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最速の男  作者: 小林弘和
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1 きっかけ

モモ上げは、陸上部の基本です。同じ場所で、走っているようにモモを上げ続ける、過酷ですが、地味な練習なのです。しかしこれは、基本中の基本で、太ももを高く上げる筋力と真っ直ぐにあげる技術は、走ることにすごく重要な要素でした。今思うと、かなり胃に悪いと思う運動ですが、その当時は必死になって上げていました。

理由は、とにかく早く走りたいから。

それだけでした。陸上部の、特に、短距離のメンバーは、誰もがそれを望む。「最速こそ、最高だ。」そこに、怖さがある。

この話は、僕が高校生の時、陸上部の間でうわさになっていた事件が発端なんです。隣の高校で、ある天才的な選手が突然現れ(名前はユキオといった)、そして突然消えた。覚えておられるでしょうか?

やれ、「神隠し」か、やれ「誘拐」にあったんじゃないかと、すごい報道になりましたので、貴殿もご存知であるかと思います。

ユキオはそれから3年後、京都の山奥で瀕死の状態で発見されました。

大学でも陸上を続けていた僕の耳にその情報が入り、僕は友人と二人で面白半分、彼の自宅を訪ねてみる事にしました。もちろん、彼に怪しまれることが無いよう、当時のマスコミの名刺を利用しました。当時、僕たちも、インタビューを受けていたので、そのアイディアを思いついたのです。彼は、まんまと名刺を信じ込み、3年間の真実を語ってくれました。

どうして、ユキオに興味を持ったか?って?

最初は僕も、行く気がしなかったんです。それより、大学に入ってようやく彼女が出来たところだったんで、早く終わらせて帰ろうとさえ思っていました。ところが、きっかけは、友人の話でした。

「おれ、うわさ、聞いたんだよ。ユキオって、ほんとは、めっちゃくちゃ足が遅かったんだって」

「じゃ、努力の人?」

「それが、ほんとにある日突然なんやって」

わたしは、出来立ての彼女の裸を思い浮かべて、

「どんな練習や・・・?」

そのあとの友人の言葉が、

「だから、聞いたんだよ。足、移植したって・・・速くなるために」


僕は、幼い頃から本を読むのが趣味で、乱歩やドイルなどの探偵物にいたく傾向していましたので、文章にも自信がありました。先生に、ぜひとも認めてもらいたくペンをとったしだいです。


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