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キミの勝ち | 天気:晴れ

「こんな感じかな!」


腰に手を当てて自慢げにそう言う。


マクラメ編みでスイカネットを作って川にスイカを浸す。

我ながらに良い出来具合。


「......すごい」


ふとそんな声が聞こえ、キミの方を向く。

と、小さく拍手をしている。


微かに可愛いと愛おしいと思ってしまう。


「でしょ!」


えへんと言うように更に自慢げに。


けれどキミの可愛さにはやっぱり勝てなくて肩を落とす。


「じゃ川遊びに行こう!」


そう言ってキミの手を引いて川の方へ向かう。


「まず最初は〜」


「魚すくい!」


独り言のような声を上げながら川の水に手を入れる。


頭が燃えそうなくらい暑い太陽の熱が溶けていくような冷たさ。


しかも太陽の光が川の中に差し込んで魚たちは光のカーテンで遊んで

いるみたいで。


今まで見たどんな川よりも透明感があって冷たさも丁度いい。


「ね、僕と魚すくいのレースしない───」


誘いの声をかけながらキミの方を向く。

と、僕だけが川に入っててキミはいつの間にか僕から手を離してまだ川辺に居る。


「あれ?入んないの?」


「あ、もしかして川嫌いだった?!水苦手とか...?」


駆け寄るように慌ててキミの方に戻る。


「...服濡れちゃうから」


「あ、そういうこと?!」


「大丈夫大丈夫!!だって僕夏の神だよ?」


「そういう困り事は〜」


指で宙をくるりとし、キミの方に向ける。

と、光の粒たちが一斉にキミに集まっていく。


温かな夏の熱を持った、

けれど夏の涼しさと香りも音をも集めたような。


それをキミも感じたのか一瞬キミの瞳がキラキラと反射光のように輝いた。


「ほら!入ってみて!」


そう言って僕は再び川に足を進めてキミを手招きする。

と、おずおずとキミが僕の方に。


「わぁ...、!」


思わずと声が出てしまったのかキミは慌てて口を塞いでる。


恥ずかしがらなくていいのに。


くすっと笑いながら微笑むようにしながらそんなことを思う。


川の水はキミの周りを踊るようにして弾け跳ぶ。


キミの周りだけ水滴の舞踏会だ。


「...冷たくて、気持ちいい......」


ふとそんな声を零したキミに目を向ける。


「でしょ!」


嬉しくてそんな声を上げる。


魔法みたいな神の力。


けれどちょっと違くて。


魔法は何でもない可能に出来る。


けれど 魔力が無くなればただの人間に。


神の力には魔力とかそういうのは無いからずっとずーっと使える。


けど、掟があるから結局は同じなのかも!




「あ、だから!魚すくいのレースしよ!僕と!」


「レース...?競走ってこと...?」


「そう!」


「川魚をどっちが1番多く捕まえれるか!」


そう言って一通りルール説明をした後、



「スタート!!」


レース開始の合図の声を上げる。


僕はキミと逆方向に向かう。


上流の方。


まぁ上流の方は流れが激しいからわざと僕がこっちを選んだんだけど...


キミになんかあったら嫌だしね!


でも結局は下流の方にも結界が貼ってあってそれ以上下に行けなくしてるし森の方にも貼ってあるから動物さんたちが来ることはないと思うけど...


そんな不安な声を心で零しつつ目は川の中を泳ぐ魚に釘つけ。


やっぱり狙うとしたら掬うようにするべき?


いや後ろからバッと行くべき?


そう考えているうちにも魚たちは煽るように僕の足元を潜ったり留まったり。


「バカにしやがって...!」


「ここだ!!」


そう言ってしゃがんで捕った。

つもりだった。


手を開けばあるのは石。


変わり身の術...



「獲った!!」石


「こっちか!!」石


「じゃあ......こっち!」苔



全然捕れないんだけど?!


てかそもそもなんだか魚が少ないし...


熊さんたちが食べちゃったのかな......


僕の頭の上にカウントされたのは0の文字。


これじゃあキミに負けちゃうじゃん...


と、そんなとき。


急に目の前で魚が跳ねた。


咄嗟に反射に手でキャッチする。


「え」


「と、捕れたー!!」


「だとしても1匹...」


頭の上のカウントは0から1に。


「このまま食ってやろうか...」


八つ当たりのように声を変えた声を出すと魚はビチビチと跳ねた。



結局あの後僕のカウントは1から増えることはなくて。


しょぼしょぼしながらキミの方に戻る。


「時雨さん!!見てくださいこれ!」


そんなキミの声に目線を川からキミに変える。


と、最初に目に入ったのはキミの頭の上のカウント。


25だった。


「え?!25匹も捕ったの?!」


思わず声を上げる。


もしや魚たちは僕から逃げてキミの方に...?


あくまで僕の捕る力不足だとは思えない。

いや言えない。


「キミはよっぽど魚さんに好かれてるんだね...」


ガックリと肩を落としながらそう言う。


0より1の方がよっぽど恥ずかしいと、

そのとき僕は気づいた。




「時雨さん、こっちにピンク色の居ますよ」


「ほんと?!」


「やった〜!!記録更新!!」


そう言いながらキミのところに駆け寄る。


足元の石石で転びそうになりながら。


今してるのは川にいる小さなカニ集め。

というよりかは探してはリリースしている。


今まで僕は緑と青だけ見つけた。

けれど今キミがピンク色の小カニを見つけてくれた。

だから記録更新。


それよりキミと会ったばかりの時に比べてキミは感情を見せてくれてる気がする。


やっぱりキミは単純だなぁ...

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