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ゴブリン召喚士 宇宙へ  作者: ぴっぴ
第1章 ゴブリン召喚士
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第1話 空から槍が落ちて来た

ゴブリン召喚士応援ありがとうございました。


 「ゴブ吉、最近暇だな~。」


 不埒な貴族を討伐しつくした俺達は暇だった、もうこの国に不正を働こうとする貴族は居なかった。どうやら金より命の方が大切な様だ。死んでも悪い事をするのが好きな連中は皆死んでしまった様だ。各地には学校が建ち無料で治療する治療院が建ちまくったお陰で、平民は賢く健康になって生産性が向上し国がやたら栄えていた。寄生虫が居なくなった動物と同じ様に国が元気になった様だ。


 「余計な事言うとフラグが立つゴブ。」


 「フラグって何だ?」


 「身体が軽いとか、俺、結婚するんだって言うと呪われるゴブ!」


 「なんだそりゃ恐ろしい事も・・・・うわ!」


 ズズ~ン!


 地面が激しく揺れ轟音が辺りに響き渡る。


 「なんだ?これがフラグってヤツか!」


 「主殿一大事でござる。空から何やら妙な物が落ちてきましたぞ!」


 「行くぞゴブ吉、敵襲かもしれん!」


 「大変ゴブ。」


 外に出て見ると俺達の畑に大きな槍みたいなものが突き刺さっていた。俺達の200本オールの船と同じぐらいの大きさだ。こんなものを投げつけるヤツがいたら大変だ、化け物みたいにでっかい奴に違いない。


 「何だこりゃあ!槍か?」


 「槍にしてはデカすぎるゴブよ。」


 俺の配下のゴブリン達も大勢集まってきた。取りあえず集まってデカい槍を皆で見上げていると。真ん中辺に小さな穴が開いた。穴の中から何かか出て来た。ロープなのか?俺達の前にロープみたいなものが落ちて来た、穴の中に続いている様だ。


 「何か出て来るゴブ。」


 「何だあのちっこいのは?」


 「子供ですかな?」


 ロープを伝って何やら子供の様な感じのやつが3人降りて来た。ぎこちない動きが身体能力の低さを現していた。


 「ふひ~やっと降りれた。」


 「疲れたであります。」


 「死にそう。」


 俺達の前にロープで降りて来た3人は何やらゴニョニョ言っていた。こっちを全然気にしてないので阿保なのかも知れない。


 「おい!お前ら一体なにもんだ!」


 「どわ~!原住民が喋った!」


 「言葉が通じるでありますか?」


 「意外と知能が高いのかも?」


 「お前らのゴブリン語は良く分かるぞ。」


 この3人はゴブリンだった。ゴブリン語を話しているし、見てみるとホブゴブリン1匹とノーマルゴブリン2匹だった。でも何だか俺の領地のゴブリン達と比べると小さくて弱弱しい感じだ。


 「お前が、ここの原住民の酋長か?」


 ボカン!


 「痛い!痛い!」


 なんだかホブゴブリンが生意気だったので殴ってやった。大体こいつらのせいで俺達の畑が滅茶苦茶になっているのだ。もうすぐ芋が獲れてフライドポテト祭りをするはずだったのである。


 「生意気言うと食っちまうぞ!ホブゴブリン。」


 「どひ~!この人怖い、隊長謝って下さい!早く!」


 「申し訳ない酋長様、今のはブラックジョークです。」


 「お前ら、何しに来たんだ?」


 「はあ・・・船の故障で・・ここに落ちてしまいました。」


 なんでもこの槍みたいなものは空を飛ぶのだそうだ、機械の故障とか不調とかいうものの為にここに落ちてしまったのだそうだ。


 「そんじゃ、この槍は病気になって飛べなくなったのか?」


 「ええ、まあそんな感じです。」


 「治ったら、また飛べるんだな。」


 「はい、現在修復システムが作動中ですが後1週間位かかりそうです。」


 「そうか、そんじゃ1週間程ゆっくりしていくと良い。」


 「ありがとうございます。酋長様。」


 こいつらはゴブリンの惑星国家とか言う処の下っ端の兵隊だった、辺境惑星強行威力偵察隊とか言うややこしい名前の奴だ、手っ取り早く言うと偵察係なんだそうだ。ここら辺を調べて回ってる時に機械が故障してこの星に落ちて来たとか言っていた。


 「なんでこの辺りを調べてるんだ?」


 「はい、移民の為です。俺達ゴブリン族は弱いのでオーク族やオーガ族にいい様に資源を取られて破滅寸前なんです。早い所あいつらのいない処に逃げないと滅亡するかも、です。」


 「なんだお前ら、オークやオーガなんぞにやられてるのか?」


 「オークやオーガに勝てる訳有りません、あいつ等は俺達の上位種族なんです。」


 「そりゃあ違うぞ、あいつ等雑魚だ。ゴブリンこそ最強の種族だぞ。」


 「最強なのは、男爵が居るからゴブ。こいつらには神がついてないから弱いままゴブな。」


 「何ですかその最強とか神とか言うのは?」


 「貴様ら主殿を見て何とも思わんのか?」


 「怖いです。」


 「こいつらレベルが低すぎて師匠の凄さが分からないみたいゴブな。」


 空から3人のゴブリンが落ちてきたが困ってるみたいなので助ける事にした。とにかくこいつら小さくて弱そうなのだ。ちゃんと飯を食っている様には見えない奴らだった。こんなのが兵隊とはゴブリン惑星軍とはとても弱い軍隊に違いない。


 「まあいいや、お前らちゃんと飯食ってるのか?飯食うか?」


 「食うであります!食べるであります!もう錠剤は嫌であります!」


 「何でも良いから、何かの塊が食べたいです!」


 「いただきます!酋長様!」


 腹を減らしてる様なのでゴブリンの好物の芋をふかしたヤツと、魚を焼いたヤツを食わせてやったら。涙を流しながら食っていた。生まれて初めてこんな美味い物を食べたそうだ。船の中では毎日2回小さな団子みたいな物しか食ってなかったらしい。道理で小さいはずだ、まともなものを食っていない貧乏な兵隊だったのだ。


 「美味い!美味いであります!」


 「はわ~、ほっぺが落ちそうです!」


 「おかわり下さい!」


 こいつらはホブゴブリンが隊長でアルファ、二人のゴブリンがベータとガンマと言うらしい。物凄く遠い所から来たのだそうだ。腹いっぱい飯を食ったら寝てしまった。ゴブリンらしい奴らだった。


 「こいつらどうするゴブか?」


 「一応ゴブリンみたいだから助けてやろうと思う。」


 「主殿は、ゴブリンに甘いですからな。」


 その日はゴブリン達を俺の屋敷に連れて帰って寝かせる事にした。ちっこいゴブリンを見るとゴブ吉の小さい頃を思い出して邪険にも出来なかったのだ。



 


 

 


 




 

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