閑話①ー②シロナとクロトと……?
クロトさんだ……。
クロトさんがいる……。
でもどうしてだろう?
彼は帝国に連れていかれたんじゃ……?
それと隣の女の子は……?
疑問はつきない。
が、
ひとまず、声をかけてみることにした。
近づいていくと、彼らの話す声が聞こえてくる。
「何処へ向かわれるんです?」
「目的地なんて無い。適当に歩くだけ」
「そうですか。では、僕の案内は必要ないですね」
「え、知っているの?」
「いえ? 僕はこの国の地図は頭にいれてありますが、ヒヨ様が何処へ向かわれているのかは知りませんよ?」
「そうではなく、ここがどこなのかは知っているのかという意味よ。知っているのなら、お父様のいるところへ連れていって。歩き疲れたわ」
「では、おぶりましょうか?」
そんな会話をしている。
そこへ私は口を挟む。
「少女をおぶるのが好きなんですか? クロトさん」
「え? え~と、誰?」
「突然声をかけてくるとは無礼極まりないわね。まずは挨拶でしょう?」
隣の少女は、何やら偉そうだ。
忘れられていた上に、偉そうに何やら言われるとは、泣きっ面に蜂といったところだ。
「その態度も失礼きわまりないですけどね。それより、あなた、どこかで会いました?」
クロトさんが、少女を諌めつつ私に再度聞いてくる。
「お、覚えてませんか……? 三年前は私をおぶっていましたよね……?」
不安げになってしまったが、私は再度確認をとった。
まあ、三年前に別れたきりだし、背も伸びているし、いろいろなところが成長しているからわからないか……。
そう思った私だったが、
「ん? あ、もしかして、シロナ?」
その言葉に私は驚くと共に、言っていた。
「そ、そうです! シロナです!」
「やっぱり! いやぁ~、背も伸びたし、可愛くなったね。まあ、三年前も可愛くはあったけど、ベクトルが変わった感じっていうか」
「ベクトル……?」
知らない言葉だ。
「ああ、向きが違うって感じかな」
「ああ、なるほど。いえ、そんなにですよ。でも、クロトさんはお変わりないですね」
「ああ、加護の力のせいで、もう身長も伸びないし老けないんだ。永遠の十七才かな」
「憧れる大人の女性は多そうなやつですね……」
そうやって私とクロトさんが話していると、横から口を挟む声があった。
「クロト? 私をほっぽって別の女の子と喋り倒すとはいい度胸ですね。そもそも、彼女は誰です? 紹介なさい」
「ああ、すみません。え~と、彼女はハトール=シロナ。僕の旧友ですかね。帝国に行く前までは一緒だったんですよ。久しぶりだったので、喋ってしまいました。すみません」
「そういうことですか」
そう言うと、彼女は私の方へ振り向き、言った。
「私はヒヨ。帝国の王女です。よろしくね」
「あ、どうも。よろしくお願いします」
そう言って私は差し出された手を握った。
んん? 王女……?
「あ、それと、クロトは今は私のだからね」
何を言ってやがるこいつ……!?




