第141話 第7研究所で起きていること
「報告ですっ!、リッチェル様っ!。ミーズ・ニーズ教団の手の者と思われる侵入者達は第7研究所の区画へと逃げ込んだ模様ですっ!」
「第7研究所ですが……。それは少し厄介なことになりましたね」
「はい。第7研究所の区画内では未だ『ブラッディ・ティアーズ』の呪縛霊が暴走中であります。侵入者達を追う為には『ブラッディ・ティアーズ』を封じ込めている結界を解かなければなりませんが如何致しましょうか?」
「このまま侵入者達を放置し『ブラッディ・ティアーズ』に始末させるのも手ですが、万が一にも『ブラッディ・ティアーズ』が敵の返り討ちにあってしまって場合折角の強力な力を持った呪縛霊を失ってしまうことになります。一体どうすべきか……」
「報告がありますっ!、リッチェル様っ!」
「またですか……今度は何事です?」
「牢に閉じ込めていたクラース様が脱走した模様ですっ!。警備に当たらせていた者達も全員倒されており既に収容区画内を隈なく捜索いたしましたが何処にも姿が見当たりませんっ!」
「なんですと……KI……いえ。クラースの奴めがとことん我々の邪魔立てをしてくれる……」
「ミーズ・ニーズ教団の侵入者を追っているE&Cの死霊達をクラース様の捜索にも回しましょうか?」
「そうですね……いや。クラースの向かう先なら私に見当があります。ちょうど侵入者と裏切者の始末、そして暴走中の『ブラッディ・ティアーズ』の捕獲の全てを同時に済ませることができそうですしこの私自らが出向くことにしましょう」
「報告ですっ!、リッチェル様っ!」
「はぁ……これで3度目ですよ。何ですか……一体?」
「ウィンドベルの本部よりヴェンナ様、ヴェンツ様、トムクルズ様の3名様が先程こちらに到着されました」
「おおっ!、それはすぐにでもお出迎えせねばっ!。今すぐに客室とお三方をもてなす用意をなさいっ!」
「畏まりましたっ!」
第7研究所の区画内へと逃げ込んだ僕達に対しメノス・センテレオ教団の連中も対応を開始しようとしていた。
しかしながらそんな時にとある大事な来客があったようでこの施設の司令官と思われる人物はまずはその対応へと当たる。
僕達のいる第7研究所の区画内で暴走する呪縛霊より、そして司令官の人物より、今到着したばかりのその来客こそが僕達にとって一番の強敵となるのだった。