第9話 彼女の計画 待ち合わせの席に“彼女”がいた
前回のお話、お読みいただきありがとうございます。
その夜、拓は決断した。
Xの新規アカウントに、ダイレクトメッセージを送ることにした。指が、少し震える。
「どなたですか?」
たった一言。送信ボタンを押す。メッセージが闇の中に消えていく感覚。
返事は、思ったより早く来た。
「あなたが誰か、知りたい人です」
拓は息を飲んだ。この返信の速さ。待っていたのか? 画面の向こうで、誰かが嗤っている気がした。
「なぜ、知りたいのですか?」
「あなたのことを、もっと知りたいだけです」
「ふざけてます?」
「ふざけてません。真剣です」
拓は、スマホを握りしめたまま、しばらく動けなかった。この淡々とした口調。どこかで見たことがあるような気がする。
「会えますか?」
次のメッセージが来た。間髪入れずに。
拓は迷った。罠かもしれない。待ち伏せされているかもしれない。でも、このままじっとしているわけにはいかない。疑心暗鬼に蝕まれて、朽ちていくよりは。
「いいですよ。」
待合せについて事務的なやりとりをした。
「では、明後日、午後7時。駅前のカフェ『あおい』で。あなたのことは、すぐに分かると思います。」
拓はスマホを置き、深く息を吸った。
運命の歯車が、もう一度動き始めた気がした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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