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アルバイトとホワイトデーのプレゼントと、衝撃 ①




 僕は最近アルバイトをしている。

 というのも乃愛へのホワイトデーのプレゼントの購入費を買うためと、あとは自分の趣味に使うためである。



 乃愛は僕がホワイトデーのお返しのためにアルバイトを始めたことが嬉しいのかにこにこしていた。

 相変わらず乃愛はアルバイト先まで僕を送り迎えしようとする。ちょっと恥ずかしいので、アルバイトの時に毎回は遠慮している。とはいえ、乃愛が「博人と一緒がいい」などと口にして結構ついてくるから今回のアルバイト先にも乃愛の存在はすっかり周知されている。


 寧ろどこでも僕と乃愛はセットと認定されているようである。

 ……常識改変されているとはいえ、乃愛はGW頃に僕の幼馴染になったから……数か月? それですっかりセット認定されているのも何だか不思議な話だよなぁとは思っている。



 一度目の高校二年生の時は、乃愛が居なかったし、バレンタインの時は誰にももらうこともなかったし。此処までアルバイトもしてなかったなぁなんて思いながらアルバイトの業務をこなす。

 短期間の接客のアルバイトをする。放課後と土日に少し働いているだけだからそこまで稼げるわけではないけれど……、自分の手でお金を稼ぐというのは結構嬉しい事だなとは思っている。





「薄井君、乃愛ちゃんへのホワイトデー買うのよね? 何買うか決めてる?」

「いえ」

「乃愛ちゃんなら薄井君からのものなら何でも喜びそうだけど、ちゃんと選んであげた方がいいわよ」



 アルバイト先の先輩にそんなことを言われた。



 女性の先輩なのだが、なぜか時々やってくる乃愛と仲良くなっている。ちなみに乃愛が威嚇しているのもあり、アルバイト先の人たちも乃愛を敵に回さないようにはしているらしい。



 ……異世界での神としての力は使っていないはずだけど、それでも乃愛は何というか強いと思う。



 僕はアルバイトを終えた後に、乃愛へとホワイトデーに渡すものを選ぶためにショッピングセンターにきている。乃愛には何日かにかけて乃愛へとホワイトデーのプレゼントを選ぶから迎えはいらないとはいってある。……というか、本人の前でそういうの選ぶのもなんか恥ずかしいし。



 クリスマスの時にはネックレスを渡したけれど、ホワイトデーには何をあげようか?

 バレンタインが終わるとすっかりショッピングセンターなどもホワイトデーのコーナーが出来ている。



 本当に乃愛は僕があげたものだとなんでも喜びそうだけど……、でも何がいいだろうか?



 バレンタインには沢山チョコレートをもらったしなぁ。

 正直僕は女の子にホワイトデーに何かをあげたりもしたことが全然ないので、何をあげたらいいだろうかと悩んでしまう。




 お菓子とかでも乃愛は喜んで受け取りはするだろうけれど、本来乃愛は神様だから食事をとる必要もない。食事に対する思い入れもそんなにあるわけでもない。乃愛がもっと喜ぶものの方がいいだろうし。

 アクセサリーを渡すか。それとも乃愛は漫画とかも楽しんでるからそれ系統?


 そんなことを考えながらぶらぶらと歩く。



 ホワイトデーのコーナーには色んなものがおかれていて、どれを買うか本当に悩むんだよな。

 バックとか? ハンカチとか? そう言うのでもいい気がするけれども……。



 悩んだ僕はその日には乃愛へのホワイトデーのプレゼントは決められなかった。

 家に帰ってから、乃愛にもっとじっくり決めるからまだ買えてないことを言えば、「じっくり選んでくれてるんだね」とにこにこ笑っていた。乃愛は僕がプレゼントを悩みながら選んでいることが嬉しいみたいだ。

 そういう笑みを浮かべられると、本当にちゃんと選ばなきゃなと思った。



 また別の日は違うお店に向かった。

 乃愛へ何をあげようかと色々考えて最近の僕は少しだけ遅く帰っている。



 それにしても僕は乃愛のプレゼントを選ぶだけでこんなに悩んで大変なので、沢山バレンタインもらう人はもっと大変だろうなと思う。でもまぁ、これは特別な相手だから悩むだけで異性にモテて沢山もらう人はまとめてホワイトデーを渡すのかもしれないけれど。





 結局何日も悩んで、ホワイトデーのお返しが準備出来たのはホワイトデーの少し前ぐらいだった。

 終業式がホワイトデーの少し前にあるのだけど、その前にはお返しを準備出来て良かったと思った。




 帰宅した後に、乃愛に見られないように隠さないと。

 そんなことを考えながら歩いていれば――、何だか大きな音が聞こえてきた。




 ……異世界関連かな?

 というか異世界関連じゃなくてこれだけ大きな音が鳴っていたら逆に僕は驚く。それはそれで大事件だしなぁ。



 あの悪魔っぽい人達が何か起こしているのだろうか?

 それとも魔物かなにかと戦っているのだろうか。



 何にせよ、今は乃愛が隣に居ない。

 そんな状況で訳の分からない異世界関連に関わってしまえば、僕は無事でいられる保証はない。



 さっさと帰ろうと僕は決意する。




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