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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
第1章 ゴブリン召喚士
7/40

第7話 衛星軌道にオークが来た

ゴブリン召喚士で説明出来なかったゴブリンのクラスの継承について少し説明を入れてます。

今日もゴブリン召喚士がランキングに残ってるので頑張って投稿です。

完結済小説 日間34位 週間32位 月間126位です


 ゴブリンの使節団は毎日温泉に入って美味い物を食べてはしゃいでいた。大丈夫かゴブリン帝国?こいつらが帝国代表で良いのか?


 「いや~、ここは何もかも素晴らしいです。」


 使節団の団長の第1王女が幸せそうに言った。随行の皆も毎日楽しそうだった。


 「それは良かった。でもあんた達何しに来たんだ、観光か?」


 「私たちは友好条約を結びに来たのですが・・・考えが変わりました。」


 「そうですな、我々がこの星を守ろうという話をしに来たのですが、どうやらここは楽園だったようですな。対等な関係こそがふさわしいと思います。」


 ゴブリンの外交相が言った。はじめはこの星は文明レベルが低いのでゴブリンの宇宙帝国が一方的に守る条約を結ぼうとしていたそうだが。ここに居るうちに気に入って対等な関係を結びたいと思いなおしたらしい。


 「でもゴブリンの帝国はオーガやオーク族に押されて滅亡寸前なんじゃなかったか?」


 「はい、でも全力を出せばこの星を守る位の事は出来ます。」


 どうやら全力でこの星一つを守る位の力しかないらしい。大丈夫なのか?


 「それで、ゴブリン帝国はどの程度の戦艦があるのだ?オーガ帝国は5000隻以上の戦艦を保有しているぞ。」


 話し合いに立ち会っていたオーガ族のエミリーがいった。


 「ゴブリン帝国は全部で500隻位です。うちは小型艦ばかりなので・・・」


 ここでいう戦艦とは宇宙空間で敵の戦艦と戦う能力の有る大型艦の事を指している、最低でも全長500メートル以上ある艦の事だ。小型艦は攻撃力と防御力のどちらでもかなわない。どちらにしろこの星をオーガ族が攻撃しようとすれば俺達に反撃する方法はなかった。俺達には宇宙戦艦どころか空を飛ぶ船さえ無いのだ。


 「こりゃあどうにもならんな、ゴブ吉。」


 「見える敵なら平気ゴブよ?」


 「宇宙船の中じゃ外見えないじゃん。」


 「う~む・・・ごぶ。」


 「なあエミリー、、オーガ帝国と対等な関係ってのは無理か?」


 「カテゴリー1のこの星と対等な条約はあり得ませんね、ゴブリン帝国ですら侵略する気満々ですからね。この星を取る位簡単ですから。」


 やはり無理の様だ、宇宙も俺達の国も同じようだ。オーガ帝国が戦艦を沢山持ってて強いのは領土が広くて資源や金や住民を沢山持ってるからだ。そしてゴブリン帝国はオーガ帝国より弱いのは領土がオーガ帝国より狭くて資源と金と住民が少ないからなのだ。俺の国で言えば、大貴族と普通の下級貴族の関係に近いだろう。そして俺の星は貴族どころか村みたいなもんだ。村の一つが大貴族に逆らうのは無理だ。


 「やっぱり独立するには戦力が要るって事か~、どこも同じだな。」


 「男爵様。私に良い考えが有りますのよ。」


 第一王女のエリザベスが自身ありげにこう言った。でっかい胸をそらせて緑色の縦ロールが揺れている。なんでも上位貴族の女性は縦ロールの髪にする決まりなんだそうだ。貴族はどこに住んでいても色々な決まり事を作るのが好きらしい。要は暇人の集まりな訳だ。


 「なんだエリザベス?」


 「私が男爵の妻になれば良いのですわ!これでゴブリン帝国の戦力は男爵の物ですわ!」


 「はあ、何でお前と結婚したらゴブリン帝国が俺の物になるんだ?王が居るだろうが。」


 「ふん、王などただの飾りです。実権は女王が持ってます!」


 「いけません男爵!たかがプリンセス級のゴブリン娘等!プリンセス級の子供が出来てしまいます。」


 うちのエリカが真っ赤な顔で怒り出した。俺の屋敷でメイドとして働いているがエリカはクイーン級ゴブリンで王女よりクラスが上なのだ。戦いの時はヒーラー部隊の隊長をしている。


 「何ですって!私は第一王女ですよ!」


 「ふん!たかがプリンセス級のくせに厚かましい!あなたではプリンセス級の子供しか産めませんわ!私ならクイーン級の子供が産めますわ!」


 「ぐぬ~・・・・」


 女性同士の戦いが始まったので俺は黙ってる事にした。ゴブ吉やアーサー達も黙っている、ゴブリンはクラスが同じ場合女の方が強いのだ。いや肉体的な意味じゃなくて精神的な感じで・・。いや違うな、クラスに関係なく女の方が強いな、俺やゴブ吉は最上位クラスだしアーサーもエリカより上だが、俺達はよくエリカに怒られている。


 「いや~お茶が美味いですな。」


 「焼いた芋と良く合うよな。」


 「今日は良い天気ゴブ。」


 第一外相のチャールズが現実逃避を始めたので、すかさず俺とゴブ吉も乗る事にした。流石外相だ、うまいタイミングで話をそらすぜ。


 「うん?・・・敵ゴブ!」


 「どこだ?」


 「衛星軌道にオーク反応・・・オーク20!」


 「なんですと!ゴブリンの管制に連絡しろ!アルファ!」


 ゴブ吉がオークを見つけた様だ。ゴブ吉のイージスは索敵範囲がけた外れに広いのだ。


 「船の種類は分かるか?ゴブ吉。」


 「船は分からないゴブ、俺のイージスは魔物にしか使えないゴブ。」


 「衛星軌道に攻撃できるか?オーク族にここを知られると不味い。」


 「全力を出せば届くけど・・当たらないゴブよ。」


 「・・う~ん・・困った。」


 ゴブリン船の監視員と連絡を取っていた外相が何やら言いたそうだ。目で言うように促す。


 「ゴブリン船の監視装置には無反応です!おそらくステルス偵察艦です。」


 「ゴブ吉様はステルス艦を見つけられるんですね。凄いです。」


 「ステルス艦は見つけられないゴブ。中の魔物の種類と数が分かるゴブ。」


 オーク族は多分ゴブリン船をつけて来たのだろう、最近この星には延べ3隻の宇宙船が来てるので目立ったのかも知れない。さてどうするか?オークが友好的なら素晴らしい事だが・・・絶対そんな事はないだろうな。宇宙の連中は高圧的で好戦的だ。俺達が文明レベルで劣っているので虫けらか奴隷か資源くらいにしか思ってないだろうな。


 「おい、ゴブ吉。こんなのはどうだろう?」


 俺はゴブ吉とアーサーに作戦を話した。ゴブ吉とアーサーは親指を立てて賛成した。さて作戦開始だゴブリン船の皆にも協力してもらわなくてはならないな。


 「エリザベス、ゴブリン船機関全停止してくれ!」


 「え~!そんなことしたら戦えないし逃げられませんよ!」


 「衛星軌道から先制攻撃されるよりましだ!死んだふりで誤魔化す作戦だ!」


 「第一王女、ここは男爵様に任せましょう。どちらにしろ我々は相手の位置すら分かりません。」


 第一王女は嫌がったが、俺達はゴブリン船の機関を全部止めて無力化した。これで俺の畑には機関を停止した無力な宇宙船が2隻だ。拿捕出来ればオーク達は大金持ちになるか、出世するだろう。餌に食いついてくれるのを俺は祈った。


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