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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
3章 対オーガ帝国
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第31話 艦隊決戦

いつの間にか200ポイント越してますね。応援して下さった方ありがとうございます。

のんびりSF風味で書いてます。だんだん次の話を書きたくなってきたのは内緒です。


 いよいよ決戦だ、俺達の艦隊は緩い編隊を組んで戦闘宙域に向かっていた。全部で10隻、オーガ帝国親衛隊に数を合わせている。先頭は俺の乗る旗艦アークロワイアル、改修工事で艦首付近に追加の装甲を付け過ぎた様でなかなか速度が上がらない。運動性能は限りなく悪くなったが防御力は凄い事になっていた。そして直ぐ後ろにオーク族最新鋭ステルス戦艦が1隻、攻撃力も防御力も大した事の無い戦艦だがステルス能力に全てをつぎ込んで、奇襲する事のみに特化した戦艦だった。そして攻撃力だけに特化したオーガ族の弩級戦艦が続いている。


 「おい男爵、この船は酷いぞ!まるでタライみたいな操縦性能だ。」


 「だよな~、元の形が分からない位、追加の装甲張り付けてるからな。」


 「おたまじゃくしみたいゴブ!」


 「丈夫だけが取り柄ですから仕方ありませんな。」


 「しかし良いのですか主どの、攻撃兵器は全て下して防御しか出来ませんぞ。」


 「攻撃は魔導士とゴブ吉に任せる。俺達は後ろの戦艦を守る事に専念する、後ろの連中は防御をすててるからな。」


俺の船は攻撃兵器を全部下して、あいた場所に魔導士とヒーラーを詰め込んで来たのだ。戦艦自体の防御力にプラスしてヒーラー部隊1000人の防御魔法が使えるのだ、そしてゴブ吉にプラスして魔導士部隊1000名によるメテオの乱れ打ちで攻撃するのだ。


 「上手く行くと良いがな。」


 「フラグを立てないで欲しいゴブな~。」


 「何か嫌な予感がするんだよな。」


 予知能力がある訳ではないが、何か嫌な感じだった。オーガ族の帝王のアッサリした対応も気になっていた。普通はもっと帝王が騒いで良いはずだ、それとも親衛隊に絶対の自信を持っているのか?


 「なあバルト、オークとの一戦は研究されてるかな?」


 「当然監視されてたと思いますぞ。」


 「だよな、一大決戦だもんな。」


 「それでも俺達と勝負するんだから、何か隠し玉が有るんだろうな。」


 「1000年続く帝国ですから、それはそれはドッサリ隠し玉が有ると思いますぞ。」


 「俺達勝てるのか?」


 「勿論です、男爵様がいる限り勝てます。」


 俺は頭を抱えたくなった、頭が良いはずのバルトですら俺のことに成ると思考停止するのだ、俺は神では無いのに神扱いされるのだ。男爵教の信者達は恐ろしい。俺は奇跡とか起こせないが、周りは俺が奇跡を起こす事を確信しているのだ。奇跡なんて起こせないが、自信のあるふりだけして我慢する。今から戦うので皆に弱みは見せられない。


 「もう直ぐ戦闘宙域に入ります。親衛隊は既に整列していますね。」


 「公開放送で全宇宙に流してるから、丸見えだな。」


 「俺達の艦隊も映ってるゴブ。」


 今回の戦闘は全宇宙に公開放送だ、凄い数の取材衛星が集まっていた。親衛隊は旗艦が一番後ろに居て他の9隻ががっちり守っている。俺達は逆だ旗艦が先頭で9隻が一列で後ろに続いている、衛星からの放送でばっちり映っていた。


 「俺達の戦艦って全部形も色も見事にバラバラだな。」


 「良く言えば個性的、悪く言えば寄せ集めゴブな。」


 「それに引き換え親衛隊は何だか強そうだな。」


 「あと5分で戦闘時間です。」


 戦闘は場所だけでなく時間も決めていた。あと5分で戦闘開始だ。全宇宙に放送されているので不正は行えない、正々堂々勝負するしかないのだ。


 「男爵艦隊戦闘準備!各員戦闘準備!」


 「やるぞゴブ吉!全ゴブリンとリンク開始だ!」


 「おう!ゴブ。」


 俺は艦内に居る全ゴブリンとリンクする、全てのゴブリンは俺に同調し爆発的に能力を高め意思が統一されて行く。統一されたゴブリン達は俺の膨大な魔力とゴブ吉のイージスシステムを共有しいまや完璧な戦闘用のゴブリン部隊となった。


 「全ヒーラー部隊、防御魔法展開用意。合唱開始。」


 「全魔道部隊、攻撃用意。合唱開始。」


 誰にも出来ない1000人のヒーラーによる完璧に唱えられる防御魔法と、同じく1000人の魔導士による完璧な攻撃魔法を用意する。俺のゴブリン部隊の防御魔法は超弩級戦艦の主砲を小石の様に弾き返し、魔道部隊の攻撃魔法は戦艦の装甲を紙のように砕くのだ。


 「ゼロ時間!攻撃開始!攻撃開始!」


 敵の親衛隊艦隊から一糸乱れぬ主砲の斉射がやって来る。1艦から4発合計40発の質量弾だ。こちらも黒の種族の核融合収束光線砲とムカデ型核爆発多重薬質砲2発を含む主砲30発が撃ち返された。こちらの数が少ないのはアークロワイアルと真後ろに隠れているステルス戦艦は攻撃に参加してないせいだ。


 「敵主砲到達まで30秒!」


 「こちらの主砲、2発命中!敵艦2隻消滅!残りの30発着弾まで後30秒!」


 「黒の種族の主砲すげ~な、2隻やったみたいだぞ。」


 「馬鹿みたいに威力があるゴブな。」


 「ははは、どうです男爵様。黒の一族の力、しかと見せましたぞ!」


 「凄かったぞ、また撃てるか?」


 「無理ですな、両方とも船がバラバラになりそうです。この後は囮としてお使い下さい。」


 「了解した、ご苦労。」


 流石はオーガ族一番のマッド種族だけの事は有る、1発だけに賭けた弩級戦艦の秘密兵器は馬鹿げた威力で敵2隻を爆散させた。1発しか撃てないのは俺達しか知らないのだから今がチャンスだ、驚いてる隙に接近してゴブ吉の射程圏内に入るのだ。


 「全艦、全速前進!突撃せよ!」


 「了解!突撃開始!」


 「敵弾と接触します、3・2・1・今!」


 ズズ~ン、鈍い音と軽い衝撃がアークロワイアルを揺する。敵の主砲がアークロワイアルの防御魔法とエネルギーフィールドを突破して装甲まで届いた様だ。


 「主砲4発着弾しました。損害軽微!」


 「防御魔法をすり抜けたゴブ!不味いゴブ!」


 「気にするな!突撃だ!予想してた事だ。」


 俺のヒーラー部隊の無敵のハズの防御魔法が何故か無効化されていた、しかしこの為に俺の旗艦アークロワイアルは外観が変わるほど追加の装甲を施しているのだ。


 「師匠、予想してたゴブか?」


 「当たり前だ、ダンジョンにも魔法無効のヤツがいただろうが!」


 「魔法が効かないと俺は役に立たないゴブよ。」


 「気にするな、全部すり抜けた訳じゃない、多分魔法を無効に出来るのは数が少ないはずだ!」


 こんなのは初めての事じゃない、石をぶつけられて血だらけに成りながら魔物に近づいて行った事も有るし、死にそうになった事など何度も有るのだ。それでも俺達は突撃して相手を倒して来たのだ、ゴブリンの意地を見せてやるぞオーガ皇帝。


 

 

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