表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

洞穴

木々に囲まれ走り続けること30分、大きな洞穴がある静かな場所に出た。脇で小川が流れている。

「ルアン、オリビアとそこのオレンジ摘んできてくれる?」

 お母さんがお姉ちゃんにリュックサイズの革袋を渡した。お父さんは洞穴の中に光るボールのようなものを投げ入れ、地面に杖で何を描いていた。

「カシミア、先頼む。恐らくゴブリン、毒竜がいる。」

「そうなの?じゃあ、オレンジ摘んだら貴方たちもついてくるのよ。」

「これを持っていなさい。・・行くぞ。」

 手に残された翡翠色の文字が刻まれた石。お姉ちゃんはポケットに入れ、オレンジの木に手を伸ばした。

私も大きくしなった枝から覗いているオレンジを掴んだ。半回転させ引くと簡単に取れ、革袋に入れる。出来るだけしなった所のオレンジを採っていると、洞穴に小さな生き物が入って行くのが見えた。からす・・いや、こうもりかな。

「オリビア、オレンジ採り終わったから行こう。」

「う、うん。」

 お姉ちゃんは革袋を背負い、私の手を引いて拾った木に火を点けた。

「ふれると火が点くの?」

「魔術をお父さんに教えてもらってるから。火を点けるは得意。」

「私もできる?」

「お母さん似だから・・難しいかも。」

「そうなの?」

 お姉ちゃんは何とも言えない顔で頷いた。するとバサバサと頭の上を蝙蝠たちが逃げるように飛び去って行った。何があったのだろう、そう思った時お姉ちゃんが私に松明を握らせた。

「え?」

 GAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!私達の二倍はあるであろう巨体をもつ、怒れるゴブリンが現れた。そしてそれを予測していたかのように、お姉ちゃんは身体をねじる様にして双剣でその体を両断した。肩から反対側の脇腹に下ろされた双剣により、ゴブリンはバタリとその場に崩れた。

「大丈夫?」

「お、お姉ちゃんすごい!!」

「そ、そう?」

 お姉ちゃんは嬉しそうに頬を赤くしながら双剣を腰につけた鞘に納め、私の手を握った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ