★7話そんなこと言えない
気持ちよさに浸っていると、徐々におしっこが冷たくなってきた。
夢乃ちゃんが上の服までおしっこで濡らしているときってどんな感じで冷たかったんだろ……
そう考えたら、今の私が行動を起こすのは時間の問題だった。
私は自分が意図的に作った黄色い水たまりの上にしゃがみ込む。
そして私は水たまりの外に手をついて、徐々に上体を水たまりにあてるように寝転んだ。
ほんとは温かいおしっこで上体を濡らしてから徐々に冷たくしたかったがそれはできない。
お腹周辺にいつもなら感じない冷たさを感じる。
そして倒れこむ位置を少し間違えたのか、発達しかけの胸の部分にもその冷たさを感じた。
床の冷たさで足が冷やされるのも合わさって、私の体が身震いを起こす。
そのせいかおもらししたばかりなのにまたおしっこがしたくなってきてしまった。
私はもう何も躊躇せずにおしっこを出した。
少ない量で、一瞬で止まってしまったが、私のおへそのあたりは少し暖かくなる。
なにやってるんだろ……
私は突然、今まで自分のやっていたことがおかしいようなことだと思い始めた。
私が立ち上がると、胸のあたりにしずくとなってついていたおしっこが、下へと移動する。
冷たい液体が私の体をゆっくりと移動していて、とてもくすぐったい。
気が付くと私は50mを走り終わった時のような呼吸をしていた。
それは、単なる体が体温を上げようとする恒常性による機能なのかもしれない、しかしおそらく私が興奮しているせいだった。
私が息を切らしながらその場で立っていると、しばらくしてカーテンが開き、夢乃ちゃんと先生が現れた。
「叶乃ちゃん!? どうしたの?」
言えない。甘えたかったからわざとおもらしをしただなんて言えない。
「おトイレ行こうと思ったら、夢乃ちゃんみたいにこけちゃったの……
美奈先生、私もお願いできますか……?」
そう言っているだけでも背筋に電気が走るようにぞくぞくした。
「ほんとに、双子ってすごいわね。おもらしする原因まで一緒だなんて」
「叶乃ちゃん! 大丈夫なの!?」
夢乃ちゃんが心配してくれるが、私がしたのはわざとだ。わざとやったのにも心配されて私はとても心が痛くなった。
「叶乃ちゃん、おもらしの処理をしよっか」
美奈先生が私のことを見て言う。
私はゆのちゃんの心配を無駄にしたということで罪悪感に苛まれて、こくりと頷くことしかできなかった。
私は夢乃ちゃんと同じように、保健室のベッドの元まで連れていかれて、パーテーションで見えないようにしてもらった。
ベッドの近くにはいくつかの数滴がポタポタと落ちている。それはおそらく夢乃ちゃんのおしっこか涙なのだろう。
わたしはその近くに立ち、先生にスカートとパンツを降ろされた。
先生は近くにあった、綺麗なふわふわの白いタオルで私の足、太もも、鼠径部、そしておしっこの出る部分を拭いていく。
私はわざとおしっこまみれになるような変態みたいなことをしたせいか、あそこを拭かれた時に変な声が出てしまいそうだった。
その変な感覚のせいか、私は少し残っていたおしっこがしたくなった。
”もっと甘えたい”そんな欲望が私の脳内を占めていく。
私は下半身裸の状態で膀胱付近に力を入れておしっこを出した。
ピタッと閉じている太ももをおしっこが伝い、温かくなる。
「叶乃ちゃん!? また我慢できなかったの?」
「うん」
私は返答しながらもうなずいた。
わざと出したおしっこは意外にも量があり、私の足元で半径10㎝くらいの水たまりを形成していた。足元が温かい。それに少し歩くたびにぴちゃぴちゃと音が鳴る。
「もう一回、拭かないとね」
美奈先生は私に向かってそう優しくいってくれる。
さすがに夢乃ちゃんもここまではしてもらっていないだろうと思い、謎の優越感に浸っていた。
それから先生は一回目と同じように足をちゃんと拭いてくれた。
「じゃあバンザイして。バンザーイ!」
美奈先生が落ち込んでいるように見える私を元気づけるためか、笑顔で私のことを見ながらそういった。
しかし"バンザーイ"と言われて、両手を上げて洋服をぬがしてもらうのはあまりにも子供っぽかったため、私は少し頬赤らめながらゆっくりと両手をあげた。
すると美奈先生が私の洋服の裾を素早く上に引っ張って私の服を脱がす。
「あらあら、ブラジャーも濡れてるのか……
双子と言っても濡れる範囲は変わっちゃうのね。ブラジャーは貸すからはずすね」
美奈先生は私のブラジャーのホックを外し、私の胸が露わになった。
次に美奈先生は私の上半身をもう1枚のタオルで拭いていくれる。
自分では何もせずに体がふわふわのタオルで包まれる感覚は、小さい頃にお母さんにお風呂上がりに体を拭いてもらった感覚に似ていた。
もっと甘えたいな……
私の心にはそんな感情が湧いていた。
それから私は保健室で制服と下着を借りてその服に着替える。
私がカーテンをめくると、未だにそこには夢乃ちゃんが立っていて、私のことを待ってくれていたようだった。私は夢乃ちゃんと一緒に手をつなぎながら教室へと戻ることにした。