閑話③-② ドーク=スナークの思い出。②
二人旅になってからも、ボクらは変わらずに旅を続けた。
盗賊を倒したり、魔獣を殺したりしつつ、気ままに適当な街に寄りつつ、どこへ向かうでもなく世界を歩き回った。
時々イグールに稽古をつけてやったりもした。
イグールは強くなっていると思う。
結構強めの魔獣も、一人で何とか戦えるようになってきた。
おそらく、再びあの和国のおじさんと戦ったとしても、負けることはないだろう。の人、名前はなんていったっけ……? ああ、思い出した。確かブラウンとかいったっけ。あの人と使える魔力が同じだったから、経験で劣っていたことで負けてしまっていたけれど、その経験はこの旅でつめている。なんとかなるだろう。
またまた話がそれたね。
思い出だったね。
確か、あれは半年くらい前かな。
戦争に巻き込まれでもしたのか、荒れに荒れた町があってさ。
畑とかもぐっちゃぐちゃで、作物もとれなくなっていてね。
どうも不憫だったんだけれど、どうにもならないだろうなと思ったんだ。しかも、住民はかなり死んでしまっていてね。半数も残っていなかったんじゃないかな。孤児になってしまった子もたくさんいて、可哀そうだったから、ボクとイグールで護衛をして、近くの街まで連れて行ってあげたんだ。その間は結構楽しかったよ。子供たちはだんだん元気になっていってくれたし、大人たちも活気を取り戻してきてた。
街に着いたら、孤児になってしまった子たちは教会に預けて、大人たちは仕事を探していたね。
元気でやってるといいなあ。
他にも、荒れていた街といえば、これは最近なんだけれど、竜に襲われた街もあったね。
炎竜に半壊させられてしまったらしくて、街の半分は壊れていたよ。
しかも、竜種が来たものだから、魔力の濃度が高くなってしまったらしくて、魔獣が街の中にも発生していたんだ。
魔力濃度は、魔法を使って魔力を取り込んでいかないと減らないんだけれど、魔力を大量に使うような魔法は街の中では使いづらいからね。住民も難儀していたよ。
そこでイグールだ。
壊れた街の外壁を、魔法を使って作り直して、それによって魔力の濃度も下げたんだ。
いや~、あれはいい人助けだったね。
そういえば、どうして今ボク達は帝都にいるんだったっけ……?
そうそう、確か、大爆発の跡みたいなのがあったんだよ。
近くに町があったみたいで、完全にぶっ壊れていてね。瓦礫が山になっていたんだ。その裏が魔獣の巣になっていて、まあ全部殺したけれど、普通に行商人が通っていたりしたら危なかっただろうね。骨がたくさん見つかったから、もしかしたら遺体をあそこに置いていたのかもね。
ボクらがそこに着いた時には、すでに帝国は和国の支配下にあったんだけれど、そこもその領土だったみたいでね。近くにあった街が帝都だったから、ここに来たんだ。
それにしても、驚きだったね。
まさか、クロト君も来ているとは。
しかも、帝国を復活させるつもりだと来たものだから、さらに驚いたよ。
協力したいと言ったら、逆に頼まれたからね。
彼が一番上に着くのなら、大丈夫だと思う。
これで帝国も安心だ。
それはともかくとして、彼の連れていた精霊の、インちゃんはとても可愛い。撫でさせてもらったりもした。めちゃめちゃかわい~!
タイトルを変更するつもりです。[チートで無双じゃない]という部分は残しておきますが、見つけにくくなるかもなので、よろしければブックマークなどしてもらえると、見つけやすくなると思います。
次の次、もしくはその次くらいで変わると思います。