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このハンバーガーすげぇうめぇ!

作者: デルタ51

この作品はSCPに多大なる影響を受けています

あなたは消された存在、美味(ラブ)を知っているだろうか。誰にでもある食べ物の好き嫌い。本来我慢するべきそれを殺し得た存在だ。今日は美味(ラブ)について語っていこう。


といっても、美味(ラブ)の説明はとても簡単だ。それは、味を変えるだけなのだから。

美味(ラブ)を利用すると、

ケーキはしょっぱく、塩焼きはすっぱく、ポン酢を飲めば旨味を感じるようにできる。

不味そうだ、と思っただろうか。しかし、これはほんの一例に過ぎない。

体に良い物は心に悪く、心に良いものは体に悪い。というように、好きなものだけを食べて生きていくことはとても難しい。

毎日ジャンクフードを食べれば早死にするし、体の健康だけに気をつけた食事は、心を病むだろう。

そんな中、この美味(ラブ)があれば話は変わる。

青汁がコーラの味ならみんなが健康優良児だ。

実際、この美味(ラブ)があったころ、人類の自殺率は一桁を下回った。美味(ラブ)は確かに人を幸せにしたのだ。


ではなぜ消されたのか。この理由は、美味(ラブ)が大量の人を殺したからだ。美味(ラブ)は自殺こそ減らしたが、美味(ラブ)が原因で世界人口のケタを二つも減らした。

疑問に思わないか?

健康食品の味が好きなものになったというのに、そんなにも人が死ぬことを。

これは美味(ラブ)のデメリットなどではない。かといって美味(ラブ)の奪い合いが起きたというわけでもない。()の怠惰が招いた事態だ。好きなものを好きな味で食べれるようになった人類は、美味に支配され、依存していき、食料を浪費するようになっていった。

では、人口減少の原因は食料不足か?

これも少し違う。飽食の時代に大量生産された食料は、確かに人を支えていた。問題となったのは、貧富の差の拡大。需要の膨大に増えた食料は、生存にこそ問題を出さなかったものの、嗜好品としては高額になりすぎた。

貧者の心は飢えたままだったのだ。


はじめは紙だった、そこから歯止めが効かず、釘やネジ、電池などに手を出されていった。

そう、食ったのだ。

紙を、釘を、ネジを、電池を…


大量のビルが立ち並ぶなか、草木は一切生えていない。建物の中は歯型のついた棚や机で溢れていて、倉庫は空になっていた。



「人は…虚しいな…」

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