだけこの街は優れてると

クッドゥル先生が言ってたよね


「次に、アンは私が保護する異世界人である

 異世界人は人権が保護者に依存する

 私、クルゼルに依存し、私は王都への出仕を拒む

 なぜならば、私は使役学園の学長であり

 アンは誓約を交わした学園の一教師である

 彼女の意志は固く、このまま学園の教師として

 ありたいと私に『願った』

 快くそれを叶えようと思う、だから拒否だ」

珍しく強い言葉で締めくくった学長先生

先生の名前はクルゼルという名前らしい


「学師とし王に逆らうと?」

ぎりと睨みつけるのは騎士さん

王様第一だから、そう思っちゃうよね


「これこれ、そう取るのは短慮じゃ

 我らは一度たりとも王に敵対すると述べたか?」

ちらりと、騎士さん、そして魔法使いさんたちを見る

たしかに、私たちは、内うちで話した時以外

喧嘩売っちゃう?とか、おっぱらっちゃう?とか言ってないよね

ただ、一貫して、ここにいます、王都に行きませんだもん


なんで分かってくれないかなぁーと思うけど

あちらも上からの命令だもん

そう諦められないよね

しがらみは面倒くさくて、やっぱり王都は私に向かないと思う

ねぇらむむん、私帰りたいよ・・・

だめ、と頭に響くけど、ラムムンも飽き飽きしてる

ふー、とついたため息が大きく響いた


「分からずやな大人たちの相手は娘さんには酷じゃないかねぇ」

うう、もう二十歳越えてますから大人ですよー

そして、こちらの世界なら結婚してないとおかしい年齢ですよー

学長先生は、先方さんの言葉を使ってるだけなんだけろうけど

なんか心が痛いです


もう若くないのに若いと言われると、居た堪れない

若くないとはいわないけど、ちょっと辛い・・・


「王都に来られたら、すぐさま解放いたしますよ」

にこりと、最初に戻るな言葉をはくお爺さん

うん、だから・・・と言いたくなる


「さて、最後の三つ目じゃな」

私と学長先生は目を合わせる

これは、事前に聞いててこの後の言葉もわかってる

本当に本当にこれで諦めてくださいっ


近付かれた逃げました

危機一髪アンちゃん

私の投稿も危機一髪・・・忘れて寝るところだった

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