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★8話 帰り道に……

 私たちはそれから授業中におもらしすることもなくその日の授業を乗り切った。

私は夢乃ちゃんの教室に立ち寄る前に少し右折してトイレに入る。

トイレには誰もいなくて、私一人だった。

私は個室に入り、いつも通りショーツを降ろす。

しかしいつもと違うのはそのショーツが保健室で借りたショーツだということだ。


 私はおしっこを終えて、夢乃ちゃんの教室へと向かった。

夢乃ちゃんは教室の前の廊下で、友達と話しながら立っている。

私はそんな夢乃ちゃんのもとに駆け寄った。

「おまたせ! 帰ろ!」

いつも通り夢乃ちゃんのことを誘って一緒に帰る。

しかし私たちは今日は一度保健室によらなければならなかった。


 私たちが二人で保健室まで行くと、そこには二つのビニール袋を持った美奈先生がたっていた。そう、私たちは自分たちがおもらしして濡らした制服を取りに来たのだ。

私たちはクラスではおもらしせずにちゃんとトイレに行けたということになっているため、教室には持ち帰らなかったのだ。

私たちはそれぞれのビニール袋を受け取った。


 手にずしっとかかる重さが、私がどれだけのおもらしをしたのかということを感じさせる。

しかし、私のおもらしはわざとでただただ美奈先生や夢乃ちゃんに迷惑をかけてしまっただけだ。その重さは私の心も圧迫した。

それから私たちは他の生徒には見つからないようにこっそりと裏門から学校をでた。


 学校の裏門をでたところのすぐ近くに小学校があり、そこの小学生もちょうど下校中のようだった。

「見ろよ、あのビニール袋。あの中学生のお姉ちゃんたちきっとおもらししたんだぜ!」

「そんなことないよ! 中学生のお姉ちゃんたちがおもらしするわけないよ!」

小学五年生くらいの男女が明らかに私たちの方を見てそんな会話をしている。

男の子のセリフも十分に傷つくが、女の子のセリフも、その子の中学生への期待をないがしろにするようで、心が痛い。

私と夢乃ちゃんは何にも言わずにただただ歩くスピードを速めた。


 あるところまで歩いた時に、夢乃ちゃんが突然歩く速さ遅くした。

「夢乃ちゃん、どうしたの?」

「叶乃ちゃん、私おしっこしたい……」

夢乃ちゃんの顔がとても曇っている。

本当なら私も同じタイミングでおしっこがしたくなるはずなのに、私だけトイレに行ったせいで夢乃ちゃんだけがおしっこがしたい状況になってしまっていた。


 「夢乃ちゃん、頑張ろ! 実は私もおしっこしたいの……」

私はまた嘘をついた。

さっきトイレに行ったはずなのに、こんなにすぐにおしっこがしたくなるはずない。

だけど、逆に私だけがトイレに行っただなんてそれこそズルみたいだ。

私は夢乃ちゃんと手をつなぎ、夢乃ちゃんと同じような速さで歩く。

そして、私も夢乃ちゃんのように少し前屈姿勢をとった。


 それから何分か歩き、家まではあと5分ぐらいというところだった。

「か、叶乃ちゃん! でちゃうよ……」

夢乃ちゃんが目に涙を浮かべて私のことを見ながらそう言う。

「わ、私ももうだめかも……」

私は泣いていないのが悟られないためにも下を向いたままでいた。


 それから私たちがその場を動けずに10秒ほど立ち止まっていると、夢乃ちゃんが私の手を一度握りしめた。

すると私の隣から、ぴちゃぴちゃと地面に水滴が当たる音が聞こえてくる。

私はすぐさま横を見ると、夢乃ちゃんが借りた制服のスカートを抑えながらおもらししていた。


 それに合わせて、私もすぐにおしっこを出した。

しかし私はさっきトイレに行ったばかったりで、夢乃ちゃんほど尿量は多くない。

でも意図してショーツの中に出されたおしっこはおもらしした時と同様に私の股を温める。

私の足首に少しの水しぶきがかかる。それは私のおしっこか、夢乃ちゃんのおしっこか、どちらかはわからないが、そんなことはどうでも良い。

ただ、私はわざとだとしても今夢乃ちゃんの真横で一緒におもらしをしているんだから……




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