第40話 グランド フィナーレ
ちょっとした外伝のつもりで書き始めたのですが、気が付けばここまで長くなってしまいました。
ここまで応援していただいた皆様に感謝して、これでこの話は終わります。
バーバラが生き返った俺に挑む馬鹿は創造神とかいう爺だった。なんでも暇だから遊びで俺達の世界にちょっかいを出してきてる奴だ。俺と戦うために俺の前に現れたそいつはごく普通の人間の姿をした老人だった。だがホワイトホールを生み出し宇宙船を5万隻出したり、俺達の星にダンジョンを発生させて勇者を出したりする妙な力を持った老人だ。
「さあ来い人間よ!我を楽しませるのだ!勇者を倒した実力を見せるが良い。」
「行くぜ爺!負けて泣くなよ!」
こいつは創造神、神と言うぐらいだから強いのだろう、そして万能なんだろうな。ダンジョンを生み出したりバーバラを生き返らせたりする位だからな。そして万能のせいで退屈しているのだろうな、俺と戦いたがっている様だし。しかしその考えは間違いだ。こいつは退屈しのぎで戦いたがっている様だが、俺もまた神なのだ。こいつは何かを創り出す神かもしれないが俺はゴブリンの神すなわち化け物の神だ。その本当の恐ろしさを教えてやる。
「うお~!!!」
レベル999の全力で創造神に突進する。周りのゴブリンや人間達が心配そうに俺を見ていた。そうだろうな俺は強くないもんな。だがな心配するな、俺だって神だ。
「甘いな。」
「ぐは!」
創造神に簡単に吹き飛ばされて俺は10メートル程転げまわった。中々強い爺だ。俺だってキングゴブリン程度のパワーは有るんだがな。
「やるなジジイ!」
「何だ貴様、弱すぎるぞ。本気で来い!1万年ぶりの戦いなのだぞ、我を楽しませろ。」
「ふ、これはバーバラを生き返らせてくれたお礼だジジイ。」
「ふん、礼などいらん。儂の退屈を紛らわせるのだ!人間よ!」
「おいジジイ、俺もお前と同じ神なんだぞ。気が付いていなかったのか?」
「何だと!」
「見せてやるよ、俺のゴブリン召喚神の本当の力をな!」
ゴブリン召喚神として俺は今まで全てのゴブリンとシンクロして俺の力を分け与えてゴブリン達を何倍にも強化して戦ってきた。その俺が逆にゴブリン全ての力を集めたらどうなるか、今見せてやる。
「生きとし生けるゴブリン達よ、この世の全てのゴブリン達よ、今、全てのゴブリンの神たる我が命じる!全ての力を我に貸し与えよ!」
この星のゴブリン達、そして宇宙に住むゴブリン達の力が魔力が知性が生命力が俺にドンドン集まって来る。これが俺力だ!俺こそがゴブリン族全てなのだ。一人一人の力は弱くても何億というゴブリンの力を得た俺は無敵だった。全ての能力がカンストを遥かに超えた領域に立った俺は攻撃を開始する。
「行くぞジジイ、覚悟しろ。」
「何だその馬鹿げた力は!反則じゃ!チートじゃ!」
光速を超える速度で近づいた俺はアーサーの次元を断ち切る剣技をアーサーの100倍の速度で創造神に叩き込む、もんどり売って倒れた創造神にゴブ吉のイージスを1000倍の威力で連射する。俺が動けば大地が割れ大気が悲鳴を上げるのだ。今の俺ならば惑星を簡単砕き太陽を簡単に吹き消すだろう。破壊するための神で有る俺は造る為に存在する神よりも遥かに高い戦闘力を持っていた。
「やめろ!もう良い!我が滅んでしまう!」
「まだだジジイ!俺の本気はこれからだ。まだ魔法を見せて無いだろ。」
「やめろ!」
「神級魔法!神の光!」
創造神が悲鳴を上げて違う次元に逃げようとしているが逃がさない。ヒーラーの防御魔法を遥かに超える次元障壁で創造神を包み込む。そして並列暗唱で作り出した最強呪文を叩き込む。
「次元障壁毎消えて無くなれ!創造神!」
「やめろ~!!!!!」
空一面を覆った巨大な魔法陣から真っ白な光が降り注ぎ創造神を包み込む。中で何か喚いている様だが声は全く聞こえない。そして徐々に創造神の身体が薄れて行く、光が消え去った後には何も残っていなかった。
「やったゴブな、師匠はやっぱり凄いゴブ!」
「つい本気を出してしまったぜ。でも何でお前倒れてるんだ?」
「師匠に力を吸い取られて死にそうゴブ。」
俺の周りにいるゴブリン達は全員倒れていた、俺が力を吸い取り過ぎた様だ、何だか恨めしそうな顔で俺の方を見ていた。
「すまんかった、直ぐに返すよ。」
俺はゴブリン達に借りていた力をかえした。そうするとゴブリン達はノロノロ動き出して俺の方へ近づいて来た。
「マスター立派でしたわ!」
「ありがとうバーバラ。頑張ったよ。」
「主殿、凄かったですな。敬服いたします。」
「親分マジ強いっすね。尊敬するッス。」
俺の元に次々にゴブリン達が寄って来て言葉を掛けてくれた。人間達も大喜びだ。きっと今から宴会だろうな。俺達カテゴリー1は宴会好きだからな。
そして深淵撃退記念の祭りが始まった。その祭りは1週間も続いた。俺は主賓としてバーバラと一段高い壇上に置かれて置物と化していた。でもまあ隣がバーバラだから逃げ出さなかった。宇宙の皆も俺の星に集まってチャッカリ祭りに参加して楽しんでいた。
「マスター、随分立派に成りましたのね。」
「あれから大変だったんだよバーバラ。」
「そうゴブ、バーバラが殺されたもんだから怒り狂って国を滅ぼしかけたり。宇宙を統一して帝王に成ったり忙しかったゴブ。」
「まあ随分暴れたんですね、マスター。」
「まあな、でもまあ暴れるのはもう終わりだよ。これからは平和に生きたいもんだ。」
「あなたが見守っていれば宇宙も平和に成りますわ。」
「そうだな、少し頑張ろうかな。」
創造神を倒した事によって俺は又称号が増えていた、召喚神の他に宇宙の守護神とか言う称号持ちにもなっていた、俺は誰にも言ってないがバーバラには何となくわかった様だ。まあ昔から俺の面倒を見て来た嫁だから隠しきれるもんじゃないな。
「我が夫よ良くやったな!凄かったぞ。」
「本当に、妻として鼻が高いですわ!」
「何だお前ら、俺の嫁はバーバラだけだぞ。」
「まあ、良いじゃ有りませんか。沢山お嫁さんを貰ってくださいな。」
「え!何言ってんだバーバラ。」
「あなたの子供なら沢山欲しいですわ。皆お嫁さんにすると良いですわ。」
「お~!流石男爵の正妻。話が分かるな。私は2番目で十分だぞ。」
「じゃあ私は3番目ですわ。」
「おいおい、帝王何とか言ってくれよ。」
「良いじゃないか3人ぐらい、儂は嫁が10人居るぞ。男爵なら宇宙の帝王なんだから100人位居ないとおかしいぞ。」
「うへ~。藪蛇だ。」
こうして俺の世界は平和になったが俺には嫁が3人も出来て、俺は余り平和ではなくなった。でも皆良く出来た美人の嫁たちなので楽しく暮らしている。そして宇宙に争いが起こると俺達緑の軍団が鎮圧に向かう。正真正銘の神の軍団が。こうして宇宙は長く平和になった。
ーーーーーゴブリン召喚士 宇宙へ 終わりーーーーーー
さよならゴブ!