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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
第2章 宇宙の召喚士
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第17章 アーサーが暴れた


 「主殿、拙者も戦いたいでござるよ。」


 「だよな~、飯食って寝るだけなのは胃に悪い。」


 「でもアーサー、宇宙は空気無いから外に出られないぞ。どうすんだ?」


 「拙者勉強しました所によりますと、船外活動用のバトルドレスが有るそうです。これを拙者が着て敵の船に切り込むのはいかがでしょうか?」


 「切り込んだら帰ってこれなんじゃないか?凄い速度で飛んでるらしいぞ。」


 「う~む、どちらにしろ一度は試して見たいでござる。」


 アーサーの気持ちは良くわかる、ゴブ吉やエリカが頑張ってるのに自分だけ飯食って寝てるのは精神的に辛いのだ。勿論アーサーが悪いわけでも何でもない、宇宙ではアーサーのスキルが生きないだけだ。地上ならアーサーは多分無敵に近い存在なのだ。でも考え出すとドンドン悪い方へ考え出すので何かさせないといけない。そこでエミリーの所にバトルドレスを借りに行った。


 「何だと、バトルドレスで敵艦に切り込むだと・・・一体どうしたらそんな考えになるのだ?」


 「駄目か?」


 「大昔にそんな事をしたと言う記録は有るが・・・・無謀だぞ?」


 「エミリー殿無謀は承知でござる。一度試させてもらえないだろうか?」


 「うむ、アーサーがそこまで言うなら仕方ない。手伝おう。」


 最初は捕虜で、俺達に食われそうになって泣いていたエミリーだが、最近では俺達の顧問みたいな感じになって来た。聞くところによるとオーガの中でも良い所のお嬢で結構優秀なので、偵察艦の艦長をしてたそうなのだ。その時はハイオーガだったが今では2クラス上がってクイーン級オーガなので本国に帰っても艦隊指揮官位にはなれるらしい。でも本国には芋が無いから帰らないそうだ。俺としては芋を持って帰って育てれば良いと思うのだが、何だかんだ言って帰らないのだ。多分俺の星の温泉と魚と酒のせいだと俺は思っている。


 「これが船外活動用バトルドレスだ。ちょっと大きいぞ。」


 「ほう、この中に入れば良いのですな、エミリー殿。」


 高さ3メートル程のバトルドレスは結構な大きさだった、地上用と異なり外部スラスターが沢山ついているので、とげとげしい感じだ。出力は地上型と同じで力を2~3倍にするだけらしい。でも多分アーサーの速度を2倍にするのは無理だと思う。アーサーは本気を出すとキングゴブリンよりパワーがあるし、俺達が見えない位の速度で動くのだ。


 「アーサー本気出すなよ、それ多分壊れるぞ。」


 「何言ってるんだ?男爵。船外用バトルドレスは頑丈だぞ!」


 「アーサーはキングよりパワーが有ってビックリするほど速いぞ。それでも大丈夫なのか?」


 「え・・そんなに・・アーサーってキングより強いのか。」


 「キングが100人居てもアーサーには勝てないぞ。」


 アーサーは憮然とした顔をしていた、そう言えばアーサーの強さを知ってるのは俺達の昔の仲間だけだった。こちらではコインを切って見せる位の芸しか見せて無いのだ。


 「アーサー軽く動いてみろ。」


 「はい、主殿。」


 「・・・・」


 アーサーが軽く動くと地面に大きな穴が開いて砂煙がもうもうと沸き上がった。勿論バトルドレスの動きは霞んで見えただけだ。


 「止めろ!止まれアーサー!バトルドレスが壊れてしまう。」


 止まったバトルドレスから煙が出ていた、アーサーの動きとパワーを2倍にしようとしてアクチュレーターやなんやかやが過負荷を起こした様だ。そもそもリミッター解除してキングゴブリンにパワー負けするのにアーサーのパワーやスピードを2倍に出来る訳ないのだ。


 「やっぱり駄目だなアーサー。バトルドレスじゃ無理だ。」


 「ぐぬ~、オーガのバトルドレスが付いて行けないとは。何たる屈辱。」


 「まあアーサーは無理でも、ハイソードゴブリン位なら有効なんじゃないのか?少しは速くなると思うぞ。」


 「そうですな、上位のゴブリンではバトルドレスを壊してしまいますな。仕方ありませんな。」


 「アーサーが使える位のバトルドレスが有ったら良かったのにな。エリザベスに頼んで造ってもらおうか?」


 「それは素晴らしい、主殿お願いします。」


 オーガ族のエミリーが顔を真っ赤にして怒ってるが仕様がない、超弩級戦艦が出来るぐらいだからアーサーが使っても壊れないバトルドレス位出来るだろうと思う。しかし、宇宙空間は空気が無いのでアーサーの剣技って使えるのだろうか?刀で戦艦切るのは無理だろうし、風刃なんか風魔法みたいなもんだよな、あれ風魔導士って宇宙じゃ使えないじゃん。空気無いし。


 「アーサー、どうやって船切る気なんだ?ソニックブレードとかの風系のスキルは使えないぞ。」


 「大丈夫です主殿。気を使います。」


 「気?ってなんだ?」


 「気合でござる。」


 「・・・気合ね・・まあアーサーが言うならそうなんだろうな。」


 「こうするのでござるよ。」


 アーサーの手に淡く光る剣みたいなのが出て来た。ラノベなら光の剣って言うヤツになるのだろうな。アーサーのは気合の剣らしいが。そしてブンブン振り回すと凄い風切り音がする。


 「それで切るのか?」


 「そうでござる、偵察艦位なら真っ二つでござるよ。」


 「エミリー、偵察艦で試して良いか?」


 「嫌だ!本当に切りそうだもの。」


 アーサーの気合の剣は長さを自由に変えられる様で今では5メートル位の長さになっている。もっと長くできるそうだ、本当に宇宙船を切るかもしれない感じだ・・・いや、アーサーが出来ると言っているのだから出来るのだろう。アーサーは冗談を言わない男だ。何か面白く成って来た、アーサー用のバトルドレスが出来たら戦艦相手に戦えそうだ。少なくとも地上戦になったら無双確定だろうな。早くエリザベスに造ってもらわねばなるまい。

 そんな感じで、戦闘準備していたらオーク族がゴブリン王国に近づいて来ているという情報が入って来た。俺達の準備は出来てないが仕方がない。これが戦って奴だ。準備不足の時に起きるのが普通だ。完全に準備が出来ている場合は相手が警戒して起きないのだ。

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