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☆13話 帰り道

 デパートを出た私たちの目に映るのは少し日が傾きオレンジがかった空。

日は長くなってきたとはいえ未だに6時半では日が暮れ始める。

私たちは来るときに降りたバス停まで二人で手をつなぎながら歩いた。

デパートのなかで盛大におもらしをしてしまい悲しんでいた叶乃ちゃんの表情もだいぶ落ち着いている。叶乃ちゃんが元気を取り戻してくれて本当に嬉しい。


 バス停につき、私たちはバス停の前に置かれている木製の椅子に座る。

私たちはバスを待ちつつ、ぼーっとオレンジ色の空を眺めていた。

「ありがとう。夢乃ちゃん」

視線は変えずに叶乃ちゃんが私にそんなことを言った。

「私こそごめんね。本当は初めから一緒におむつを付けていればよかったのに……」

「いいよ。夢乃ちゃんのこと大好きだから」

「私も叶乃ちゃんのこと大好きだよ」

私たちはベンチでバスを待ちながら、お互いに肩を寄せていた。


 しばらくしてバスが到着し、私たちはそのバスに乗り込んだ。

中にはまだ誰も人が乗ってなくて、乗員は私たち二人と一緒に乗った人たちだけだった。

たとえ今人が少ないとはいえ、もし私がおむつを付けていなくてバス車内でおもらしをすればさっきと同じようなことが起きるだろう。

もし私が今おむつを履いていなければそんな恐怖に苛まれていたかもしれない。

でも今私はおむつを付けていて、改めておむつの持つ安心感に私は少し感動した。


 バスに乗り込んでから15分ほどが経った。

デパートを出る前にトイレに行ってなかったこと、そして意外にもバスを待つ時間を長かったせいで、私の膀胱にはある程度のおしっこがたまっている。

私は何も言わずに叶乃ちゃんの手を握った。

すると叶乃ちゃんは手の握り方を変えて、私の指と叶乃ちゃんの指を交互にするような恋人つなぎといわれるようなものに変えていく。


 私達は二人で何にも言わずにその握っている手に力を入れた。

その瞬間私の膀胱にたまっている黄色い液体がオムツの中に解き放たれる。

出てきたおしっこは始めはちょろちょろと音を立てながら少しずつつ流れて吸収されていく。

じわっとした湿っぽさとともに伝わる温かさ。

私はそんな温かさを感じながらもさらにおしっこを出した。

勢いよく放出されたおしっこはすぐにおむつにあたり、吸収される。

 

 おしっこは次第におむつ全体に広がっていき、おむつが温かく膨れていく。

次第に私の股やおしりはとっても温かくなっていた。

安心するようなこの温かさに下半身が包まれるのはとても気持ちいい。

でも、本当に私はこんなのでいいのだろうか。

今朝なんて叶乃ちゃんはおねしょしなかったのに私だけおねしょしちゃった。

どちらかだけがおねしょをするなんて初めてだから。

私はもっとお姉ちゃんにならないと……


 「夢乃ちゃん…… 夢乃ちゃん……」

叶乃ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえる。

「夢乃ちゃん、ぼーっとしてどうしたの!? 熱でもあるんじゃない!?」

叶乃ちゃんがとても私のことを心配してくれている。

どうやら私はあれからいろいろと考えすぎていて周りの音が聞こえていないようだった。

「叶乃ちゃん、大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ……」

「考え事? 困ったことがあったら私に頼っていいんだからね! だって私たち双子・・でしょ!」

私たちは双子……

そうだけど最近はなんだかそんな確実なことでさえを疑ってしまう。

私だけがおねしょが治らずに成長しないまま、叶乃ちゃんだけが成長するから……

置いていかないで叶乃ちゃん……


 それからしばらくしてバスは家の最寄りのバス停に到着した。

私たちはバスを降り、自分たちのマンションまで向かう。

股を覆っているおむつが湿って膨らんでいるせいで、少し歩き方がぎこちなくなってしまう。

少し変わった歩き方をしながらも、叶乃ちゃんと手をつないで歩いた。

それからマンションにつきいつものようにエレベーターに乗る。

このエレベーターは過去に二人でおもらしした思い出があり、少し私たちを懐かしい気分にさせる。


 家につき鍵を差し込み玄関のドアを開ける。

私たちは靴を脱いで、お母さんがいるはずのリビングまで歩いた。

「お帰り。あれ? 二人ともワンピースから着替えたの?」

お母さんが私たちの服装を見てさっそく聞いてくる。

「えっと……」

叶乃ちゃんが言葉を詰まらせる。

「あのね! おむつつけてたから私はトイレのことを忘れて叶乃ちゃんを連れまわしてたの。それで私が叶乃ちゃんを連れまわしすぎて叶乃ちゃんがおもらししちゃったの」

私は叶乃ちゃんをかばうつもりでそう言った。


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