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4.友、遠方より来たる

 いつの間にか、目の前に親友・楠本幸男がいる。

「久しぶりだな。」

「そうか、少し前に会った気がする。」

「最近、どうしてる?」

 私はWeb小説ライターになった話をした。

「なるほどな。結論から言うと、ややこしくなるから、時系列で行くよ。先ず、お前を嫌う様になった真因は分からないが、香月来栖ってばあさんの逆鱗に触れた訳だ。お前は駄洒落感覚で書いたんだろうが、ばあさんは、自分の作品を馬鹿にされた、自分を馬鹿にした、って思ったんだろう。それまで『おっかけ』みたいにお前の作品を読んでは賛美していたのに、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』になった訳だ。そこで、女王としての権利を行使。累計里パージから換金用里パージに計算するときの『変数』に手を加えた。例えば、他のユーザーが0.3かけるところを0.0005かけるようにした。いつまで経っても増えないわな。その累計里ワードも怪しいな。」

「怪しい?」「最初にクレーム入れた時、『コンテストのご褒美全プレ』だった筈って言ったら、『コンテスト?知らない』って、すっとぼけた。で、暫くすると、配給が遅れる場合もあると返答してきた。もう、最初の返答からずれてるよな。で、大分経ってから、換金ボタンが点滅して押したのに、換金されなかった。配給が遅れる云々の『お知らせ』が、それ以前にもあったことを知ったお前は不審に思った。何で『配給が遅れています、広告主と相談中です』みたいな返答じゃなかったのかと。ここで、中途段階だが判明したことが一つ。『戸川書店』は確かに大手出版社だ。でも、外部の圧力で、『LGBT関連犯罪の告発』本の『翻訳本』出版をビビって止めた会社だ。自社映画を作るほど勢いがあった『黄金期』は、とっくに終っている。お前が登録して10年も経っている。親会社の経営が左向きであれば、子会社も綱渡り経営に違い無い。社員は女王様以下、数十人の社員とバイト君の『人海戦術』で仕事をしている。」

「じゃあ、いつか電波オークションの前の頃、潰れたテレビ局みたいなもんか。世間では認知していないが、ずっと赤字だったとか。外資に頼っていたとか。」

「そうだな。目に見えない世界だからな。そのフォロワーとやらは、最大の累計かも知れんな。」「どういうことだ?」

「減った場面を確認出来てるか?」「いや。」

「お前の作品が、自分の好みじゃ無いと知ったら、放置する人間もいるだろうが、解除する人間もいるだろう?」「そうだな。」

「お前とやりとり出来ている人間はどれくらいだ?大体でいい。」「延べ10人・・・かな?」

「じゃ、区別するために、「10人のコアなファン」としておこう。コアなファンは、離れないでいるが、後のフォロワーは離れても文句言えないよね。」「ああ。」

「レビューという『賛美』が増えないのは当然だ。10人で我慢しろ、ということだ。〇〇さんが□□さんをレビューしました、と言っても、本当かどうか怪しい。お前が××さんを賛美しました、という『お知らせ』を送っていない可能性は十分ある。コアなファンは、黙っていても追いかけてくれるが、サイトのお知らせで気がついて読む人間が意図的に減らされている可能性もある。」

 私は、いくつかのトラブルを言った後、思い出して言った。

「そう言えば、作者が高齢者なのか、昔のドラマのような、回顧録みたいな話と、短歌・俳句を書いていたオバサン、最初は「おっかけ」みたいに評価してくれていたのに、私がちょっとからかうようなことを書いてから、ブロックして逃げてしまった。」

「それだ!!ばあさんは、会社のえらいさんだよ。だから、どんなに頑張っても上位にはなれない。里パージのからくりも同じだ。お前は書けば書くほど損をする。読めば読むほど損をする。途中の『横槍』も、ばあさんの指示なら納得出来る。サイトは投稿数を制限しているのか?」「いや。無制限だ。」「じゃあ、『規約に違反する』っていう理屈はおかしい。6日先の投稿予定を書いたところで、何で『出禁』、つまり『アカウント停止』になるんだ?他のユーザーは、派手に宣伝しているんだろう?『過度の作品宣伝』は彼らの方だろう。それに、お前が最近やっている『不意打ち投稿』は、『過度の作品宣伝』とは言えない。他のサイトは知らないが、投稿数限度を超えることはない。無制限なんだから。」

「そうだな。それと、『金が関係ないって言うなら黙って投稿しろ!』って言った奴がいるんだよな。そいつも、スタッフだな。『ユーザーの振りしたスタッフ』って、お前は考えたが、『スタッフもユーザー』と考えた方が、辻褄が合う。著作を書いて投稿する『傍ら』、スタッフをしている。事務員がサボっているんじゃない。片手間だから、間に合わない。昔は十分な従業員がいて間に合ったのかも知れないがね。乱暴な返答や、変な横槍入れるのは、バイト君だろう。彼らは、『ユーザー』としては優遇されている。何万プ〇ビューとか信じられない、ってお前は言うが、彼らはサイトのシステムを利用して、『相互交通』をしている。だれそれが、だれそれを褒めました、紹介しました、って『お知らせ』のはヤラセだよ。

 入会して間が無い人間が『私、換金できました』って投稿もおかしいよ。『トヨタ商法』だ。一つ一つ、お前の不満を解き明かしてきたが、全部、『憶測』と『推理』だ。」

「そうだね。」

「選択肢は2つだ。ほかのサイトに引っ越すか、コアのファンを大事にするか、だ。じっくり考えろ。ユーザーにまぎれたスタッフ・・・実は『運行さん』なんていない。何万という利用者をエーアイ使わず裁くのは、「人海戦術」でしかない。あのテレビ局みたいに、将来つぶれるぜ。」

 いつの間にか、楠本は消えていた。プレステは埃をかぶったままだ。

 そうだ、あいつは死んだんだった。確かに『遠方』だ。

 墓参り行かなくちゃな。


 翌日。朝を迎えた時、考えた。

 メインにしなければいい。自分と言う人間は、生真面目過ぎる。

「投稿数なら一番」と褒めてくれた「ファン」もいた。

 1投稿に2ポイントしかないなら、10投稿にすればいい。そうすれば20ポイントになる。ものは、考えようだ。彼が言った投稿数には、シリーズ・単発含めた小説以外に「エッセイ」も入っている筈だ。世相批判なら、お手のものだぜ。

 ー完ー


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