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夏休みに突入 ⑤




 乃愛と一緒に海に行った後も夏休みは続いている。

 僕は勉強をしたり、ゲームをしたり、本を読んだりと、一度目の高校二年生の夏休みとそこまで変わらない日々を送っている。




「ねぇねぇ、博人ー」

「……乃愛、離れて」


 最ものんびりと一人で色々やっていたら、乃愛にくっつかれてしまい、一度目との明確な違いを感じているけれども。





「海以外にも出かけようよ。私、博人と一緒に出掛けたい場所、沢山あるの!」

「……えーと、何処に行きたいの?」



 乃愛は、夏休みに行きたい場所を幾つもピックアップしているらしい。

 



「うーん、色々! あのね、祭りってのとか行きたい! あとかき氷とか食べたりとか」

「祭りは開催時期じゃないといけないけれど、かき氷とか夏らしいものは食べられるね。どっか食べに行く?」

「本当? 行く!!」



 海に行った時には、海の家でや焼きそばを食べたりはしたけれども、夏らしい食べ物って沢山あるから色々食べてもいいかもしれない。



 丁度お腹もすいてきたので、気晴らしに出かけることにする。

 ついでに一度目の高校二年生でも購入していた本を、また今回も買いたいし。一度読んだものだけれども、好きなものは部屋に置いときたい。




 母さんに乃愛とご飯を食べに行こうかなと声をかければお小遣いをくれた。

 ご飯代と、買い物代としてくれたお小遣い。まぁ、僕自身が稼いだお金なわけじゃないから、あまり使い過ぎないようにしなければならないけれど。





 ちなみに僕がお小遣いをもらっている間に乃愛は、お出かけ用に着替えに行っている。乃愛もこの世界にやってきて色々洋服も購入している。漫画や雑誌などを興味津々で読んでいるみたいだし。


 着替えてきた乃愛は、ワンピースを身にまとっている。白いレースのあしらわれたは何だか清楚な雰囲気を見るものに与える。乃愛は日焼けはしないけれど、母さんに麦わら帽子を渡されていた。

 


 乃愛は僕とお出かけ出来るのが楽しいらしく、にこにこしている。何だか、クラに「博人とお出かけ出来るんだよ。羨ましいでしょ?」なんてなぜか言ってた。

 黒猫に言ったところでどうもならないと思うけれど……。




 外に出ると、乃愛が僕と手を繋ぐ。……夏だから僕暑いんだけど。あと汗つくけどいいの?

 僕が手を離そうとすると乃愛は嫌がっているし、まぁいいかと僕はされるがままである。手を繋いでいるのが嬉しいからめちゃくちゃ手を振ってるし。うん、ご機嫌だ。

 


 ただご飯食べたり、本屋行くだけなんだけど……。







「そういえば、博人、『勇者』は異世界にいったりこっちで遊んだり色々しているってお姉ちゃんが言ってたよ」

「へぇー」

「お姉ちゃんも一回は一緒に遊んだらしいよ」



 ……あの女神様、本当に杉山のことを気に入っているなぁ。などと乃愛の言葉を聞きながら思った。




 ああいうハーレム作っているような存在だと、夏休みとか開けたらもっとハーレム増えてそうなイメージ。二学期も僕は杉山に関わる気はないし、スルーするつもりしかないけれども、それでも驚くべき状況になっていたりするのだろうか。



 そんなことを考えていたら、ファミレスにたどり着いた。

 僕が大人だったらもっと良い所でご飯とか食べるかもだけど、学生なので普通にファミレスである。




 ファミレスには、前にも来たことがあるけれど夏のメニューに変わっているから僕も何を食べようかと楽しみだ。



 

 ファミレスでメニューを見ていたら、クラスメイトに話しかけられる。あまり話したことのないクラスメイトである。男子生徒三人で来ていたらしく、僕が乃愛と一緒にいるのを見て何だか悔しそうな顔をしている。




「俺も彼女が欲しい!」

「……いや、乃愛は彼女ってわけじゃないけど」

「え」



 別に乃愛はそういう恋人ってわけではない。だから恋人がほしいって目で見られても……って思ってしまう。

 何だか驚愕した目で見られているけど事実なものは事実である。


 大体乃愛は僕が思ったよりも僕に飽きずに傍にいるけれど、いつ飽きるか本当に分からないし。





 その後、クラスメイトたちが去っていった後、僕と乃愛は食事を注文する。



 とりあえず僕は冷やし中華を頼んだ。何だか乃愛も同じものを食べるとかいって注文していた。それにしても冷やし中華って美味しいんだよな。僕は結構好きだ。




 冷やし中華はがっつりした食事でもないから、かき氷とかアイスとかも食べられるだろう。





 冷やし中華が持ってこられるまでの間にドリンクバーで飲み物を注ぐ。乃愛は面白がって色々混ぜていた。僕は普通にジュースを飲む。



 それにしても夏休みのファミレスだと結構お客さんが多いなぁ。走り回ろうとして親に留められている子供を見かける。あとは学生も当然多い。





「小さな子供は、よく泣くね」

「まぁ、子供は泣くものだよ。僕も親戚の子が大泣きしている場に遭遇したことあるし」

「親戚?」

「うん。少し離れた場所に住んでいるけど、小さな子がいるんだよ」



 というか、乃愛は親戚に会ったことないのか。まぁ、夏休みだからそのうちうちの家にきそうだけど。




 


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― 新着の感想 ―
[一言] こういう異世界関係の異常を第三者視点から見る作品って中々無いので更新楽しみです
[一言] 手を繋いでる男女で恋人じゃないって言われたら驚きますよね。 更新お疲れ様です。応援してます。
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