46.王都(他者視点)
「拒否だと?」
片眉をつり上げて、王は聞き間違いではないか、という意味を込めて
平伏した使者にそう言った
「偽りなく、拒否でございます」
沈黙で張り詰めた空気の中、震える声で使者はもう一度、奏上し
固く縮まるように、再び平伏した
ごくり、と謁見の間に、つばを飲み込む音が響く
それほどこの空間に音はない
「ほぅ・・・一介の冒険者が、私の召集を断ると
それも、本人も来ず、書状のみだと、ふふふ・・・ふはははは・・・」
王の笑いは不気味に謁見室に響く
「連れてこい、我が前に」
王は宣言す
「はっ」
短く答えたのは、フルアーマを身に纏った騎士だ
「王よ、わがままもお納めください
我ら魔法医師が、説得に参りましょうぞ」
「おお、ウユンか、心強い」
王がそういうと、子供のような表情で笑う
ウユンと呼ばれた医師は、彼の教師の一人だった
そして彼の腹心でもある
「貴族どもは、役にたたぬどころか邪魔ばかり申す
あれは、学園にあってこその花という
なれば、王都にあって花咲かせて何が悪いというのだ」
ちらりと、貴族どもに目をやると
彼らは、微動だにせず、王をただ見つめる
我らが意見はかわらぬ、という様相に
理由のわからぬものたちが、ざわりと揺れるほど
彼らの意志は頑なだった
「退室せよ、我が意志は変わらぬ」
異世界の変わった女なら、なぜ我が前に連れてこぬ
そう言わんばかりの王に
貴族たちはため息をついた
王の悪癖、それは変わったものが好きだということ
それ以外は、良き王だ
政治にしろ、戦にしろ、先見の明にしろ
多方面に鋭い、ウユンの育て方がよかったのか聞く耳も持っている
しかし、偏執的なまでの変わったものへの執着だけはいただけない
その悪癖で、良きこと悪きことが襲ってくる
今もまた後宮にいる異世界人のわがままに頭が痛いところもある
しかし、良きこともあるのだから
やめよと誰も言えない
王子の時代は終わり、もう王な故に・・・
貴族たちはため息をつくしかない
こうなっては頑迷になるとわかっているから
珍しい竜の鱗がほしい
人魚を捕まえてこい、なら、どうとでもする
そしてなった
しかし、人となれば、難しい
あるものは、末路を案じる
また死ぬのか、狂うのかと
そして、あるものは、わからず、また財を飛ばすかと失笑する
王都は揺れる
たった一人の冒険者、そして異世界人によって
初王様でしたー
ある点に関してはわがままなんだけどね、いい王様なのよ
と一応言う
そして異世界人の表記がでたけど、今のところ出てきてません・笑
伏線なのかなぁ、自分(笑)




