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乃愛とのクリスマス ②




 クリスマスイブが明け、クリスマス当日。

 目が覚めると、乃愛がベッドの中に潜り込んでいた。そんなに引っ付かれると、普通に健全な男としては落ち着かない。




「乃愛」

「博人、おはよー! 今日はデートだよ!」

「ええと、それはいいけど何で潜り込んでいるの?」

「博人を今日は一日独り占めDAYだから。朝から博人の傍にいるの」

「……とりあえず離れようね」

「えー? もっとくっついてちゃ駄目?」

「うん」


 僕が頷いたら乃愛が渋々と言った様子で布団から出た。

 



「博人、今日はお出かけだからね!」

「うん、わかってるけどイルミネーション見に行くならもうちょっと寝ててもいいのでは」

「んー。じゃあ一緒に寝る」

「じゃあ起きる」

「なんで?」

「乃愛と一緒に寝るのはちょっと」

「いい加減博人も諦めようよー」



 笑いながら言う乃愛を見ていると、僕はいつか乃愛に押し切られて一緒に寝ることになりそうな気もする。僕は自分から許可する気は現状ないけれど。




 とりあえず起きたら昨日の残りを朝ごはんとして食べる。昨日の分が結構大量に作ってあるから今日の分までそれを食べれそうなのだ。


 今日は昼過ぎぐらいから出かけてご飯を食べて、あとは乃愛が見つけたというクリスマスのお勧めスポットを見て回って、夜はイルミネーションを見て回って、そしえ帰宅する予定になっている。

 僕が社会人だったら夜もどこかで食べてくるというのもあったかもしれないけれど、まだ高校生なのでそんなに夜遅くまで出かける予定はない。







「博人、出かけるまで特番見る?」

「うん」


 乃愛は僕の言葉にテレビをつけてぽちぽちとチャンネルを変えていく。そして旅行番組を見つけて乃愛がそれを見始める。


 乃愛は僕との旅行がよっぽど楽しかったらしく、次は何処に行こうかななどと沢山選んでいるようである。そんなに色んな所に行けるか分からないけれど、何処に行きたいとか、そういう話をするのは結構楽しいものである。



 ソファに座ってテレビを見ていると、少しだけ眠気も襲ってくる。




「博人、眠いなら寄りかかって寝ててもいいよ。出かける時起こすし」

「……うん」



 眠くなった僕はソファに寄りかかって、瞳を閉じる。



「ソファじゃなくて私に寄りかかればいいのに!」


 などと乃愛が不満そうな声をあげていた。



 少しだけひと眠りしてから、乃愛と一緒に出掛ける。

 起きた時に僕が乃愛に寄りかかっていたのは、気づけばそうなったのか、乃愛がよりかからせたのかは謎である。



 起きた後に乃愛と一緒に家を出た。


 僕の手を握って、ぶんぶん手を振り回している乃愛は大変ご機嫌である。




「博人! 楽しい!」

「よかったね」

「博人は楽しい?」

「うん。僕も楽しい」

「それにしてもクリスマスは男女二人組が多いね」

「恋人たちにとっては重要なイベントだからね」

「でも男だけとか、女だけの人たちも楽しそうだね」

「友達と過ごすのも楽しいだろうから」




 僕は一度目の時に家でのんびりすごしていた。一人で過ごすのが苦にならない人たちとかは、こういう時わざわざ外に出ずに家でのんびりしているのだろう。

 街には複数人で移動している人達が多い。



 昨日も含めてだけど、クリスマスケーキを売るために「クリスマスケーキいかがですか?」と声を上げている人達も結構いる。寒い中でずっと外でそうやって声をかけるのって大変だなと僕は思ってならない。



 乃愛が作ったケーキはまだ残っているので、買うつもりはないけれど美味しそうだなと目を向けてしまう。

 クリスマスケーキって、美味しそうなものが多くてついつい見てしまう。



「博人、ケーキ他にも食べたい? 来年はもっと種類作ろうか?」

「うん」


 視線に気づいた乃愛にそんなことを言われたので、頷いておく。

 それにしても乃愛は僕のことをよく見ているなと思った。




 昼ご飯はお手頃の値段のレストランで食べた。周りに学生の姿もよく見えるレストランである。もうちょっと高級感のあるレストランとかだと、夜とかにプロポーズとかしている人多そう。昼間の僕らがいったレストランでも学生の告白劇が起きていたりもした。


 やっぱりこういう普段とは違う日だと、カップルも出来やすいからなぁ。僕にはあんまり関係ない話だけど。




「博人、これ、美味しい」

「うん。僕が食べているのも美味しい」

「博人も食べる?」

「大丈夫」

「私は博人が食べているのほしいから、食べさせて」

「自分でとっていいよ?」

「クリスマスだからいいじゃん」



 向かいに座る乃愛は、そんなことを言いながら期待したような視線をこちらに向けてくる。

 その様子を見ながら僕は諦めて自分のフォークを使って、乃愛の方に向ける。

 乃愛は嬉しそうにそれを食べた。



「博人に食べさせてもらうと、余計に美味しいね!」


 何て言いながら乃愛は嬉しそうに笑っている。



 

 そしてレストランで食事をした後、僕たちは乃愛が行きたがっていたスポットを色々と見て回ることにした。



 

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