27.朝と目覚め
いつのまにか2,751件です、いつもありがとう、そしてこれからもよろしくっ
目覚めは微妙に最悪で
頭が重くて痛かった
この世界に来て初めての頭痛かもしれない
本当に健康だけは丸どころか花丸印で
町内旅行で、みんなが食中毒の中、うちの家族だけはけろりとして
さすが、紺屋さんところだ、腹まで鍛え方が違うと言われても
そうやなーって
祖父母が平然と笑ってお茶をすすってたのが忘れられない
それぐらい家は規格外に健康体だったらしい
秘訣は、と聞かれて
朝起きて夜に寝て、三食驕らずいただいて
しっかり体鍛えただけや、と答えてみんなはさすがやとともに
無理だーと笑ってたよね
だけど、異世界ではその生活していてよかったと心底思うけどね
ぷよりとラムムンが乗っかってきた
私が起きたのがばれたらしい
「平気?」
「昨日よりはね」
むくりと起き上がり、ラムムンにくっつく
ちょっと小さいなぁと思ってると
ラムムンは水を飲んだのかふよりとふくれてくれて
いい抱き枕になってくれた
「さすがに・・・ちょっと堪えたカモ・・・」
ラムムンも同じだったらしく、水面の中を覗いたような視野の中
核の色が変わる
顔を横向きにして、もふりと乗っかる
ほどよい弾力がきもちいい
「日本人感覚っていうのかなぁ・・・」
ラムムンはきっと「?」だろう
「私がいた世界って、世界一安全な国って言われることがあるぐらい
平和で安全だったの
武器を持って戦うこともなかったしね
ちょっと想像つきにくいか・・・」
ラムムンが疑問な色だ
「海外旅行に行った子たちが言うの
海外って結構危険って
ここでも同じなんだけどね
日本だと、鞄で席取りしたりするの
私の席ここですって示すのが席取りね」
「盗られる?」
「うん、ここではそうだよね
それもお金入れたままとかね、しょっちゅう
なのに日本では盗られることがほとんど無いの」
ラムムンがぶよっと揺れた
あり得ない、変って言いたいんだろう
「暗黙のルールっていうのかな、なんかそういう感じだよね
っていうのがあって、それで日本の中では通じてたの
で、海外とか、滅多にないけど異世界に来たら危ないわけ」
うんうんとラムムンが揺れる
「私も、お金、机とかベッドに置いてたときには
おばさんに叱られた
そうやって躾してもらったけど
やっぱり、日本感覚は抜けてなかったみたい」
思い出したり考えたりするのは少なくなったのに
それでもやっぱり異世界人は異世界人でしかない
あの冒険者のおじいさんはどうだっんだろう
もともと冒険者だったから海外慣れしてるから
私ほどひどくはなかったのかな?
「私もいろいろあったから一応、気をつけてたんだけどなぁ」
だけど、やっぱり甘かったと自分で思う
フィルルンが全員今いることは奇跡かもしれない
そして、誰も傷つけてないのも
もぞもぞとラムムンが動く
みんなが起きたのか、ぽぽぽぽーんって吐き出して
ぺっちょんぽっちょん、ベッドに上がってきて
ぺたりとくっついた
「フィルルン、ごめんね
がんばってくれてありがとうね」
私はまず、フィルルンたちを撫でる
次々ーっという風にみんなを撫でる
「あ・・・」
と私は思い出した
「ごめん、お迎え忘れてた」
コムムンたちに謝る
昨日は、学校がない日だから図書館に全員貸し出ししていた
「リーナ、親切」
ラムムンがコムムンたちの言葉を伝えてくれる
そっかリーナさんが連れてきてくれたのか
「リーナ、心配、アン大事」
そう言われたら、乾いてた涙が出てきた
「私もだよ」
コムムンたちに答える、あーもー昨日から泣きっぱなし
ぽすりとラムムンにくっつくと
ずるーーーいとぺてぺて当たってくる
はいはい、みんなでわけわけしようね
だけどそうやってるとさすがに泣けないわけで
半端になったけど、勘弁してください
なんか、ほんとラムムンをはじめ使役獣たちには助けられて
笑わせてもらってる
どんなに駄目な部分見せてもラムムンは私を許してくれるだろう
もしかしたら一緒に弱くなっちゃうかもしれない
だけど、弱音を吐かずにはいられない時がある
ちょうど昨日と今日みたいに
迷惑かもだけど、おばさんにもう一度教えてもらおう
よしっ紺屋 杏子ことアン、がんばりますっ
アンちゃんがんばるよーっ
と、いうことで、海外旅行もそうですが、皆さん、おきっぱなしはやめましょう、正直怖いです、スーパーとかでもカートに乗せて離れて、盗られたーとか言う事件に遭遇しましたが、自業自得、ですよ?ということで、ぎゅっと握っといてね-、財布のひも的な意味でも・笑




