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乃愛と、旅行 ⑥


 乃愛にマッサージをしてもらった後、旅館の夕食を食べた。

 こういう旅館の料理って、本当に美味しい。しゃぶしゃぶも美味しくて思わず頬が緩んだ。乃愛も美味しそうに夕食を食べている。



「博人、旅行って楽しいね」

「うん。楽しい」

「明日は神社とか見て回るんだよね?」

「うん、そうだよ」


 そう言う会話をしながら食事をとった。


 あと今日撮った写真に関して確認をしたりもした。何だか乃愛は僕の写真を撮りすぎだと思った。後から母さんと父さんに見せるつもりらしい。

 クラスメイトたちにも自慢して見せるとか言い出したのは流石に止めた。



 だって乃愛が僕に引っ付いている写真とかもあるのだ。あとは乃愛が僕の写真を撮りすぎているので、そのことも含めてクラスメイトから生暖かい視線を向けられそうで僕は恥ずかしい思いをする予感しかしない。

 乃愛って周りのことをどうでもいいと思っているから全然そういうのを恥ずかしがったりもしないんだよなぁ。




「ねぇねぇ、博人、お風呂入ろうよー」

「……一人で入ってきて。何で僕も一緒に入る風に誘っているの?」



 ご飯を食べた後、乃愛に誘われたがそう言っておく。



 母さんが折角二人旅なんだからと奮発してくれて、露天風呂付の宿である。とはいえ、別にもう一つ普通の風呂もついている。

 乃愛は僕と入りたそうにしているが、流石にそれは……と僕はなっている。


 乃愛は僕の言葉に不満そうである。



「なんでー? 折角一緒の部屋だよ?」

「何でも何も駄目だよ。一人で入ってきて」

「博人が一緒じゃないのならば入らなくてもいいかな。別にお風呂って入らなくてもいいし」

「折角だから入ったら?」


 神様である乃愛はお風呂になんてつからなくても身体を清潔にぐらいは保てるだろうが、折角なのでそう進めておく。そしたら「博人が言うなら」って乃愛はその場で服を脱ぎ始めたって……僕の目の前で堂々と脱がないでほしい。


 脱ぎ始めた乃愛に背中を向ける。

 乃愛は「見てもいいよー?」と言っているが、見ないよ。



 そのまま乃愛は窓の外の露天風呂に浸かりにいったので僕は布団で寝転がる。乃愛にマッサージもしてもらったけれど、やはり日頃の運動不足なのかそこそこ疲れ気味である。

 寝転がりながらスマホを見る。


 母さんから連絡が来ていたので、楽しんでいる旨を伝える。基本的にそこまでクラスメイトとも親しくしていない僕なので、家族からぐらいしか連絡は来ていない。


 のんびりしていると、乃愛が上がってきた。旅館で用意されていた服に乃愛は着替えている。





「博人も入ってきたら?」

 


 そんな風に声をかけられ、僕も入ることにする。乃愛が割り込んできそうだったのでそれは拒否した。本当に乃愛は僕に裸を見せるのも躊躇わなすぎだと思う。もう少し躊躇してほしい。こういうのって女性の方が恥ずかしがる方じゃないの? って思う。



 それにしてもこういう家とは違う場所で露天風呂に入るのって何だか楽しい。

 帰宅したらこういうお金のかかる所に泊らせてくれた両親に感謝しておかないと。




 露天風呂から上がると、にこにことした乃愛が僕を見ている。何だかとっても楽しそうだ。


 そういえば流石に同じ布団ではなく、二つ並べているわけだが、近くない? そんなにぺたっとくっつかなくていいと思うのだけど。

 でも乃愛はひっつけておきたいらしい。

 僕が寝転がってスマホを見ているのをただじーっとにこにこしながら見ているし。



「……乃愛、じっと見すぎじゃない?」

「博人とこうやって至近距離で布団並べて寝るの楽しい!」

「そう、良かったね」

「うん。家だと、一緒の部屋で寝てないでしょ。博人と一緒だと楽しいなって。ね、戻ったら博人の部屋で寝泊まりしていい?」

「駄目に決まってるじゃん。今回は旅行だから特別に同じ部屋にしてるだけだよ」


 そう言ったらむーっとした顔をされた。



 あと乃愛はクラが居ないのも嬉しいらしい。まぁ、僕の家だとクラも結構僕と乃愛の間に割り込んできたりしているからなぁ。

 


 それにしても結構歩き回ったからか僕は眠くなってきた。

 少しうとうとしてしまう。



「博人、もう寝るの?」

「うん。ちょっと僕は運動不足過ぎてもう眠い」

「じゃあ私も寝ようかな」

「乃愛は起きておきたいなら起きてていいよ。というか、寝なくてもいいんだよね?」

「そうだけど、博人が寝るなら一緒に寝るの!!」



 乃愛がそう言いだしたので、部屋の電気を消した。

 それにしても今日は色々と見て回れて楽しかった。明日も行ったことがない場所を見て回れると思うと結構楽しみだ。




「おやすみ、乃愛」

「うん、おやすみ、博人」




 そしておやすみと互いにいい合って、僕たちは眠りに付く。

 僕はその後すぐに眠りの世界へと旅立ってしまったのであった。







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