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SFショートショート

絶滅動物博物館

「うわ〜、ティラノサウルスだあ!!」


 休日にふと思い立ち、子どもの頃には両親と、学生時代には恋人とよく行った博物館に足を運んだ私の耳に、子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきた。


 私が子どものときもそうだったが、やはりいつの時代も、どの世代であっても恐竜は人気であるらしい。


 いまはもうこの星を隅々まで探したとしても見ることの出来ない動物たちの在りし日を思いながら館内を歩いていると、見たことのない標本が目についた。


「ああ、そういえば絶滅しちゃったんだっけ」


 その生物は私たちの種族がこの星を訪れたときにはすでに絶滅しかかっていたらしい。痕跡を調べると、かつてはこの星で最も栄えた生物であったと言っても過言ではないほど繁栄していた動物だったようだ。


 しかしその動物もいまから数年前に最後の一匹が死に、絶滅してしまった。


 私たち以前にこの星の支配者となっていたその生物が、なぜ絶滅しかかっていたのかはいまでも分かっていない。

 だが、自分たちの文明では回復不可能なほどにこの星を傷つけたしっぺ返しを受けたのだというのが一般的な見方である。


 私はその標本の前で目を閉じて、かつてのこの星の王に黙祷を捧げる。


 標本の前に掲げられたプレートにはこう書かれていた。


『人間』

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