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天真爛漫おてんば娘は異世界を自由気ままに満喫したい  作者: cvおるたん塩
第一章 貴族の生活編
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1話 魔法のお勉強

無詠唱が一番!

 あれから六年、今日でちょうど六歳だ。

この六年で、私がグラディオン王国の侯爵家—エイオス家—の令嬢という事はわかった。そして去年から、あの時私に微笑みかけてきたメイド、セナからいろいろと教育されている。貴族の娘なので、それはもういろいろと教えられている。何とか覚えられてはいるが、正直もう嫌だ。この世界のことを学ぶのはまあラノベを読むような感覚で楽しくはあるが、礼儀作法なんて気にするのも嫌だ。前世の私が六歳のころなんて小学校に言っているとき以外は宿題してあとはずっと遊んでた記憶しかない。こんな英才教育なんて受けた覚え全くないよ。


 しかし、今日は休み。ゆっくりするぞ!


 とはいえ、この世界は娯楽が少なすぎる。多少は金があるから今のところは問題ないが、本は自分で買うとなると結構な値段だ。当然電子書籍なんてものはないし、ゲーム機も存在しない。休みとはいえ、意外と暇だ。やることと言えば、結局は勉強するしかない。


 さて、今日は何をしようか。


 そう言えばあまり気にしていなかったけど、この世界にも魔法というものはあるのだろうか。こういうところについては特に学んでいないし、どうせ暇ならそういうことの勉強をしてもいいかもしれない。


 とはいえ、何で勉強しよう。


 セナには休みの日は一人でゆっくりしたいと言っているから今はいない。かといって、独学で学ぶための資料もない。あったとしてもどこにあるかわからない。さすがにこんな広い屋敷の中で探す気にもならないしね。


「はぁ……」


 と、ため息をつきながら庭を眺めていると、面白いものを見つけた。

 セナが庭の花に水をやっているのだが、どうも手のひらから水が出ているように見える。これこそ魔法なのでは?

 となれば、さっそく聞きに行くしかあるまい。


「あらお嬢様、何か御用ですか?」

「今魔法使ってたよね⁉」

「はい、水魔法を使用していました」

「教えて!」

「勉強熱心なのですね。もちろんいいですよ。では、私の得意な水魔法を」


 そう言い、セナは改めて花に手を向けた。そして、特に詠唱をすることもなく、水を生成した。どうやら詠唱は必要ないようだ。


「まずこれは水魔法の基礎、水の生成です」


 無詠唱となると、さすがに見て真似るという事は出来ない。水を生成したイメージはできるのだが、する過程のイメージすらつかない。


「さすがにこれを見よう見まねで再現するのは不可能です。まずは集中して、自分の中に流れる魔力に意識を向けてください」


 自分の中に流れる魔力か。血と同じようなイメージなのか、それとも別として流れているのか。そもそも魔力というのはどこから湧いているのだろうか。魔力を生成、制御する基幹でもあるのだろうか。まあそんなことを考えてもどうにもならなそうだ。まずは直感。


「おわっ」


 集中してみたら、案外あっさり分かった。魔力を持っているからなのか、簡単に自分の魔力を察知することができた。まだまだ大雑把だが、身体の周りを漂っているのはわかった。


「そして、その魔力が水に代わるところを想像してください」


 魔力が水に代わるところか。目を瞑ってしばらくイメージしてみる。魔力が水……こうかな?


「惜しいです。それは魔力の塊ですね。しかし、それができたならあと一歩です」


 残念、違うようだ。なら、この魔力の塊が水になるところを想像すればできるだろうか。まあそれができないから失敗したわけだが。


「そうですね……その手元の魔力の塊が水になるところを想像してみてください。シンプルに、ただそこに水があると」


 ただそこに水がある。私の手元に、魔力の塊ではなく水があると。


「イメージの中にあるその魔力を水に置き換えてみてください」


 水に置き換えるか。すでに魔力があるという前提があるせいで少しイメージしずらいが、こんな感じだろうか?


「おめでとうございます、お嬢様」


 目を開いて手元を見ると、水の玉がぷかぷかと浮いていた。


「お、できてる!」


 しかし、成功して気が緩むと、その水の球はすぐに崩れた。


「はじめは明確なイメージを持っていないと維持も難しいです。しかし、慣れれば簡単に維持したり、こういう風に——」


 セナは水の玉を変形させ、ウサギの形に変化させた。


「ウサギも作れます。あとは水の球を沢山生成したり、こうして如雨露のように使うことも」

「うわー、すごい!」


 これくらいはなれれば誰でもという雰囲気で言っているが、これは普通にセナがすごいだけなのでは。というか、会話しながらどうやって魔法を使っているのだろうか。やはり感覚を覚えたら楽になるものなのか。


「まずはその水の球を維持させる練習、そしてそれができるようになったら水を雨のように生成して降らせる練習。それができるようになったら今度は水で壁を創ったり、剣を創ったりすとそのうち使いこなせるようになります」


 とにかく地道にやれという事か。まずはセナの言う通り、雨のように——如雨露で花に水をやるように水を生成してみよう。

 細かい水がこんな感じで——


「お嬢様、流れている一瞬ではなく、流れるところをイメージしてみてください」

「はい……」


 イメージはあっていたのだが、少しずれていたようだ。生成した水が完全に固定されていた。

 流れるように、つまりそのまま如雨露から出る水をイメージすればよかったのか。少々難しく考えすぎていたかもしれない。ただ、イメージはできるが、魔力で創った水が流れるシーンがなかなか想像できない。


「うーん、ちょっと難しいかも……」

「まあこの程度の説明ではむしろそうやって生成できるだけでもすごいですからね。魔法理論はまだ難しいかもしれませんが、明日から詳しく勉強しましょうか」

「うん、やりたい!」

「わかりました。では準備しておきます。それと、イメージするとき、なぜそうなるのかというところまで考えるとやりやすくなりますよ」


 なるほど、過程もしっかりイメージするわけか。酸素と水素が、というところまではいかなくていいか。シャワーやホースを魔法で再現するというのが考えやすいな。しかし、やはりそれを魔力でというところが鬼門だ。コツコツやるしかないようだ。


こうしたほうが読みやすいなどあれば

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