表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】彼女の計画 ―職場の上司の裏アカを知った日から、私は不倫する上司と人妻を観察することにした―  作者: Taku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/28

第27話 彼女の視線 第1話 “一晩で世界が変わった”

前回のお話、お読みいただきありがとうございます。まだまだ、話は展開していきます。

バズ


あの海から、二年が経った。


純は、沙織と一緒に作った同人誌を、いつものように自分のSNSに投稿した。テーマは「観察」。駅前で見かけた親子、深夜のコンビニで煙草を吸うサラリーマン、公園のベンチで泣いていた女性。沙織の描く繊細なイラストと、純の短文がセットになった、ささやかな作品集だった。


翌朝、目が覚めると、スマホの通知が止まらない。


「え……?」


通知欄は赤い数字で埋め尽くされていた。いいねが八千。リツイートが三千。メンションが五百以上。気づけば、Xのトレンドにも「観察同人誌」というワードが浮かんでいた。


純は、混乱したままスクロールする。あるインフルエンサーが、この同人誌を紹介していた。「今年読んだ中で一番刺さった。特に『ベンチの女』のイラストと文章のシンクロが凄い」


そこから火がついた。さらに別のアカウントが拡散し、話題の同人誌としてまとめサイトにも載った。


コメントを読む。


「この文章、すごく生々しい。書いた人、よほど人間観察してるんだね」

「絵と文章のバランスが完璧。泣けた」

「続きが読みたい。これ、商業誌で連載しないの?」

「作者、絶対に何かやらかした経験者だわ。このリアリティは嘘じゃない」


純は、ベッドに座ったまま、しばらく動けなかった。


沙織に電話する。沙織も同じように、スマホが止まらないと言う。


「純ちゃん、これ……すごいことになってるよ。会社の同僚からLINEが来たの。『これあなたじゃない? 絵の雰囲気が似てるよね』って」


「え? 沙織の会社で?」


「うん。私、自分のアカウントで投稿したの、バレてないよね?」


純は、背筋が冷たくなるのを感じた。


「……大丈夫、だと思う。でも」


「でも?」


「いや、なんでもない」


沙織の会社で話題になっているということは、いつか、拓の会社でも――


その予感が、頭をよぎった。


画面の向こうの歓声は、すべて私の知らない誰かのものだった。


そして、その熱狂は、思ってもみなかった方向から、静かに牙をむこうとしていた。


※本作品は、全シリーズ完結済み。

1. 彼女の計画 起

2. 彼女の背中 承

3. 彼女の視線 承 ←今ここ

4. 彼女の選択 転

5. 彼女の傍観者 ―観測する者たち― 転

6. 彼女の傍観者 ―もう一つの視線― 結

7. 彼女の継承者 余

8.彼女の読者 完

9.彼女の沈黙 贈

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作品は「小説家になろう」と「カクヨム」に同時掲載しています。

どちらのサイトからお読み頂いても、同じ内容です。

ご感想、評価などいただけますと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ