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天真爛漫おてんば娘は異世界を自由気ままに満喫したい  作者: cvおるたん塩
第一章 貴族の生活編
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プロローグ

書き始めました。

裏で描き進めてる感じなので思い出した時に更新していきます。

 真夜中。

 地面が割れるような轟音と、物が倒れる音で目を覚ました。


「地震じゃん……」


 地震自体はよくあることだが、こんなに揺れるのは珍しい。危ないし、とりあえず安全そうなところに逃げよう。

 そう思い、身体を起こそうとしたとき、本棚が動いた。


「あ——」


 これはまずい、なんて思った時には、すでに下敷きになっていた。


 

 下敷きになってどれくらいの時間が過ぎただろうか。一人暮らしなので様子を見に来る人もいないし、何とか自力で出るしかないのか? 本棚を動かせるほどの力はないけど、起き上がってみよう——


「……あぅ」

「シエラ、パパだぞー」


 シエラ、誰のことだ? 私は一人暮らしだし、父が私に大してパパなんて言った記憶はない。というかこの目の前の二人はいったい誰なんだ。そもそも私はいったい今どうなっているのだろう。さっきまで本棚に押しつぶされていた。そして、今は知らない女性に抱っこされ、知らない男性に「パパだぞー」と猫なで声で言われている。夢——ではなさそうだ。


「ぱあ?」


 うわっ、なんかうまくしゃべれない。まるで赤ちゃんだ。


「クリスティア、聞いたか⁉ 今パパって!」

「うふふ、覚えるのが早いわね、シエラ」


 完全に理解してしまった。私、この二人の子供だ。ということは、さっき本棚に押しつぶされて死んだのか。ああ、もっとやりたいこととかあったのに。読んでない本もクリアしてないゲームもたくさん残っている。けど、いざ死んでみるとなんだかそういうことに対する感情が余り湧いてこないな。何かが抜け落ちている感じがする。


「そうだ、皆にもシエラのことを紹介しないとね」


 みんなにもって、さっそく外出なの?


「ご出産、おめでとうございます」


 そう言うわけではなかった。

 メイド服を着ているが、コスプレ……ではなさそうだ。どう見てもメイド喫茶じゃないしな。


「初めまして、お嬢様」


 メイド服の可愛い女の子が、私の近くに来て微笑みながら言った。メイドに、ママは奥様なんて呼ばれていて、私はお嬢様。貴族か何かですか?

 そう言えばさっきいた部屋、天蓋付きベッドがあったし、両親はまさに貴族といった格好をしている。そういえばここも家というよりテーマパーク内の施設という大きさだ。まだ自分では自由に動けないが、そのうち動けるようになったら見て回りたいな。


「あらあら、シエラはもうおねむなの?」


 確かに、考えていたら眠くなってきた。もうちょっとこの可愛いメイドたちを眺めていたいが、好きな時に眠れるうちは眠っておこう。



※ ※ ※



 あれから——私が生まれてから数日、毎日ママのクリスティアとパパのエムロス、メイドのセナに見守られながら、幸せに暮らしている。ちなみに、セナはあの時微笑みかけてきたメイドさんだ。

 前世の記憶が一部曖昧で、自分の名前や家族など思い出せないが、まあ別に支障はないだろう。まだここがどこかはよくわからないが、仮に異世界だとしても、前世のゲームの記憶は残っているし問題なく生活できるだろう。この世界の事だってこれから学んでいけば問題ないしな。


 しかし、未だ引っかかっていることがある。

 感情が薄れたのかただ前世にそれほど未練がなかったのか、死んだことに対して何も思わなかったのだ。あの時にも感じた「何か抜けている」という感覚。普段気になる事はないが、前世の——特に死ぬ直前のことを思い出すと虚しくなる。

 まだこの世界になれたわけでもないので、どうしてもそのことを考えてしまう。

 あまり、考えたくはないけど……。


 ママもパパも、セナだって恐らく気付いていないだろうが、私が泣くときは大体おなかすいたとかそう言う子供らしい理由以上にそうやって死んだときのことを考えたときだ。虚しすぎてどうも涙が出てしまう。幼いからなのか、感情が抑えられない。だめだ、また……。


「奥様、お嬢様が泣くとき寂しそうに見えるのですが……」


 セナが私を抱っこしてあやしながらママに告げた。寂しいというか、虚しいだけど。


「何かあるのかしら……」


 ぜひとも相談したいが、実は転生者でしたなんて言えるわけがない。そもそもうまく喋れないし。今のところは時が経って慣れるしかないか……。考えないようにしてもどうしてもふと頭によぎってしまうし。

 何とかならないものか。

 今はセナやママに抱っこされていれば落ち着くけど、これが何年も続くと困る。小学生低学年くらいの年齢ならまだしも十代になってまでママに甘えるなんて出来ないからね。

 そもそも根本的にどうにか解決するか、親やメイド以外の頼れる存在を見つけたほうがよさそうだ。

 でも、今はまだ生まれて間もないのでママとセナにたっぷり甘える。パパは……そもそも毎日のように甘やかしてくるからね。鬱陶しいくらいに。

読んでいただきありがとうございます。

書いてて自分でも訳が分からなくなることがあるので、年齢や設定で矛盾があるかもしれませんが、そういうのを見つけたらやんわりと指摘していただけると嬉しいです。

今度こそちゃんとなろうで完結させられるように頑張ります。 

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