log in - 98 現実(リアル?)は小説よりも奇なり。
「え~と、要するに、だ。霧羽ちゃん……と、リリウの家系って……リアルファンタジーって、こと?」
「はいぃ~……」
「………………………」
うん、何かさ? 妙に納得である。
ほら? 柊さんの背後のアレとか、ね……。
何でも、陰陽師とかでよく知られる? 式神ってヤツらしいんだわ、アレ。
そんな人を雇っているくらいだもんなぁ……。
で、聞くところによれば、鬼備志磨流槍術って元々は魑魅魍魎? とかを相手取り、それを打ち倒すための武術なんだとか。
そりゃあ、魔物も相手どれるわなぁ……元々がそういう武術だし……。
「このことは、内密にですよぉ~……」
「言っても誰も信じないわよ……」
あ? 復活した。
ここまで死んだような目を明後日の方へと向けて沈黙していたイニスが一言。
うん、ごもっとも。
しかし……そうなる、と……?
「あ~……アギトお兄ちゃん、アギトお兄ちゃんぅ~? 父はただ遊びたいだけで、深い理由はありませんよぉ~」
……さいですか。
あの病院、件の昏睡者の受け入れもしていたはずなので。すわっ! 調査のためか!? ……と、頭を過った疑問が、リリウの一言で霧散した。
まあ、いいけどね……。
「私に合わせてぇ~? 「私は! サハギンに、なる!!」と豪語していましたぁ~」
なぜにそのチョイス!?
「まさが、それを選ぼうとする人がいるとは……」
同じ思いを抱いたのか、イニスが悄然と呟く。
うん、いや……なんだ。ゴブリンを選んだ奴も、ここにいるんだがね!
う~む、そうするとサハギン用の陸上補装具も作るべきか?
いや、しかしなぁ……。
「どうしたんですかぁ~?」
「うん? ああ、サハギン用の補装具を作るべきか……とな」
「それって、そんなに悩むことなの?」
まあ、サハギンの実態は、まだ『転生者』達には伝わっていないようだしなぁ……。
「いや、な? サハギンから陸上デメリットを取ったら……ただのチートだな、と」
「はい?」 「ふえ?」
「サハギンてな……水中では基本系6種のステータスが3倍になるんだよ」
…………………………。
“ポカン”と呆ける2人。
まあ、見た目はアレだけどね? サハギン、強いよ、サハギン! 水中だと、まさに比類なき強さを魅せてくれるんだよ!!
何度も言う通り、見た目がアレだからね! 魅せられても、そこに痺れも憧れもしないんだけどさ!! というか、あまり魅せられたくもないしな!!
因みに、ステータスの基本系6種とは、STR・VIT・MAG・AGI・DEX・MNDのことで、VP・SP・MPを消費消耗系3種と呼ぶ。
ん? 満腹度? 敢えて言うなれば……特殊消耗系、か?
「はあぁ~~~~~っ!?」 「ふえぇ~~~~~っ!?」
うん、そこそこ長い硬直だったな? それだけ驚きが大きかったということか……。
「パワーバランスの面で騒がしくなるだろうからな……」
そう、『転生者』にとってのパワーバランスの問題。その崩壊が、はっきりと分かるこの事案……どうするべきか……。
「でもさ? それって……今更じゃない?」
「あははははぁ~……」
うん、まあ……計画段階で、既にかなぁ~りやらかしてる感が強いしな。このまま、突き進むとしようかね。
「それで、これから向かう所だが……」
「はいぃ~、不遇種族の母と呼ばれている生産ビルドの『転生者』の方の所ですぅ~」
何でも、グラットらしいのだが、現時点で唯一町売りの品よりも良いものを作り出せている『転生者』なのだとか。
「名前はぁ~……」
――アロマ――
それが、ある意味運命的な出会いであったことを俺が知るのは、もう暫くの時を必要とするのであった。
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