第12話 ゴブリンの星に着いた
SF難しすぎ。SFに詳しい人助けて~!!
ゴブリン召喚士、まだ完結済み週間・月間のランキングに残ってるんですよ、不思議ですね。
夜空は中々幻想的で好きだったが今その中を物凄い速度で飛んでいても全然面白くなかった、狭い船の中で毎日同じものを見て睡眠学習と多少の運動をするだけなのだ。こんなしょうもない事を延々とエミリーはやって来たらしい、可哀そうなもんだ。俺の星で暮らしたがるのも無理はない、海や山や森が有って美味い食い物と温泉の方が宇宙よりよっぽど良かった。
「お~い、エミリー。タコの天ぷら作ったぞ!」
「お~、タコの天ぷら丼ぶりにしてくれ。たれは辛めで頼む。」
「私は甘めのたれでお願いします。」
「俺は大根おろしが美味いと思うゴブ!」
「拙者は塩が一番合うと思うでござる。」
宇宙船の旅は暇なので俺は料理ばかりしていた。エリカは俺の助手で料理の腕を磨いていた。たれはエリカが色々作っていた。
「男爵!やっぱり私の国でレストランをしたら大儲けだぞ、行列のできるレストランとして王国の評判になるぞ。」
「わはは~、料理でハーレムが出来るゴブ!」
「タコの天ぷらや芋の団子でハーレムが出来る訳ね~だろ!」
「ラノベの世界じゃ出来るゴブ!何か食わせると色々な怪物が仲間になるゴブ!」
「梅太郎かそれは!キビ団子で世界征服とかドンだけ頭がお花畑なんだよ!」
余りの暇さ加減に俺やゴブ吉はラノベ小説とか言う物を読んでいた、最近はゴブ吉がはまっている様だ。なんか夢の中でも起きない様なことを色々言うのだ。確か梅太郎とか言うラノベではキビ団子とか言う食べ物で、空を飛ぶ魔獣ドラゴンと地獄の番犬ケルベロス、それに人型魔獣を配下にしてオーガ族の国に行ってオーガ族の宝物を奪って金持ちになる話だった様な気がする。そんなに美味いのかキビ団子、俺はその味の方に興味が有った・・・いかん話がそれた。
「皆シートに着いてくれ、ゴブリン王国の宙域に入る。」
「やっとか、長かったな。」
2週間の亜空間飛行の後ゴブリン王国に着いた様だ、光速で何万年もかかる程遠いのだそうだ。ゴブリンの警戒宙域に入りそれからゴブリンの首都の在る星に行くのだ、この船とオークのステルス艦が一緒なので大騒ぎになるだろう。当然先頭のゴブリン使節団が上手い事報告しないと俺達は酷い目に会うだろう。
「高次空間飛行止め、通常空間に移行。3艦直列編隊オーガ艦は最後尾。」
エミリーがドンドンコマンドを入れて行く。俺達はただ見てるだけだ、宇宙の作法なんて知らないからな、おまけに失敗すると危ないのは流石に俺でも分かった。
「通常空間に入ったぞ、皆楽にしてくれ。現在ゴブリン艦がパトロールと交信中だ。」
「まだ時間がかかるのか?」
「此処からなら亜空間に潜れば1日位だ。」
「3隻で帰って来たから、大騒ぎだろうな。」
「うん、それに私はオーガ族だし、男爵は人間だから凄い騒ぎになってるはずだ。着いてからもかなり煩わしいと思うぞ。」
「大丈夫です主殿、我らゴブリンなら主の偉大さは直ぐに分かるでしょう。」
「だったら良いゴブね。」
ゴブ吉が余計なフラグを立てたような気がするが気にしない。俺達はゴブリン族と争う気は全くないし、むしろ協力したい位なのだ。俺達が宇宙では無力なのは置いといてだ。
「侵入許可が出た様だ、このまま進むぞ。」
「了解ゴブ。」
俺達は椅子に座り大人しくしていた、そして暇つぶしで勉強したり・・・睡眠学習だから寝てただけだが・・・飯を食ったりしてたらゴブリンの首都のある惑星に着いた。俺達の星と大きさは同じ位の大きさだった。オーガやオークの星も同じ位の大きさらしい。極端に大きさの変わる星には生き物が余り生れないのだそうだ。
「着陸シークエンス開始、自動操縦システム作動、誘導システムに接続開始・・完了。」
外の光景を見せて貰ったが凄く広い場所だった、沢山の宇宙船が有りこの船より大きな物も有った。空には沢山の飛行艇が舞っていた。歓迎というよりは警戒している様だった。
「着いたぞ。男爵。」
「お~やっと広い所に出られるな。」
「ふひ~、長かったゴブ。」
「いや、そうはいかんと思うぞ。」
エミリーの言う通り俺達は又狭い部屋に閉じ込められた。別に捕まったとか監禁された訳じゃない。知らない星から来たので病気を持って無いかどうか調べているのだ。これをしとかないと惑星に住んでいる全員に危険が有るのだそうだ、検疫ってやつだ。2日程で検疫が終わって俺達は王宮に招かれることになった。
「男爵様こちらで御座います。」
「よお、エリザベス久しぶり。」
偉く着飾ったエリザベスが迎えに来た。おつきの兵士達も偉く緊張している。アーサーやゴブ吉が自分たちより遥かに上位種なのが分かった様だ。お迎えの大きな乗り物に皆で乗って王宮へ向かった。
「エリザベス、芋団子は美味かったぞ。」
「何ですかそれは!食べた事有りませんわ。」
「ふっふっふ、男爵が私の為に作ってくれたのだ。」
早速オーガのエミリーがエリザベスをからかっている。きっとここからエリカも参戦して3人の女によるバトルが始まるのだ。地上に降りても何も変わらない3人にチョットだけ安心した。