☆1話エレベーターで
「このころは中学生のお姉さんになったらおねしょなんて治ると思ってたのに……」
私は机の上に置いてあった一枚の写真を両手で持って、ベッドの上に寝転びながらため息をついた。
私が持っているその写真に写っていたのは、セミロングおむつを付けた二人の女の子で、その二人の女の子はとても良く似ている。
そして、二人は両手に各々の濡れたスカートを持っているようだった。
私は過去を思い出す。
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「叶乃ちゃん、私おしっこしたい……」
「私も全く同じくらいおしっこしたいと思うよ。夢乃ちゃん」
双子である私たちは、小学校を出てから一緒に家まで帰ってきていた。
しかし途中で公園で遊んだりと、時間がたっていたせいで私たちの膀胱にはかなりのおしっこがたまっている。
私たちは双子なせいか、容姿も声も性格も似ていて両親以外からは区別されない。
双子のお姉ちゃんである夢乃、つまり私が白い星の髪飾りを付けて、双子の妹である叶乃ちゃんが黒い星の髪飾りを付けることによって周りから区別されるようにしている。
そして双子の私たちは、トイレに行きたくなるタイミングもほとんど同じで今日みたいなことも多くなる。
小学五年生になった今でもおもらし癖とおねしょが治らないのは、私も叶乃ちゃんも同じだった。
私たちはやっとのことで自分たちの家があるマンションのロビーにたどり着いた。
私は自分のお部屋の番号を入力して、インターホンを鳴らしたが一向にお母さんが出てくる気配はなく、私は片手で股間を抑えながら鍵を取り出した。
その鍵でオートロックのドアを開けてエレベーターのもとまで私たちは歩いて行く。
私は叶乃ちゃんと手をつなぎながらエレベーターに乗り込み、「15」の数字が書かれたボタンを強く押す。その「15」のボタンは少し高くて背伸びをしなければ届かない。
もしここで背伸びをすれば、我慢ができなくなるかもしれない。
だからと言って叶乃ちゃんにそんなことをさせるわけにはいかないんだ。
だって双子とは言え一応私がお姉ちゃんなんだから。
私は増加していく尿意を我慢しながら、そのボタンを押した。
足をもとの状態に戻し、叶乃ちゃんの手を握った。
私は左手で叶乃ちゃんの手をつかみながら右手で股間を抑える。
同じように叶乃ちゃんは右手で私の手をつかみながら左手で股間を抑えていた。
双子コーデでおそろいの水色のスカートは私たちが強く抑えすぎているせいで、しわができていた。
「夢乃ちゃん! もうちょっとだよ!」
「そうだね叶乃ちゃん! がんばろ!」
私たちはお互いに励まし合う。
そう言ってはいたもののエレベーターはまだドアが閉まったころだった。
ガタンと一度揺れた後にエレベーターが動き出す。
1階、2階、3階……
エレベーター内にあるモニターの数字が徐々に増えていくが、急いでいるせいか余計にその数字の変化が遅く感じる。
4階、5階、6階……
エレベーターが上昇する速度を上げてかすかに私たちの体にかかる重力が大きくなった。
それは膀胱への負担も大きくさせて、余計に股間に圧力が加わる。
「叶乃ちゃん、漏れちゃうよ……」
「夢乃ちゃん、あと少しだよ……」
叶乃ちゃんはおそらく私と同じでもう漏れそうなのだが、私を励ましてくれているようだった。
7階、8階、9階……
さらにエレベーターは早くなり、私たちの膀胱にかかる圧力は最大になる。
「「だめ…… 出ちゃう!」」
私たちが二人で声を合わせて全く同じことを言った時だった、ほぼ同時に女の子特有のおしっこの音が二点から鳴り響く。
おしっこは音を立てながらパンツの中で渦巻き、パンツを濡らしてスカートを濡らしていく。
一瞬でスカートの前押さえしていた部分はびっしょりと濡れておしっこで温かくなった。
10階、11階、12階……
私はちらりと叶乃ちゃんの方を見ると、叶乃ちゃんのスカートも私と全く同じように濡れていて、水色がすこし黄色にがかったような青色に変わっていた。
それぞれのおしっこはそれぞれの細くすべすべな太ももを濡らして伝い、地面に落ちる。
おそろいの白いスニーカーにもおしっこがかかり、普通の生地で出来ている部分が黄色く染まる。
13階、14階……
エレベーターが徐々に速度を緩めて、体にかかる重力が少し軽くなる。
それと同時に私たちのおもらしも終盤に差し掛かり、叶乃ちゃんと全く同じペースでおしっこの勢いが弱まっていく。
私がふと足元を見ると、少し黄色に染まり濡れているスニーカーが四足と、等しい大きさの黄色い水たまりが二つあった。
15階。
エレベーターは完全に停止してドアがゆっくりと開く。
「叶乃ちゃん……」
「夢乃ちゃん……」
私たちはお互いの名前を呼び合いながらお互いに見つめあう。
私の視界は涙でぼやけていたが、叶乃ちゃんの目に涙がたまっていることはなぜかわかった。
叶乃ちゃんが私と全く同じタイミングで握っている手に力を入れる。
おもらしがショックなせいでなかなか足が動かない。
それは叶乃ちゃんも同じなようで水たまりの上で突っ立ったままだった。
すると長くその場にいすぎたせいかエレベーターのドアが再び閉じられる。
このマンションのエレベーターは4台のうち3台が必ず1階に戻る仕組みだったため、自動的にエレベーターが降下しだした。
ぼーっとしたままでいると、すぐに1階についた。
私は叶乃ちゃんとハッと驚いた顔で見つめ合う。
それはおそらく二人とも同じことを考えていたからだった。
もし今エレベーターのドアが開いて、その先に人がいれば私たちの濡れた服、そして黄色い水たまりが見られてしまう。
私たちは会話はしていないが、誰かが乗ってこないことを一緒に願った。
ドアが開きだし、できた隙間に人影が見えた。
ドアは完全に開き、おもらしが見られてしまう……
そう覚悟した時だった。
「夢乃!? 叶乃!?」
「「ママ!?」」
エレベーターの分厚いドアの向こう側にいたのは買い物に行ってきていたママだった。
ママはエレベーターの中に入り「15」の書かれたボタンを押す。
「二人ともおもらししちゃったのね」
私たちは何も言わずに二人同時に頷いた。
15階に到着し、ドアが開かれたエレベーターから私たちは降りて、自分たちの家の前まで歩く。スカートからはぽたぽたと黄色いしずくが落ちて、私たちの歩いた軌跡を示しているようだった。
玄関につき、私と叶乃ちゃんはぐっしょりと濡れたスニーカーを脱ぎ、黄色く染まった靴下も脱ぐ。
ママが持ってきてくれた長いタオルの上に、おしっこで濡れた足を乗せて、足からおしっこを拭き取った。
さっきまで渇いていたタオルが、足についていた私たち二人のおしっこを吸い取り、その部分の色が少し暗くなる。
「さぁ二人とも、おむつしよっか。おもらしした日はおむつしないとダメって言ってたよね??」
恥ずかしくてぽっと顔が赤くなるのがわかる。
そういうよりかは、叶乃ちゃんが恥ずかしそうに頬を赤らめていることから、双子だから私もそうなんだろうなと思っていた。
しかし毎晩おむつをはいているし、昼間も毎日のようにおむつをしている私たちからすれば、それほどまで抵抗はなく自然に、二人同時でおむつに足を通した。
パンツとは違ったもこもこの感触でおしり全体を覆われる。
私たちはそんな感触を恥ずかしいとも思うが、同時に少しの安心感ももらっていた。
「二人ともとってもかわいい! 濡れたスカートをもってそっちに並んで!」
ママがポケットからデジカメを取り出して、私たち二人にそう言った。
私たちは声をそろえて返事をして、おしっこでぐっしょりと重くなったスカートを両手で広げるようにもって立つ。
私と叶乃ちゃんの肩が触れるくらいまで至近距離になった時にちょうどシャッターが切られた……
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それから五年がたった今、私と叶乃ちゃんは中学二年生になった。
私たちはおもらしをすることは少なくなったものの、おねしょは毎日のようにしていた。
私は手に持っていた写真をベッドの上に置いて、あおむけになって寝転ぶ。
徐々にまどろんでいき私は眠りについた……