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第115話 大好きなガ〇ダムのように飛べっ!、パワーアップカニ人間っ!

 「よしっ……それじゃあいくよっ!、皆」


 「頑張れっ!、ウルカっ!」


 「頑張って下さいっ!、マス……ウルカ兄さんっ!」


 「(頑張るなの~、LA7-93)」


 「(頑張るなの~)」


 あれから1年が経過し、MR9ー72さんの手術を終えた僕は無事腕と背中、7つの鋏全ての開口部に『注射器魔法シリンジ』の魔法の注射器を結合した状態となっていた。


 現在は術後から3カ月が経過したところでようやく肉体との適合度が安全であるとされる80%を超え、これからいよいよ背中の6つの鋏の注射器を利用した僕の飛行訓練を開始するところだった。


 ダルカやアイシア達が僕に声援を送ってくれている。


 「現在ウルカ君の背中の6つの鋏の注射器には『エアラジン』という風属性の魔力と反応することで強烈な爆風を引き起こす物質がそれぞれ200トンずつ収容されています。君の『注射器の中の媒体(シリンジ・ミディアム)』の能力で上手く爆風を引き押し推進力として飛翔して下さい」


 「わ……分かった。うおぉ……ってうわぁぁぁぁぁーーーっ!」


 MR9ー72さんの指示に従って僕は背中の6つの鋏の注射器から爆風を引き起こす。


 しかし僕の体は空中へと舞い上がるどころか体勢を崩してしまい地面を擦りながら物凄い勢いで壁へと激突していってしまう。


 爆風を起こして推進力にすることはできたようだけどその制御に関してはまるでできていなかったようだ。


 「い……痛ててててっ……」


 「ウルカぁぁっ!」


 「大丈夫ですかっ!、マスターっ!」


 「う……うん……。取り敢えず生きてはいるよ」


 「『注射器魔法シリンジ』の魔法の注射器を使ったスラスター。そのそれぞれの出力のバランスと爆風の方向が悪かった為に体勢を崩してしまったのでしょう。最初の飛翔時は上部の出力をなるべく抑えて下さい」


 「か……簡単に言ってくれるけど中々制御が難しいよ、これは……」


 「後は滑走用のレール等があると良いかもしれません。水属性の魔法を得意とするあなたなら水流でレールの代わりとなるものを発生させられませんか?」


 「な……なる程。その水流のレールに乗って滑走していけば上手く空へと飛び立てるかもしれないってことだね」


 「(はい。あなた方が『地球』の世界で好んで見ていたガ〇ダムが出撃する時のような姿をイメージすると尚良いかもしれませんよ)」


 MR9ー72さんからのアドバイスを受けて僕は前方へと向けて流れる2本の水流を作り出しその上に足を乗せた。


 確かにこの水流に乗って勢いをつけていけば上手く飛び立つことができそうだ。


 「(お……おおっ!。これはまさに出撃前のガ〇ダムになった感じだ)」

 

 「どう?、ウルカ。今度は上手くいけそう?」


 「うん。これなら今度こそ上手く飛べ立てそうな気がするよ……ってそうだ」


 「(折角だから爆風を発生させる時の音もガ〇ダムの効果音《SE》に近づけてみよう。ついでに主題歌なんかも流したりすると余計気分が上がって上手くいきそうな気がするぞ)」


 「(あっ!。それならば私に任せて下さいっ!、マスターっ!)」


 「(了解。【転生マスター】でないウルカいるこの場で『地球』の世界の音楽を流すのは良くないから【転生マスター】のテレパシー内で頼むよ、アイシア)」


 「(畏まりました。ではいきます……。タラッタラッタタッタン~♪)」


 「(んん?。このイントロって……)」


 「(絡み合う熱の~♪)」


 「(ストォーープっ!。それってガ〇ダムS〇EDの主題歌のI〇VOKEじゃないかっ!。それはアイシアの好きなガ〇ダムの主題歌であってこの前の『地球』への転生の時に一緒に見漁ったんだから僕の好きなガ〇ダムもちゃんと覚えてるよねっ!)」


 「(す……すいません。折角だと思いつい自分の好みのガ〇ダムの曲を呟いてしまいました)」


 「(そういうことなら僕達に任せておくなの。僕達の細胞の力をLA7-93の好きなガ〇ダムの曲を完全再現して脳内に再生させてあげるからなの)」


 「(あげるからなの)」

 

 「(おおっ!、それは楽しみだな。是非お願いするよ、ベル、ベルル)」


 「(よしっ!、それじゃあいくよなの~……燃え上れ~、燃え上……)」


 「(ストォーープっ!。それは初代ガ〇ダムの主題歌でしょっ!。僕が好きなのはガ〇ダムウ〇ングっ!。皆分かっててわざとやってるでしょっ!)」


 「(はははっ!、ごめんなの。次はちゃんとガ〇ダムウ〇ングの後期の主題歌を流してあげるから気合を入れるなの)」


 「(気合を入れるなの)」


 「(よーし……)」


 「(タララタッラ~、タララ~……I JUST RYTHM EMOTION~♪)」


 ベル達が脳内でガ〇ダムウ〇ングの後期の主題歌、R〇THM EMOTION流してくれると共に僕は再び背中の6つの注射器をスラスターとして点火する。


 青白い爆風を巻き起こすと共に推進力を得た僕の体は水流のレールの上を次第にスピードを上げながら進んで行く。


 そして少し上を向いて水流が途切れた先へと投げ出された僕の体は優雅な鳥のように大空へと舞い上がっていった。


 「宇おぉぉぉーーーっ!。本当に空を飛んでるよっ!、僕っ!」


 「受かられていないで飛行中の体の制御に専念して下さいっ!、ウルカ君っ!。まずは背中の鋏の向きを変えてその場で旋回をしてみて下さいっ!」


 「りょ……了解っ!」


 MR9ー72さんに促され僕はスラスターの出力を上手く調整しながら背中の鋏を巧みに動かしその場で上空を何度も旋回していく。


 僕の背中の鋏の肢の節は非常に柔らかく細かく分かれていて鋏を360度好きな方向へと向けることが可能だ。


 スラスターの出力の扱いにも慣れて速度の調整もできるようになり、鋏の向きを柔軟に変えて旋回するだけでなく前後左右上下まで自在に動き回れるようになった。


 更には停止飛行ホバリングまでできるようになり僕は自慢げな表情でゆっくりと皆の元へと降りて行った。


 「凄いじゃないかっ!、ウルカっ!。もう鳥なんかよりよっぽど自由に空を飛び回っているよっ!」


 「ダルカ兄さんの言う通りっ!。流石はウルカ兄さんですっ!」


 「へへへっ。本当に夢だったガ〇ダ……じゃなかった。鳥になったみたいで空を飛ぶのは最高に気持ち良かったよ。僕にこんな素敵な力を授けてくれてありがとう、ベルモンデスさんっ!」


 「まだまだこの程度ではメノス・センテレオ教団には太刀打ちできませんし礼を言うの早いですよ。次は右腕の注射器を使った『水撃ストリーム』の魔法の訓練を行いましょう。敵に打ち勝つには空を飛ぶだけでなくやはり強力な攻撃手段が必要となりますからね」


 「分かったっ!」


 空を飛べたことに慢心せず僕は引き続き今度は鋏に連結した注射器を利用した『水撃ストリーム』の魔法の訓練を行っていく。


 まだ実戦の経験はないけれど僕はまだ4歳になったばかりのこの時点で前回の転生であった最終的なヴァン・サンクカルトの実力を遥かに上回っているという実感があった。


 訓練の成果もあってか前回の転生で僕に植え付けられたトラウマは少しずつ払拭され、打倒『味噌焼きおにぎり』の連中の為に闘志を燃やすポジティブなものへと変わっていく。


 大事なソウルメイトであるRE5-87君に僕自身を殺させた憎きアズール・コンティノアールことSALE-99。


 訓練の間中奴を打ちのめすシーンのイメージがずっと僕の脳内で流れ続けていた。

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