観光、事件勃発。
というわけで、僕たちは外に出た。
「では、またあとでな。よろしく頼むぞ。クロト」
別れ際、王が言う。
「お任せください。そちらもお気をつけて」
僕がそう返すと、アーカーが返してきた。
「まァ、俺様がいる。大丈夫だろ」
「まあ、そうだろうね」
そんな会話をしていると、ヒヨ様が言った。
「早く行こきましょう! クロト! 先にいってしまいますよ!」
「お待たせしてすみません。では行きましょうか」
「はい! さあ、早く早く」
そう言って、ヒヨ様は、僕の背中を押して歩き始めた。
「はいはい。わかっていますよ。では、また後程」
「おう」
手を振りつつ、僕らは別れた。
ブラウンさんとシロナと合流する。
「さて、どこに向かうんです?」
「おお、俺のおすすめは、まずは商店街だな」
「え~、商店街ですか? やっぱりここは、ミツマルじゃないですか?」
「ミツマル?」
ブラウンさんの提案をシロナが別の提案で塗りつぶす。
出てきた単語がわからないようだったので、僕はヒヨ様に教える。
「ミツマルは、三階建てのお店です。色々あるらしいですよ?」
「三階建て! うちのお城よりは小さいですが、大きいですね! ぜひ、そこにしましょう!」
「わかりました。行きましょう」
若干のどや顔で、シロナが言う。
どや顔もかわいいなあ、この子。
「よしわかった。こっちだ」
そう言って、ブラウンさんが先導して歩き始めた。
「うわ~。でかいですね」
「だろぉ? ここは、この都市で最大の商店なんだ。中も広いぜ?」
「なんであなたがどや顔なんです。では、入ってみましょう」
ヒヨ様は辛辣だった。
いや、確かに、おっちゃんのどや顔なんて見たくないけどね!?
中はとても広い。
まるで、元いた世界で言うイ○ンやアピ○のごとき広さだ。
「すごいな……。どうやって建てたんだ? ああ、お城と同じ感じか」
「そう。せっかく説明してやろうと思ったのに、説明のしがいの無い坊主だな」
「そんなことはどうでもいいです。クロト、進んでみましょう」
「こっち行きましょう! ヒヨ」
「え、ええ。そっちには何が?」
「ん? まずは腹ごしらえだな! 嬢ちゃん、うちの飯をえらく気に入ってたようだしなあ」
という訳でまずは食事をし、その後店内をみて回った。
ミツマルを出て、ブラウン宅へ向かって帰ろうとしたときだった。
ドカァン!
「え?」
「おいおい、議場の方だぞ!?」
どうやら、事件発生のようだ。
また少し短めですね……。
ちゃんとします!