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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
3章 対オーガ帝国
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第28話 オーガ帝国皇帝とお話した


 俺はもう諦めていた、それはそれは盛大に諦めて悟りの境地に立っていた。だって俺は芋ほり男爵を目指しているのに周りが宇宙の王者とか大宇宙の帝王に成れって言うんだ。変だろ?絶対おかしいよな?芋ほり宇宙一を目指すのは面白そうだから良いけど、宇宙の王者とか面倒なだけだろ。第一戦争なんかしたくないんだ俺は。


 「男爵様、おはようございます。」


 「やあおはようミケロ。研究はどうだい?」


 「昨日は魔導士の皆さんにファイアーを見せて頂きました。勿論、計測不能でしたが面白かったです。」


 オーガの第2使節団の皆は帰ったが黒の種族の族長ミケロは俺の領地にそのまま残ってしまった。宿泊費用は石鹸やシャンプーで払うと言うので俺は喜んで引き受けた。石鹸やシャンプーは高く売れるし、皆にも害が無いからだ。それに黒の種族の石鹸は環境に配慮した優れものなのだそうだ。結局俺達の使ってる通貨は宇宙何かで使えないので今の所物々交換なのだ。

 後一週間位で黒の種族の補給船が来るらしい、観測機械と石鹸などをどっさり持ってくるって話だ。彼は非常に頭が良いので、彼専用の研究施設を建てようとしていた、彼はきっと俺達の良い先生になるだろう。


 「男爵様、計測は出来ませんでしたが、一つ仮説なら浮かびましたぞ。」


 「やっぱりあれか?次元の違いか?」


 「何故それを!・・男爵は天才なのですか?・・・いやいや、神でしたな。既に知ってましたか。」


 「俺達に上の次元を計測する手段は無いからな~、どうやって次元の壁をやぶるか楽しみだな。」


 「男爵様一緒に魔法の研究論文を書きましょう!宇宙中の話題になりますぞ。」


 「遠慮しとくよミケロ、俺はカテゴリー1の野蛮人だから論文なんて無理だよ。」


 俺だって魔法について色々考えていた、最初は有るのが当たり前と思っていたが睡眠学習で勉強しても何処にも魔法なんて無かった。そして宇宙に居る連中が全員不思議に思っている事も知っていた。宇宙空間を航行する為に彼らは物凄い数のセンサー類を持っていて、ありとあらゆる物を測定している事も知っていた、その彼らが測定出来ないのなら、それは多分存在していないか感知出来ないという2つの原因からだと俺は思っている。そして現実に魔法が作用しているので存在してない訳ではないのだ、感知出来ないのは俺達3次元(時間軸を考慮すると4次元だが)とは違う上の次元からの干渉と考えるのが一番手っ取り早いのだ。俺は魔導士やヒーラー達が5次元や6次元に干渉してこの俺達の世界に色んな現象を引き起こしていると思っているのだ。エリカが戦艦を修理した事を見ても、次元を超えた強力な力が有る事は間違いない。


 「それじゃあ研究頑張ってくれ。」


 俺達の街は以前と余り変わって無かった、俺達の存在自体が貴重過ぎて宇宙に住む連中がそのまま保存する事を望んだのだ。俺達の文化や文明に干渉する事は禁止された。彼らと同じ道を行けば、俺達の能力が無くなりそうなので俺も賛成した。


 「お~い、ゴブ吉。魚釣りに行こうぜ。」


 「良いゴブな、宇宙じゃ魚釣り出来ないからつまらないゴブ。」


 「そう言えば、よその星には行ってないな、魚釣り出来る星とかに行ったら面白そうだ。」


 「戦争が終わったら、皆で遊びに行くのも良いゴブな。」


 それから海辺に行って魚を釣って人魚達と一緒に焼いて食べた。最近では人魚達も魚を焼いて食べる様になったのだ。中には焼かない方が美味しい魚も有るのだそうだ。勿論分かってる、これは現実逃避だ。しかし現状では俺に出来る事は何も無いのだ、周りが色々やってる様だが規模が大きすぎて何をしてるかさっぱり分からなかった。


 「男爵様、オーガ帝国皇帝より通信が入っています。受けますか?」


 「ああ受ける、話す事は大事だからな。」


 俺は大急ぎで屋敷に帰って皇帝と話す事にした。


 「こちらダイ男爵です。初めまして皇帝。」


 「ふむ、お前がダイ男爵か。やってくれたな。」


 通信画像の向こうにはオーガ族の皇帝が見えた。壮大な部屋と凄い装飾品に囲まれている、周りに着飾った礼装のジェネラルオーガが立っている。皇帝はキングオーガの様だ。一方の俺は魚釣りをしていたので極めて普通の格好だ。


 「何の事でしょうか?」


 「オーガ族の4割をそちらに取り込んでおいて知らぬふりとは中々に曲者だな、男爵。」


 「ほう、4割がこちらに付いたのですか。初耳です。」


 「外敵を撃つはずが内戦に持ち込まれるとは儂の作戦負けだ、お主の能力を甘く見ていた様だ。だが儂もオーガ帝国の皇帝なのだ、おめおめと貴様に負けるわけにはいかん。本日只今をもって貴様らに宣戦を布告する。」


 「わかりました。受けましょう。ですが、このままではオーガ帝国がボロボロになりますぞ。良いのですかな?」


 「分っておる。だが戦わずに降伏する事等出来ん相談だな。」


 「全面戦争をするとそちらの戦艦600隻とこちらの戦艦800隻の戦いになって物凄い被害が出ます。そこでお互いの代表が戦うと言うのはいかがでしょう。そしてその戦いを銀河中に放送して公平を規すのです。」


 「面白いオーガ帝国親衛隊の艦隊と貴様の艦隊代表が戦うつもりか?良いだろう。」


 こうして俺はオーガ帝国皇帝と戦う事になった。周りを巻き込むのは嫌なので今回も俺のゴブリン部隊の出番だ。敵はオーガ皇帝親衛隊、最新型の巨大戦艦だ。俺のアークロワイアルと同じ位の超弩級戦艦10隻からなる帝国最強の艦隊らしい。


 「折角現実から逃げて魚釣りしてたのにな、ゴブ吉。」


 「現実に追いつかれて噛みつかれたゴブ。」


 「見ないふりしてもやっぱり駄目だったな。当たり前だけど。」







 

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