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32/86

30.お礼に行こう2

お気に入り登録2,800件超え、まだ伸びるか、嬉しいねー

あと、契約書の扱いについて説明された

あの時、ティエリさんに渡しちゃったけど、本当は駄目な行為だったらしい

他人に見せる時はその場で提示するか

床、壁など動かないものに『停止』させて固定してから離れないと

持って行かれたとき『譲渡』されたと都合良く勘違いされることがある


特に、こちらの契約は、たった一枚の魔法紙だから

紛失、破損したら自己責任

契約破棄となってしまう

破損しても魔法文字で書いたところが無事ならいいけど

魔法紙が破損するということはそれなりの力が加わったこととになるから

ぼろぼろになってる以外に『破損』にはならない


不利な契約を結んだ場合、それをもくろむ人もいるから

契約書はなるべく見せない、貸し出さないという原則を再確認させられた


あの時、気が動転して、お兄さんだからっていうのもあったけど

次から駄目ね、と窘められました


さて、次は学校だ

「あっアンさん」

図書館に入ると、細いはしごの上で掃除をしていた司書さんたちが私を見つけてくれた


「おはようございます、遅くなってすいません」

「いいのよ、カトリーナからは今日はお休みよって聞いてたけど

 大丈夫だったの?」

みんな情報通で事情を知ってる

だから、今日はいいのよ、と言ってくれてるみたいだけど

当の本人たちがやる気なので、連れてきましたと言うと

みんなが楽しそうに笑ってくれた


コムムン六匹が、ぽぽぽーんっとラムムンから出て行って

担当の司書さんの肩に乗り、おはよーって感じに揺れる

なんだかんだといいつつ、司書さんも嬉しそうに

コムムン来たのね~なんて言って撫でてる

うんうん、来てよかったー


「平気なの?」

ふわりと、後ろから誰かに抱きしめられた

一瞬びくっとしちゃったけど

ラムムンがおもしろそうな気配だし、なんか豊かなものが背中に当たってるし

いいにおいがリーナさんだと示して、私は体の力を抜いて

そのままぺとりとリーナさんにくっついてみる


あら、というように、私を抱き直しぎゅっとしてくれた


「平気か、と言われると、いいえ、なんですけど

 今できることは、したいですし

 コムムンたちががんばりたいって言ってるのに邪魔したくないです」

じゃぁ掃除するねー、というように各自担当さんのところからつるるるーっと滑り落ちて

きれいに掃除している

その仕草は、もう慣れたもので効率よく

本を傷めないように掃除してるみたい


「うふふ、アンらしいわね

 来てくれるのは大助かりよ」

きっとリーナさんも見てる世界は同じ

私たちはくっついたまま、司書室に入った

リーナさんの掃除はいいのかな?

コムムンもくっついたままだし


「あら、アンさん、おはようございます」

司書長さんが、眼鏡をかけて机に向かってる


そういえば、眼鏡かけてる人って初めて見たかも・・・


「やぁねぇ、そんなにじっと見ないでちょうだい

 恥ずかしいわ」

くすくすと笑う、なんで恥ずかしいのかな

もしかして老眼鏡なんだろうか・・・


「それはそうと、昨日は大変だったわね

 それなのにお仕事を全うし、前を向こうとするあなたに感謝します」

司書長さんはにこりと笑ってくれる


じわり、と涙がにじんだ

こうやってわかってくれる人がいる、だけど、それをすべてと思ったことが

間違いだった


「あらあら、泣き虫さん」

リーナさんが、ふわりとハンカチを貸してくれる

ララリンクルの香りだから、あげた香水を使ってくれてて嬉しい


「疑うことばかりがすべてじゃないけど

 信じることだけがすべてでもない、それはもう学んだわね」

そう眼鏡をはずしながら司書長さんは言う

私は頷く


「先ほどギルドにも行って言われたことなんですが

 私とラムムンがあっての関係だということ

 大金が詰まってるお財布置いてるようなものだよって

 窘められちゃいました」

そういうと、二人はそう、と言って笑った


「大金よねぇ、ほんとに」

やっぱり、ここでもそれだけの価値があると暗に言われた


「一番価値がわかってないの私ですね

 そりゃぁうちの子はすごく可愛いです

 頑張り屋さんです

 だけど、正直それだけでした」

「あらあら、まぁまぁ、それは、本当にわかってないわね

 ほら、リーナ、あなたもアンさんを抱きしめてないで

 座らせてあげて、お茶も差し上げて」

「もう、先生たら、お邪魔虫ねぇ」

くすくすとリーナさんが笑いながら離れて行く


「話が通じてるかもしれないけど

 ちびちゃんたちの持ってる魔法も秘法よ

 それを考えても、特化してなくても素敵ですごい使役獣なのよ」

そう言うと、リーナさんの上にいる子とラムムンがどやぁした

うん、すごいのは知ってるのよ

だけど、秘法って・・・

「えっ?」

「あら、知らなかったの?」

コムムンが、ぷるぷるしてる、言った言ったーって言いたいらしい


「いえ、前に、すごいの覚えたー、とは聞きましたが

 それが秘法レベルのものとは知りませんでした」

「あら・・・」

そう言って、二人は顔を見合わせ、コムムンを撫でた

コムムンは嬉しそうに震え、二人の指にきゅるっと巻き付いた


「秘法だから、秘密にしなきゃだめよって言ったけど

 ご主人様までに秘密にするとは思わなかったわ

 いい子ねぇ」

でしょーというように、ピンクとオレンジが混ざったような核の色

マーブルでちょっとおいしそう・・・


「そういうことだから、保護はちゃんとしておくのよ

 第一使役獣ほどじゃないけど

 大切にして、ちゃんと向き合わないとだめよ?

 たくさんいるからって愛情不足は駄目よ」

私は頷く、不足させてないとは言えない

ラムムンの時と違って半分以上ラムムン任せにしてるから

それも良くなかったかな・・・

だからまだ話もできないし、ね


「はい、気をつけます

 ご指導ありがとうございます」

私がぺこりと頭を下げると二人はにこにこと笑う


「相変わらず頑張り屋さんで、嬉しいわ」

リーナさんは艶然とほほえむ


うう、女の私でもまぶしいですよー


予約一端ここまで、どゃぁー間違わなかったぞーっしかし月日が巡るのが早すぎて、ストックが切れないか心配です

読み手さんもいつもありがとうございますっこれからもどーぞよろしく 追加予約してのでしばらく安泰かな・笑

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