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夏休みに突入 ①

 夏休みに突入した。

 僕の日常はこれといって変わっていない。




 相変わらずのんびりと学園生活を送っているだけだ。杉山たちが異世界に向かうというそういう話をしていた。杉山は声が大きいから、何をしようとしているのか丸わかりだった。


 うん、とりあえず杉山たちは異世界にも行くが、地球の海水浴にも行くらしいことが分かったのでその海水浴場にだけは絶対に行かないことを決めた。だって絶対に、杉山は色んなことを引き寄せるから。




「夏休みって、煩わしい人間たちと会うこともしなくて良くて博人とずっと一緒に入れて、博人に色んな場所につっれていってもらえると思うと楽しいね」

「……乃愛、まだ僕、どこも連れてってなくて元気に引き籠っているんだけど」




 乃愛はにこにこしているが、夏休みが始まって早数日。まだどこにもでかけてない。僕は大人しく宿題をしているぐらいである。僕も来年受験を控えているし、宿題以外にも勉強に励んでいるわけだけど。



 乃愛にも真面目に勉強するようにいったら真面目にやっているけれど……乃愛って単純に記憶力もいいし、頭もよくて、何でも簡単にこなしていた。乃愛って本当になんでもこなせるなと思った。

 というか、僕が宿題を悩んでいる様子を見ながら何だか楽しそうだし。僕がただ普通に過ごしているのを見ていて何が楽しいのかはいまいち分からない。



「でも連れてってくれるんでしょ? 海にも行くし、他の所にも連れて行ってくれるんでしょ? 夏らしいもの沢山経験したいから。そうめん流しとかもしようね!」

「はいはい」



 僕は宿題に必死なので、結構適当に返事を返したけれど乃愛はそれでもにこにこと笑っている。



 そういえば夏休みに入ってから本当に乃愛はずっと僕の傍に居る感じである。……乃愛は異世界の神様で、僕を簡単に殺せる力を持っているけど、まぁ、乃愛は僕が適当に返事を返していても笑っているだけだろうけれど。



 ただ乃愛はあの小さな異種族たちに乃愛は接触してくれていた。

 そして情報を聞き出してきた。



 あの小さな生物たちは、異世界でか弱い存在らしく、異世界で強者たちにつぶされそうによくなるらしい。種族として滅亡においやられる恐れのある彼らは、地球という異世界があることを知って、危険な生物のあまりいない此処へやってきたのだという。

 異世界は魔物が沢山いるって話だし、そりゃあこっちの方が危険はないのは当然だよね。



 あとあの異種族たちは、自然にあふれる気のようなものを食べたり、植物を食べたりするらしく、この世界の生物たちを食べつくすということはないようだ。なら、まぁ、環境問題にも問題ないし、いいのでは? とは思う。

 というか、異世界のものはこの世界の人たちに気づかれないように常識改変されているわけだけど、あの小さな生物たちがずっとこの世界に居座るならその常識改変ってどういう風になるんだろうか?




 そのあたりは女神様に確認してもらった方がいいのかな。あの女神様って杉山が生きやすいようにとそういう風にしているから、そこまで考えてなさそうな気がする。

 ……あの小さな生物たちを女神様や杉山たちがどうするか分からないけれど、まぁ、それは僕にとっては関係のないことだ。




「とりあえず海だよね。博人と一緒に海に行けるんだよね。楽しみー!!」

「母さんたちも一緒だけどな」

「それでも楽しみなの!」



 車を母さん達に出してもらって海に行くことにしている。

 電車などでも海には行けるけれど、車で行った方がいきやすいから。





 海に行くのも久しぶりだな。子供の頃以来かもしれない。僕はすっかりインドア派で、あまり外に出なくなっていたので、海にわざわざ行こうとしていなかったし。





「博人、海で何か危険があっても私がどうにかするからね!」

「……多分そんなに危険はないと思うけれど」

「この世界にそういう危険な魔物がいなかったとしても、自然の力っていうのは侮れないよ。私は博人に危険があるの嫌だもの。博人はか弱いからね」




 か弱いなどと言われて何とも言えない気持ちになるが、事実なので受け入れる。僕は乃愛に比べたらびっくりするぐらい弱いし。




 それにしても海かぁ。

 普通に海で遊んで終わりで終わればいいって思っているけれど、それで終わるものなんだろうか?

 普通に過ぎてほしいけれど、異世界からの来訪者が色々いたりとか、乃愛がいたりするわけだからどうなるかな。




「博人、不安?」

「……ちょっと。何か面倒なのいなきゃいいなと」



 どちらにせよ、何がいようとも僕はスルーするだけなのだけだ。でもあまりにも驚くようなものがうろうろしていたら僕も反応しそうになるだろう。

 時間が巻き戻ってから、僕のスルースキルは磨かれていて、魔物がいようが、杉山たちが好き勝手していようが、魔法を使っていようがスルーしている。しかし出来ればそういうスルーする物がない方が嬉しい。


 ……この前なんて模擬戦みたいなのを杉山たちが目に見えぬ速さでしていて、そんなことを人がいる場所でするなと思ったものである。




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