第11話 宇宙に出て見た
ゴブリン召喚士まだ完結済み週間77位で月間126位とかにいますね。
そう言えばUN1万超えてましたね、1万人以上に見られたと思うと恥ずかしいですね。
小説書いてるのは親友以外には秘密にしてます。
いつまでも目立つ宇宙船を地上に置いとく訳にもいかないので、俺達はゴブリンの惑星に出発する事にした。オークのステルス艦にはゴブリン船の副操縦手を借りて操縦して貰った。俺とゴブ吉、エリカ達は一番大きなオーガの船に乗る事にした。俺達に身長が一番近いので居住性が一番良かったのだ。
「男爵、私の膝の上に乗りませんか?操縦の仕方を教えますよ。」
「いや、遠慮しておく。」
クイーン級オーガになって益々痴女が加速したエミリーは皆の前でも俺を挑発するのだ。プリンセス級から5センチ大きく成った等と訳の分からない事まで大声で言うから困ってしまう。
「男爵様、そんな鬼より私の膝の上の方が乗り心地がよいですわよ。」
「いや、いい」
これまたエミリーに対抗心を燃やすクイーン級ゴブリンのエリカがすかさず言う。この二人に挟まれると物凄く疲れるのだ。自分に好意を持っている人間を邪険に扱うのは難しい、どんな人間にも平気で文句を言う俺が言い返せなかった。
「モテモテごぶな。」
「うるせ~!ニヤニヤすんな!」
「主殿、両方娶れば良いのです。なんせ主は神なのですからな。」
「「そうよ!そうよ!」」
「いや俺、神じゃねーし。ただの男爵だから。」
重力制御を掛けて船体が静かに上昇して行く、重力素子とかいう素粒子に干渉して重さを無くすのだそうだ、俺には難しすぎて何だか分からないが。重い物が集まると発生するチッコイ素子らしい、宇宙には少ししか無いので重さが無くなるそうだが、それが何なのかさっぱり分からなかった。ゴブリンやオークの船も同じ原理で飛ぶらしい。歴史の必然とか同時発明とか言うらしいがそれも良くわからなかった。
「男爵、耐圧シートに座って下さい。加速しますよ。5Gの緩加速です。」
「了解、皆シートに深く座れ。」
このシートは搭乗者を守る機能が付いていて加速や減速時に身体を固定してくれるのだそうだ。これが無いと加速と減速で身体が部屋中飛び回って酷いことになるのだそうだ。
「エンジン出力100%で固定、加速システムエンゲージ。耐衝撃・耐加圧システム起動、加速開始。」
「うお~!!!」
何だか身体が急に重くなった、誰かが俺の上に乗ってるみたいな感じだ。
「頭が重いゴブ!」
「胸が重いです!」
「少々身体が重いですな。」
「大丈夫だ直ぐに慣れる、諸君これが5G。身体の重さが5倍になる加速だ。」
加速は勉強したから知っていたが、体験するとまた違った実感が有った。この船は戦闘艦なので非常時には100G加速位平気でするらしい、耐加速装置や重力制御を使っても10G位は掛かる機動が可能だとエミリーが自慢げに話していた。
「恒星速度を超えた、これより無重力状態になるぞ。気をつけろよ。」
「お~、なんだこれは!」
今度は身体がフワフワ浮いた。椅子から立ち上がろうとしたら天井に頭がついた。皆も部屋の中をフワフワ漂っていた。
「面白いゴブ!」
「気持ち悪いです。」
「どちらが上か分かりませんな、主殿。」
「俺もどっちが上か分からないよ。アーサー。」
「はは、男爵。宇宙には上や下は無いぞ。」
そんな事を言われてもさっきまで天井だった所に浮かんでみたり、壁だった所に立ったりすると頭が混乱するのだ。何だか気持ちが悪く成ってきた。
「エリカ、気持ち悪い。ヒール頼む。」
「それは大変、ハイヒール!」
「・・・・駄目だ・・効かん。」
「・・・もしかして状態異常?」
「この気持ち悪いのは、状態異常なのか?」
「ホーリーウインド!」
「・・お~、楽になった。ありがとうエリカ。」
宇宙酔いが状態異常だと初めて知った、呪いみたいなもんだったのか。確かに気持ち悪かった。
「それじゃ、船を回転させて重力を作るぞ。0,2Gだ。」
「船体等速回転、座標軸固定、発生Gコンマ2.回転開始。」
エミリーがてきぱきとAIに命令コマンドを入力してゆく、音声でも入力出来るが、事故で空気が無くなっても入力が出来る様に普通は手で入力するのだそうだ。俺もキーボードとやらの練習をしたが遅いのでゴブ吉やエリカに笑われた。エミリーなんか話すより早く入力するのだ。要は慣れらしいが、俺はそんなのを信じなかった。俺は大概の才能が無いのだ。
「どうだ男爵?楽になったか。」
「ああ、どっちが上か分かれば平気だ。」
「でも身体が軽いゴブな。」
「そうだな、コンマ2Gだから軽く感じるはずだ、だが慣性は通常と同じだから注意してくれ。」
「余り飛び跳ねるなって事ですわね。」
「そうだ、無茶すると怪我するぞ。」
こうやって俺達はエミリーに宇宙空間での注意事項を習いながら宇宙空間を物凄い速度で進んでいた、外部モニタで外を見せて貰ったが真っ暗で星が見えるだけで全然面白くなかった。楽しみは食事だけだった。俺の星から大量の食材を持ち込んだので食い物は豊富だった。全部フリーズドライとか言う方法で長期保存が出来る様になっていた。
「エミリー、芋の蒸し団子作ったぞ。食うか?」
「当たり前だ、私は芋には目が無いのだ。」
「私もいただきますわ。」
「おう、沢山作ったから食ってくれ。」
「男爵、これを私の星で売ったら大儲けだぞ。大人気間違いなしだ。」
エミリーが口いっぱいに団子をほおばりながら言った。オーガ相手に商売するのも面白いな~とか考えてしまった。俺は宇宙でも料理スキルを磨いていたのだ、料理神スキルに目覚めたら面白いと思った。




