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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
3章 対オーガ帝国
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第29話 作戦会議をした


 オーガ帝国親衛隊と戦う事になった訳だが、噂ではかなり強いらしい。普段は本星にいて1年に1回の式典の時に出て来るだけらしいが、オーガ帝国の精鋭だけを集めている部隊なので普通の艦隊とは全然違うと言う話だ。そして使用している戦艦も最新鋭の超大型戦艦だけで構成されているそうだ。


 「親衛隊って言うぐらいだから強いんだろうな。」


 「強いですが問題はそこでは有りません男爵様。」


 「じゃあどこが問題なんだ?バルト。」


 「秘密兵器です、戦時に使うために普段は隠している兵器が有ります。」


 「そんな物が有るのか?」


 「当然です、新しい動力炉だったり兵器だったりセンサーだったり色々有りますぞ。普段は金が掛るので使わない物も戦時ならジャンジャン使えますからな。」


 「何か嫌だな、情報は無いのか?」


 「軍事機密だから、王家の者だけしか知らないでしょう。」


 何だか雲行きが怪しく成って来た、簡単に勝てるとは思ってないが、見た事も聞いた事も無い兵器が来たら対応するのに時間が掛かる。まあ実際問題として俺達の魔法が通用しないと物凄く困った事になるのだ。戦艦同士の主砲の撃ち合いに成ったら弩級戦艦が1隻しか無い俺達は負けるだろう。やっぱり魔法だよりってのも不味いカモ知れないな。ダンジョンにも魔法が効かない魔物がいたし、宇宙にもそんな物質が有るかも知れないし、魔法無効の技術を持ってるかも知れない。


 「やっぱり魔法が効かない時の戦い方を考える必要が有るな。」


 「そうですな、魔法が有効なら勝てますが、効かなければ負けますな。」


 俺はアーサーやゴブ吉達を集めて作戦会議を開くことにした。俺達対オーガ帝国親衛隊と言う事はダンジョンで言えば親衛隊がボスキャラで俺達が冒険者チームって事と変わりないからだ。魔法が効かないボスキャラ10体をどう倒すか考えるのだ。


 「という訳で、親衛隊と戦う方法を考えて貰いたい。」


 「魔法が効かないと困るゴブ。」


 「私も困りますわ。」


 「はいはいはい!マスター!」


 「何だ、ヘラクレス?」


 「俺達がバトルドレスで戦艦をボコれば良いと思うッス!」


 「俺もそれは考えたんだがな~、どうやって近づくかが問題なんだよな~。近づいてる最中に攻撃されると簡単に壊されるぞ。」


 「簡単です男爵、根性で近づくッス!」


 「よし、他に意見はないか?」


 ヘラクレスは脳筋なので仕方ない、力業で突撃する事しか知らないのだ。最も魔物らしいのがヘラクレス達キングゴブリンなのだ。


 「主殿、やはりダンジョン同様、拙者達ソードゴブリンが速度を生かして近づくしか無いのでは?」


 「止めておけアーサー、戦艦のセンサーは強力だ、どんなに早くても迎撃されるぞ。」


 「やっぱりCIWSで撃ち落とされるか?エミリー。」


 「1分間に6万発の近接防御が多分10基は有るはずだ、1分間に60万発を避けきれるか?アーサー殿?」


 「流石に無理でござるな。」


 「だよな~、魔法が駄目だと俺達カテゴリー1の野蛮人だもんな。」


 さて困った、AIに計算させようにもAIは魔法が理解出来ないので計算出来ないのだ、つまり俺達は自分で考えなくてはならないのだ。カテゴリー1の野蛮人に出来るだろうか?


 「そんじゃまあ、皆。何か考えてみてくれ。良い意見が有ったら教えてくれ。」


 「温泉にでも入って考えるゴブ。」


 「そうですな、気分を変えて考えてみます。」


 急に良い考えを出せって言われても、直ぐに出せる程俺達は頭が良く無いので休憩する事にした。大体良い考えって遊んでる時なんかに考え付く事が多いから。


 「たこ焼き美味いゴブな!」


 「塩たこ焼きも美味いぞゴブ吉。」


 「主殿、塩たこ焼きはシンプルで良い味ですな。」


 「私はマヨネーズが良いな!」


 「私は何時ものヤツが好きですわ。」


 うむ完全に全員で現実逃避だ、俺が造ったたこ焼き食べてエールを飲んでいる。ヘラクレスはエールを飲み過ぎて既に寝ていた。元々こいつは考える気ゼロなのだ。


 「うむ、このままでは負けるな。」


 「俺もそう思うゴブ。完全にフラグが立った気がするゴブ。」


 「まあまあ、魔法が普通に効いて簡単に勝てるかも知れないぞ。」


 「そうで御座るな、魔法が効かない可能性の方が低いで御座るよ。」


 「きっと大丈夫ですわ。魔法が使えますわ。」


 エールのせいで皆楽観的になっていた、嫌な事は起きないと無理に思い込んでいる様だ。だが俺は違うエールを飲んでも吞まれたりはしないのだ。嫌な感じがするときは大抵嫌な事が起こるのだ。ゴブ吉はそれをフラグと言っていたが俺はそれが現実って事を知っていた。なにせ現実に何度も噛みつかれた事が有るのだ。でもまあ皆を心配させても仕方ないので黙っている事にした。


 「お~い、バルト。俺達考えたけど駄目だわ。」


 「ふむ、我々族長も皆で話し合ってみます。多分皆色々な兵器を隠してるハズです。」


 「えっ、族長達も秘密兵器持ってるの?」


 「勿論です。とは言っても帝王程の金は無いので、余り期待されても困ります。」


 「そっか、やっぱり領土が広い金持ちが有利だよな~。」


 俺達はカテゴリー1の阿呆だから、ここはカテゴリー3のオーガ族族長に期待する。なにせ相手もオーガ族なのだきっと何か良い手を考えてくれるに違いない。違ったら凄く困るのだ。


 「ゴブ吉、凄く嫌な予感がする。」


 「奇遇ゴブな、俺もするゴブ。」

 

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