log in - 89 いいのか? それで……。
本日4話投稿 - 2/4
“カランッ、カラランッ”
「へい! らっしゃいっ!!」
扉を開けた瞬間、どこからともなく響くベルの音と共に快活なかけ声が張り上がった。
あえて言おう……これ、なんて居酒屋?
と、いうかさ? 『宿屋:飲兵衛』って……。
俺は無言で“ジトー”と据わった目をオーレルへと向ける。
その、返応は……どん!
「あ~……例に、よってだ……」
だと、思ったよ……orz
いや待て! それって、この宿……2万年も続いているのか? 老舗どころではないな!?
「おんや、オーレルじゃないか!? 随分と御無沙汰だったねぇ?」
「お久し振りです、女将さん」
……なん……だ、と……!?
いや、ね? 予想していなかったわけではないんだ。
しかしながら、ね? 実際にその目にすると……そのインパクト派凄まじい。
と、いうかさ? これはちょっと……極端すぎやしないかい!?
少しもっさりとした髪を後ろで結い。恰幅のいい体型で、しっかと床を踏みしめるその立ち姿は……ああ、確かに女将と呼ばれるだけの威厳? はある。
だが、しかし!
「あら? 嫌だねぇ、お兄さん! そんなジッと見つめられたら、年甲斐もなく照れちまうじゃないかい!!」
思わず“マジ、マジ”と僅かに見下ろし見つめてしまった女性? は、その言葉通り照れを隠すためか“クネ、クネ”と科を作る。
そう、今の俺が僅かとはいえ見下ろす……のだ。少なくとも『転生者』のドワーフにもここまでのはいなかった。
テテルは……結構ちんまいな。現地固有、か?
うん、どう見ても……幼児にしか見えん!? 下手すると……3歳前後? 身長、100㎝無いよな!?
幼女だ! まごうことなき……合法ロリだ!!
「がははははっ! おかみちゃんの伝説が、また、1ページ……じゃのう!!」
『わっはっはっはっはっ……』
「誰がおかみちゃんだい!? さんとお言い、さんと! シバキ倒すよ!!」
『はい! ご褒美です!!』
何なんだ……このノリ。
いや……理由、は……。
俺は、」オーレルへと顔を向け……。
「例に、よって…だ……」
ですよねぇ……。
「まったく、あいつ等ときたら。ほら、お兄さんも何時までも突っ立ってないで、座ってこいつでもお飲み」
そう言って手渡されたのは、コップになみなみと注がれた泡立つ黄金の液体。
おかみちゃん……もとい、女将さんの「駆けつけ3杯って言ってね? って、3杯もサービスしたら、商売あがったりだよ!?」というセリフをスルーしつつ。俺は、手にするそれを“マジ、マジ”と見つめ……意を決して喉の奥へと流し込む。
っ!? これ、は……。
ビールだ。まごうことなく、ビールだ……。
ん? 持病持ちの癖に、なぜ酒の味が分かるのかって?
それはな? 年一の検査入院の時など、あの院長の酒の相手をさせられているからだよ……深夜の病室で!
彼曰く。
「はっはっはっ、寧ろこれで病状に何らかの変化があれば、そこから原因解明の糸口になるかもしれないというものだよ」
だ、そうな……。それ……何て人体実験? 本当にこの人が院長で、いいのだろうか……?
しかし、だ……。確かに、まごうことなきビール、なのだが……。
「何故に、ノンアルコール!?」
そう、それはアルコール分が驚異の0%である、所謂ところのノンアルコールビールというものだったのだ。
それでいてノンアルコールビールっぽくない、純粋なビールと何ら変わりない味わい。何なの? この、完成度!?
そしてそれは、ビールのみに収まらず。ウイスキーやワイン、ウォッカ等酒類全般に及んでいたのだ。
曰く。
「酔っぱらって鍛冶仕事なんざ、危なくってできねぇだろうがぁあっ!!」
だ、そうな……。
職人として、至極もっともな……それでいて、ドワーフとしては非常にもっともらしくない正論であった。
いや、まあ……うん、確かに正しいんだけどさぁ……。それでいいのか? ドワーフ……。
恐らく、多くの『転生者』が思い描いているであろうドワーフとしてのアイデンティティ。それを、真正面から蹴り飛ばす彼の発言に、オレは頭を抱えたくなった。
いや、ね? 彼の発言自体は問題じゃないんだよ? 問題は……なぜそこに、火薬をブチ込みやがったんだ、彼奴らはぁ~~~~~っ!!
そう、これもまた……例によって……例の如く、であった。
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